〇32
外まで吹き飛ばされた事でとりあえず久しぶりに日差しを感じる事ができた。
もう二度とあそこには戻りたくないのだが、しかし外に出ても悪臭が漂う辺りかなり酷い町である。
無人化している以上は仕方が無いのだが、もう少し何とかならないのだろうか。もしかしたら家の中に死体があるかもしれないし。
「あの武器は七つの大罪、だったりするのか?」
「フェリペとテレジアが持っている物は、これと同じもの。でも私とは違い不死者ではないから。力を最大限に悪用しない限りはまだ危険じゃない。」
「あの斧で屋敷が吹き飛んだけど。」
「遅かれ早かれ、あの屋敷は老朽化してもう駄目だから。普通の人が住んでいたら、一発で病気になるわね。」
「僕は、何で病気にならなかったんだろうな。」
ある意味、幸運なだけなのかもしれない。
「それで、どうする?」
「とりあえず、こうする。」
包帯が自動で解かれ、黒い右腕をモニカは地面に対し突き刺す。
伸びたその腕により地面が黒一色となり、無数の腕がテレジアが居る方向へ突き進む。
その威力はテレジアの持つ斧とほぼ同等だろうか。これさえあればあの二人を打倒するのはそう難しくないと思われた。
「あ・・!?」
しかし、そのテレジアはすぐに大ジャンプしていた。数十メートルを超えて飛び上がった後、持っている斧の魔力は先ほどよりも大きくなっていた。
「おらぁっ!!」
自由落下に任せて、テレジアは地面にその斧を叩きつけた。先ほどと攻撃パターンは一緒だが、威力は非常に高まって居る。
地面は砕け散り、モニカによる魔法は一時中断される形になった。今は彼女から飛び引くしかなく、むしろ逃げた方がいい気がしてきた。
「待ちなさいよこの陰険女!」
「速い!?」
見た目以上の速度でテレジアはモニカに対し猛追を試みる。
そのモニカに対して斧を回転させて殴ろうとしたが、一度回避される。モニカは一度跳ねて二回転目の斧を強く蹴り足場にして飛び跳ねる。
そして、モニカのダガーに黒く長い刃が出現し、十字に振りかぶることで衝撃波が発生した。
衝撃波がテレジアに直撃して爆発したが、それだけで彼女を止めることはできていなかった。
「全く。面倒くさい。少しは女の子らしくしたらどう?」
彼女の言動を無視してテレジアは再度攻撃を試みる。その攻撃を回避し、モニカは壁蹴りして広い道へ回避運動する。その彼女の動きに負けずテレジアは斧で再度地面を爆破。
一直線に地面が破壊されるが、それを右に転がって回避。瞬間的にモニカはテレジアに接近した。
テレジアは大きく回転して斧を横に振ったが、その攻撃が外れて壁に突き刺さった。体を後ろに倒すような回避運動をした後に元に戻ったモニカは右腕の力を発動して彼女を殴ろうとした。
それを寸前で回避され、モニカの体に足蹴りをするものガードされる。左手に持っていたダガーを彼女に向けるが、その手首を彼女に捕まれ制止される。
「え?」
テレジアが想いにもよらない突進の強さに体が負けて地面に倒れた。
その勢いでモニカはテレジアの肩に噛みつく、その一連の行為を見ただけで僕は女の子の戦いじゃねぇとは思っていた。
「ぐ、あぁあああ!?」
がん、とモニカは強く蹴り飛ばされやっとテレジアから離れる事ができた。
「ぐ、犬じゃぁあるまいし!!」
「わんわん。」
「可愛くないわ!!!」
割と真剣に怒って居るようだった。もっと他にいい攻撃方法があってもいいと思われるが。
モニカの口元が血に染まっており、結果的には彼女らしい姿になってしまっていた。




