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とにかく、もうそろそろ宿屋に戻りたい。
「残念だけど、エクレールとは一緒には居られない。」
「私の何が駄目なんですか!?」
「せめて事情を話せ。村に居られないのなら余程困ってるんだろ。」
「それは出来ません。」
「それで説得したつもりか?」
「私だって好きでこんなことしてるわけじゃないもん!貴方だって何で奴隷何ですか!?」
「気、気に入られたから?」
「変態なんですね。」
「だから変態じゃない。首輪を隙あらば取ろうとするな。」
「いいです。分かりました。そんなに言うのなら私が貴方を奪います。」
何でそんな事になるんだろうか。エクレールは剣を抜き、何も持っていない僕に向けた。
「騎士道精神は?」
「私、騎士ではないので。」
「僕以外にもいい男は居るだろ。別に焦らなくても他に守ってくれる人は居るよな。」
「時間がないから、貴方を道連れに。」
「馬鹿なのかお前!?」
「貴方以外に誰が居るんですか!?いい加減大人しく首輪を外させて。魔法拘束が強いから抵抗されると取れないじゃない!」
「何怒ってるんだ!?落ち着けそして剣をしまえ!」
「ぐぬぬぬ。」
人語も喋れなくなったようだ。
このまま村の方に逃げたいが、相手の目は本気だった。
逃げるか、それとも首輪を外させるか。そう考える余裕はあまりなかった。
その時、だ。
「ん?」
影から丸い物体がひょこひょこして出てくる。
スライム、だろうか。その青い外見は僕とエクレールの間に入ってくる。
「あ、に、逃げてください!!」
「は?」
その予想外のエクレールの反応に驚いてしまい、スライムが突然僕に対し突撃してくるのを回避できなかった。
その突撃はまるで岩石に当たったようで、僕を一撃で地面に倒させるには十分だった。
「ナガトさん!?」
正直、見た目よりも強いのは反則だと思う。
「ナガトさんが、そんな。こんな所で魔物に殺されるだなんて。貴方の仇、私が取ります。」
いや、まだ死んでないけど。
エクレールの方は剣を両手で握り、かなり真剣な表情でスライムと対峙した。
「行きます!」
両者が突撃する。
スライムは正面にそのまま体当たりするのを、彼女は剣で叩き斬ろうとした。
その攻撃は見事に命中した。
が、金属音が虚しく聞こえ僕は何が起きたのか分からなかった。
くるくると、僕の目の前に折れた剣の先が地面に突き刺さる。
「け、剣が折れちゃいました!?ど、どうしよう!?」
この時、アリシアだったらこのアホな子をどうするんだろうか。
今頃彼女が何をしているのか分からないけど、エクレールに何か期待するのはやめた方がいいだろう。




