〇48
アリシアが部屋に戻ってきたが、彼女が持って行った物の殆どは無かった。
グレコはともかく、僕が使っていた物も没収されるのはすこし寂しいところはある。
「何だか色々あったけど。とりあえず任務は終了ということでいいのか?」
「えぇ。私は適当に休んでいるけれど。貴方にはまだ聞きたい事が一つあるし。」
「え?」
「モニカから聞いたわ。私、信じたのに裏切られましたって。」
「・・ん?」
「彼は協力してくれるって言ったのに、自分の心をもてあそばれましたって言っていたけれど。貴方としては本心はどうなのかしら?」
「別にもてあそんだ覚えはないけど?そもそもモニカの発言には聞こえないけど。こっちもあと一歩で死にそうな目にあったんだから、多少は何か言い逃れするぐらいあるだろ。」
「つまり、モニカさん目当てで彼女と協力するつもりはなかったの?」
「あいつに足で使われたのに・・。大体、アリシアだって一度あいつにやられそうになったんだろ?エクレールが居なかったら、少なくとも君は死んでたんだから。」
「ふーん。まぁ、べつにエクレールに助けられたのは事実だし。私としてはむしろ見直したぐらいだけど。私だって相手の事をちゃんと理解していれば抵抗はできたわ。」
アリシアは負けず嫌いなんだろうか、それともモニカが余程運よく彼女に対して奇襲に成功したのか。
「そう。とりあえず、おすわり。」
「え?」
その突然の一言により、僕の体は地面に無理やり伏せられることになった。
わりと強引な法則のため、伏せた時の衝撃はわりと痛い。
「とりあえず、貴方の調子ぐらいは見てあげないとね。私の奴隷なんだし、モニカに何かされたかもしれないじゃない?」
「ま、待って。これは何の冗談だ・・!?」
「口答えは厳禁よ。」
首輪が光ると、突然自分の口が動かなくなった。これでは喋ることもできないが、このまま一体なにをされるのだろうか。
「ふむ。体に何も異常はないけど。グレコから聞いた、モニカとの契約って何だったのかしら。」
「うごごご。」
「まぁ、後で聞いても分かるだろうけど。でも彼女に私の物を少しでもいじられるだなんて。それは騎士失格にも程があるわ。」
自分の物を触られた事で怒って居るらしいが、奴隷の僕としてはもう少し触られない努力をしてほしい。
アリシアは椅子を移動して僕の前に置き、そして着席する。
足を組んだ彼女はそのまま僕を見下す形となっており、一体何を考えたらこんな状況を思いつくのか理解できなかった。




