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異世界で騎士の奴隷となった日  作者: 時川
始まり、森から屋敷へ
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10/131

○10

とにかく、もうそろそろ宿屋に戻りたい。

「残念だけど、エクレールとは一緒には居られない。」

「私の何が駄目なんですか!?」

「せめて事情を話せ。村に居られないのなら余程困ってるんだろ。」

「それは出来ません。」

「それで説得したつもりか?」

「私だって好きでこんなことしてるわけじゃないもん!貴方だって何で奴隷何ですか!?」

「気、気に入られたから?」

「変態なんですね。」

「だから変態じゃない。首輪を隙あらば取ろうとするな。」

「いいです。分かりました。そんなに言うのなら私が貴方を奪います。」

何でそんな事になるんだろうか。エクレールは剣を抜き、何も持っていない僕に向けた。

「騎士道精神は?」

「私、騎士ではないので。」

「僕以外にもいい男は居るだろ。別に焦らなくても他に守ってくれる人は居るよな。」

「時間がないから、貴方を道連れに。」

「馬鹿なのかお前!?」

「貴方以外に誰が居るんですか!?いい加減大人しく首輪を外させて。魔法拘束が強いから抵抗されると取れないじゃない!」

「何怒ってるんだ!?落ち着けそして剣をしまえ!」

「ぐぬぬぬ。」

人語も喋れなくなったようだ。

このまま村の方に逃げたいが、相手の目は本気だった。

逃げるか、それとも首輪を外させるか。そう考える余裕はあまりなかった。

その時、だ。

「ん?」

影から丸い物体がひょこひょこして出てくる。

スライム、だろうか。その青い外見は僕とエクレールの間に入ってくる。

「あ、に、逃げてください!!」

「は?」

その予想外のエクレールの反応に驚いてしまい、スライムが突然僕に対し突撃してくるのを回避できなかった。

その突撃はまるで岩石に当たったようで、僕を一撃で地面に倒させるには十分だった。

「ナガトさん!?」

正直、見た目よりも強いのは反則だと思う。

「ナガトさんが、そんな。こんな所で魔物に殺されるだなんて。貴方の仇、私が取ります。」

いや、まだ死んでないけど。

エクレールの方は剣を両手で握り、かなり真剣な表情でスライムと対峙した。

「行きます!」

両者が突撃する。

スライムは正面にそのまま体当たりするのを、彼女は剣で叩き斬ろうとした。

その攻撃は見事に命中した。

が、金属音が虚しく聞こえ僕は何が起きたのか分からなかった。

くるくると、僕の目の前に折れた剣の先が地面に突き刺さる。

「け、剣が折れちゃいました!?ど、どうしよう!?」

この時、アリシアだったらこのアホな子をどうするんだろうか。

今頃彼女が何をしているのか分からないけど、エクレールに何か期待するのはやめた方がいいだろう。

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