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異世界で騎士の奴隷となった日  作者: 時川
始まり、森から屋敷へ
21/131

○21

一階は探し回ったので二階へ。

階段を登り、僕とアリシアは部屋を次々と調べる。

鍵が開いていなければ、強引に突破する。

書斎のような場所が見つかったので、アリシアはそこを調べることにした。

「ん?」

ふと、ドアに入る前に誰かを見かけた。

通路の奥、その影に何故かエクレールの顔が見えた気がした。

「なんで?」

そんな疑問を感じた時、アリシアの悲鳴が確かに聞こえた。

彼女がいた方向に振り向く。

アリシアは大量の血液を出して、地面に倒れていた。

一体何が起きたのだろうか、その光景を見ただけで彼女はもう駄目だと直感する。

アリシアを刺した本人、その少女は返り血で白い服と肌を染めている。

顔と右手を包帯で隠した姿はそのまま僕を見る。

最初から逃げればよかったが、僕はそのまま腰が抜けてしまう。

アリシアは動かない。包帯の少女と目が合っただけで身体が麻痺してしまっている。

その少女が近づいて来て、僕の上に跨った。

顔に巻かれている包帯を取るが、その顔はスフレよりも幼そうに見えた。

ここで死ぬのだろうか、その思案を待たずに彼女は僕の首に近づいてくる。

彼女の熱い吐息が、何処か獣のように感じていた。

「ま、」

そのまま彼女に殺されると確信した時だった。

「まって。これ以上は駄目!」

エクレールが止めてくれたことで、少女は噛み付くのをやめた。

「何で?」

「これ以上は、貴方にもよくないから。私はもう貴方みたいな子を増やしたくないのに。」

「意外なこと言うのね。私みたいな子と会ったことがあるんだ。」

「だから、貴方のこれ以上の蛮行は、私が許しません。」

「そう。まあ、いいけど。後ろのはもうおそいわね。」

「え?」

「既に一人刺しちゃったから。もう死んでるんじゃない?」

「そんな!?」

エクレールはすぐにその部屋の中に入る。

彼女はすぐに近づくと、エクレールは自分の知り合いだとようやく理解した。

「アリシア、何で、貴方がこんな所に?」

エクレールは非常に戸惑いを感じていた。

明らかにもう遅いと思われるが、彼女はそれでもと魔法を使う。

地面に魔法陣が展開され、非常に神々しい光が発生する。

「まさか、あの致命傷なのに?」

少女は明らかに驚いていた。その言い方からすると、彼女が持つ物騒なダガーでかなり強く傷害したと思われる。

その魔法の光が何なのか、少女も僕も理解することはできていない。

その魔法が終了し、光が収まる。

そこには、傷のないアリシアが地面に存在していた。

「貴方、それ、どういうこと?」

「私の友達を、殺すつもりで攻撃したんですか?」

「明らかに生き返ってるみたいじゃない。そんな魔法が、あっていいはずがないけど。」

「私の言葉に答えてください!」

「まあ、その人だって最初からその気のはずだと思うわ。正当防衛よ。」

そう言って、エクレールの言葉を辛辣に返した。


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