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適当な夕食を注文した後、席に座ってある程度何をしてきたかを聞き出したい。
エクレールが何であの場所に居て、そもそもモニカと何故知り合いだったのか。
ある意味出来過ぎた偶然にも感じる所はあるけれど、エクレールから聞かないと何も理解できないところはあった。
「私、アリシアにロワールの自治兵隊に無理やり引き渡されてここに来たんですけど。結局モニカはどうしたんでしょうか。」
「その兵隊とやらに連れていかれたよ。」
「やっぱり。そうなるんですね。」
「まぁ、彼女の事情を聞くとかなり複雑だからな。仕方が無いし、僕が何か言っても変わらないだろうけど。モニカとは前から知り合いだったのか?」
「知り合いというか、会ったばかりみたいな感じです。夜にモニカに会って、そして彼女が心配になって屋敷についてきたんですけど。」
「お前、不審な人についていってはいけませんって言われなかったか?」
「でも、モニカを放っておけなかったし。あの女の子があんな状態のまま生きているのは私も嫌なの。」
「あぁ・・。」
ある意味単純な話ではあった。
「モニカは君より年上だよ。」
「え?えぇ!?」
「それほど驚くほどか・・?モニカは誰かから凄い力を受け取ってあぁなったんだ。不死になって、10年前からずっとあの調子で生活していたんだよ。明らかにおかしいけど、あれも色々な事情があったから。モニカ一人だけの問題じゃないけど、彼女は君が思っている以上に危険な人だから。」
「私、モニカをずっと普通の女の子だと思ってたのに。」
「何でそう見えるんだ・・?いくらお前だってあの屋敷に入った以上は理解できているだろ。」
「普通ならそうなのかもしれませんけど、あの子は大丈夫だって理解はしています。」
「何が大丈夫なんだ・・?」
「私が屋敷まで行った後、ちゃんとした料理を何とか作ったんです。それで彼女に食べさせる事はできたんですから。」
「あぁ。待って、モニカって他の食べ物は食べれるのか?」
「モニカから聞いたけど、私は肉以外食べたくないからって。偏食はいけませんってできることはしたんだけど。」
「いい話風ではあるんだけどなぁ・・。」
肉を偏食している理由を考えると、僕はすぐにコップの水を飲み止してしまった。
「あいつ、10年間ずっと肉を偏食していたのなら・・きっと酷い欲求不満なんだろうか。」
「どうしてですか?もしかして、もっと酷い理由があるんですか?」
「君は知らなくていいよ。」
「・・・・あの、ノガトさん。」
「ナガトだ。」
「すみません。間違えました。」
「いきなり間違えるな。さっき教えたばかりなのに。」
「私はモニカの力のことよりも、彼女の異常な欲求の方が危険だと思います。普通の人だったら死んでますし、彼女を見るとどこか間違ている気がして。」
「あぁ。そうだな。え?」
「その内・・彼女は動物以外の生き物にも手を出します。だから、私は何とかしようとしたんですけど。私はギルド協会の人に怒られてしまった後なので何もできません。」
「それは・・。」
無い、わけではない。彼女は僕に対して殺す程ではないにしろ噛みついてきたのだ。
もしかしたら、彼女はエクレールの言う通り動物以外の生き物に手を出す時があるのなら・・。
「えっと。エクレールって怖い事は平気なんだな。」
「・・・ニガトさんこそ平気なんですか?」
「お前わざとやってんのか・・?僕は駄目だよ、怖い奴を見たらすぐに逃げたくなる。ところで、何でエクレールはギルドから脱会したんだ?」
そう聞いてしまったけれど、もしかしたら聞かない方がいいのかもしれない。
彼女なりに理由はあるのだから、僕みたいな本来部外者みたいな存在は何もしないほうがいい。
「私、他に夢があったので脱会したんです。」
「へぇ。なんの夢だ?」
「分かりません。」
「はい?」
「私、もっと輝ける場所があると思って、自分探しの旅に出ていたんです。そこで、私ギルド協会の人に突然捕まって家に戻されました。酷いですよね、私別に何も悪い事してないのに。ギルドの人も酷い事言うんだから。」
「・・・まぁ、百歩譲っておくとして何で夢?」
「月が綺麗だからです。」
「月・・?」
「なんとなくそんな感じがしただけです。だから、私はこんな私じゃいけない気がしたから。例えミガトさんが私を馬鹿な女の子だと思っていても、私はもっと輝ける人になれるって信じてるんです。」
だから何でさっきから僕の名前を間違えるんだろうかこのピンク髪は。
もしかして本当は親愛度がゼロなんじゃくてマイナスを振り切って居るんじゃないか・・?
僕は何もしていない筈なんだけれど、もしかして何か酷い事を言っただろうか。
「例えばどんな人だよ。」
「お姫様になりたいって、女の子は皆思っているのと同じ事です。」
「意味の分からない事を言ってはぐらかしているのか・・?」
丁度、料理が出て来た所なのでそっちに専念する事にした。
「まぁ、エクレールが脳みそお花畑なのはいいけど。村には帰らないのか?婚約者が居るんだろ?」
「・・・・・・・・・。」
「今、目が死んでなかった?」
「あ、ナガトさんのエビパスタおいしそうですね。貰っていいですか?」
「駄目だ。それで、スフレ・・君の妹から聞いた限り家出をしてきている最中になるな。つまり、君は、って食うなって言っただろ!?」
「本当にここの海老はおいしいですねー。」
これ以上議論を続けようとすると僕の料理が全てエクレールに奪われそうな気がしていた。
「ところで何でスフレと知り合いなんです?もしかして、村で出会っちゃったりするんですか?」
「お前は推理能力すらないのか!?普通ならスフレがお前の事を心配してアリシアに助けを求めていたんだよ。」
「そっか。私を心配してくれるなんて嬉しいけど、でも私はもっと飛んでいきたいから。」
「いっそ本当に飛んでいってしまえばいい・・。大体、スフレが心配しているんだから帰ればいいだろ。」
「大丈夫だよ。私、スフレを信じてるから。」
明らかに迷惑過ぎる信頼だった。
「誰かと結婚するのが嫌なのか。」
「あ、そうだ。もし暇だったらナガトさん、明日町で遊びにいきませんか?」
「・・・。」
いきなり間違わずに名前を呼ばれ、いい笑顔で町に一緒に行くことを要求された。
これはある意味デートと聞こえるかもしれないが、正直僕はこれから何をされるのか分からなかった。
断った方がいいのだろうか、しかしもしかしたらという事もある。
「アリシアがいいって言うのなら。」
「じゃぁ決まりですね。アリシアの事は気にしないで。」
「ん?何で僕と町で遊ぶ事になるんだ?」
「ナガトさんだって、この町初めてですよね。もっと何か見て回りたいでしょう?」
「あぁ、そうだな。」
「アリシアの奴隷で居るなんて、それこそ人生の無駄だって気が付いた方がいいと思いますよ?」
「・・・・まぁ、君の言う事が間違いではないんだけど。」
僕は既に17年分の人生を無駄にしているし、確かに奴隷で居ることは酷いけどどうしてアリシアを悪く言うのだろうか。
もしかして、あまり実は仲がよくなかったりするのだろうか。




