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朝食が終わった後、僕はそのまま部屋に戻る。
ミーアも一応朝食をとったらしいが、朝は食べないタイプなのかパンを一枚だけ食べてすぐに退散していたはずである。
「んにゃぁ。」
「で、ベッドで何くつろいでいるんだ・・?」
「はぁ。何だかヤル気を失ってきてブルーなんだよ。」
「別に、君の仲間には酷いことしていないよ。テレジアとリノンだっけ?あの二人は丁重に監視してくれているみたいだから。」
「ふーんだ。きっとその内二人がいけない人に攻めよられてあんな事やこんな事されるんだ。」
「大体、ギルド協会には女性の業務員も多いから。牢獄でも滅多な事は起きないだろ。ミーア自身は起きてほしいのか?」
「人間はそういういやらしい人たちだって教わったから・・。お兄ちゃんに。」
「お前の兄貴がとてつもない糞野郎だとは分かったけどさ。」
「はぁ。私、不安で尻尾が痙攣をおこしそうなんだけど。ナガトお兄ちゃんは私の事をどうするつもり?」
「どうするって。お互いアリシアの奴隷同士になっちゃったからなぁ。」
「奴隷同士の恋愛って・・成立するのかな。」
今、物凄い悪寒が走ってしまった。
いくら断熱性がちゃんとしているからとはいえ、この部屋はやっぱりちょっと寒い気はする。
「傷のなめ合いは止すんだ。」
「どこの?」
「比喩表現だよ。大体、ミーアは本気になったところで、僕は責任なんか持てないからな。」
「そうだよね。ナガトお兄ちゃんはきっと、アリシアのものだもの。」
「ん?」
一瞬違うと言いたかったが、しかしアリシアからされた行為を考えるとあまり否定できなかった。
「ふんふん。」
「勝手に匂いを嗅ぐな。」
「・・・あいつの匂いがする。」
「あいつって?」
「モニカ、というクソ女の匂い。」
「ちょっと言葉使いが汚いんじゃないか?」
「ここでお兄ちゃんはモニカと何していたの?返答次第では許さない。」
「何を?落ち着けミーア。僕は襲われただけで別に何もしていない。」
「どういうこと?経験はまだ無いの?」
「僕はまだ童貞だ。」
「そう。でも、まだ童貞ということはアリシアと一線を越えていないのね。」
「一線越えたところで、正直無駄な労力がかかるだけだと思うけどな・・。大体、ミーアだってそこまで気にしなくてもいいんじゃないか?」
「私だって、別に困らせるためにしているわけじゃないし。あのモニカにしても、意味不明な魔法を使っているんだから。心配になるでしょう?」
「ミーアは、モニカの特殊能力をどう思っているんだ?」
「分からないし。いざとなれば私はまだ戦えると思うから平気だけど。」
「戦えるって。大罪武器の方はもう奪われているんだろ?」
「うん。でも、大罪武器と同じランク、魔力適正が必要な物は扱えるから。」
「つまり、それを何処かに隠し持ってるのか?」
「ん?そうじゃなくて。協会からこれから貰うつもりなんだけど。」
「えっと。今の立場、分かってるのか?」
「うん。でも、非常事態はお互い様だから。大体、オルフェウス教団の幹部が、まさかあんなテロを起こすだなんて知らなかったもの。」
「まぁ、そうだけど。もし、その幹部と会ったらどうするんだ?」
「分からないけど、最悪な場合私が倒してあげる。」
「えっと。ミーアは、裏切りとかは気にしないのか?」
「教団の方が私たちを裏切ったんだよ。そもそもこっちだって意味不明な状況なんだから。私たちは命令に従って三人でモニカを捕まえようとしただけだもの。」
「つまり、教団の最初の命令には従っていたけど。他は知らないってことか。」
「無茶苦茶な命令に振り回されて乙女心はピンチなのに、今はもう念話で連絡すらこないから。本当に、いいかげんな人って居るよね。」
「連絡も無しってことは、やっぱり使い捨てにされたようなものかな。」
「うーん。どうだろう。大罪武器のことなんて本当はどうでもよかったんじゃない?とりあえず今は、ここでどうするの?」
「さぁ。適当に暇つぶしをするしかないけど。」
「暇つぶし?」
「・・・暇つぶしができるゲームとか、この世界にあるのか?」
「何言ってるのか分からないけど。暇つぶしなら、無いわけじゃないわね。」
「何かあるのか?」
「ネズミを匂いで探し当てるゲーム。」
「それはお前ひとりがやってくれ・・。」
普通の人間では明らかに無理なゲームを聞いてしまったが、それを本当に獣人がやっていると思うとシュールすぎる。




