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私の家の壺の中から、時折『転生者』が出てきます。  作者: 溝端翔
リョクが出てきた!

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7/7

私のランクはなに?

「うん。私のらんくってどれくらいなのかなあって思って。でも物とかスキルしかかんてーできないんだっけ?」

「いや、わかんないけど……。多分人間は鑑定アナリシスできないんじゃないかな。だって生きてるし」


 リョクはなんとなくそんな気がした。生きた人間を鑑定?


 いやいや。


 しかし、ラズは折れなかった。


「ええ! そんなのわかんないじゃん! だってスキルだってかんてーできたんだよ? もしかしたら人間も魔物だってかんてーできるかもしれないよ? そしたらすごくない?」

「まあ確かに魔物とか鑑定できたら今後の戦闘で役に立ちそうだな……。じゃあやってみるか」


 鑑定って人間に使って体に異常とか起こさないのかな。とか思ってみたりしたけれど、リョクは言われるがままラズを見つめてラズ自身を鑑定してみた。


『鑑定結果……ランクSS ラズベリー・ライムストーン 十八歳。処女。上から92、56、84。常々働きたくないと思っている。ラズベリーと結婚すれば、必ず幸せになれる。魅了チャームと回復魔法が得意』


「SS! ってかこれスリーサイズじゃ……。いや、それよりも処……。しかも魅了チャーム? 結婚? ツッコミどころが多すぎる」


 リョクはラズの鑑定結果をみて、顔を赤らめながら驚いた。


「ねえねえ、かんてーした? どうだった? すりーさいずってなに?」


 ラズは無邪気な顔でリョクに尋ねた。


「いや、それは……。そ、それより鑑定アナリシスされたとき何か感じた?」

「あなり……? なに?」

「ああ、えっと鑑定だよ。鑑定されたとき何か感じたかなって」

「ううん? なんにも感じなかったよ? それより私のランク教えてよー!」


 ラズは力に詰め寄って体。というよりも胸をリョクに押し当てた。


 ち、魅了チャームってこれか?


 ラズが魅了チャームを意図的に使っている感じはない。


 確かにラズはあざとい。


 手を繋いできたり胸を当ててきたりしてくるがそれも全部わざとやっている感じはしない。


 だとしたら、無自覚で発動するスキルなのかもしれない。


 さっきラズはスキルは転生者だけのものだと言っていたが、本人たちが気づいていないだけでスキルを持っている人間がいるっぽいな。これは気をつけないと。正直今もラズの胸の谷間から目を離すので精一杯だ。どうしても目線がラズから離れない。ラズの方を向いてしまう。さっきから可愛いばっかり頭に浮かぶし。


 てか本当に可愛いんだけど。


 これも魅了なのか?


「ねえー! おしえてー! 私のらんくー!」

「え、えーっと、ランクBだったよ」


 リョクは嘘をついた。魅了チャームはまだよくわからないし怖いとしても、回復魔法を使えるのは大きい。ヒーラーとして今後仲間にしたいと思ったからだ。SSランクなんておそらく引くて数多だ。それをラズが知ったら自分から離れて行ってしまう。それだけは避けたい。


「Bかあ。Bって上から何番目?」

「えーっと、多分一番上がSSだから……四番目かな?」

「四番目かー。なんか微妙だね。もっと高かったらよかったのにな。ねえねえ、リョクはらんくなになの?」

「俺? やってみるよ」


 自分のランク。とても気になる。おそらくラズより低いと思う。自分の手を見つめて、鑑定アナリシスをかけてみる。

 しかし何も起こらなかった。


「あれ?」

「どうしたの? らんくなにだった?」

「いや、それが」


 何度もやってみたが何も起こらなかった。


「何度やっても鑑定できないんだ。もしかしたら自分自身は鑑定できないのかもしれない」

「そうなんだ。せっかくらんく勝負しようと思ったのになー。ざんねーん」


 ランク勝負。絶対負けてただろうな。ランクSSになんて勝てるわけない。


「そうだ。リョクはこれからどうするの? スキルのことはわかったんでしょ?」

「うん、スキルのことはほぼわかったと思う」

「じゃあどうする? 私もついていこうって思ってるんだけど」

「ありがとう。とりあえず魔物と戦うには武器がいるし、その武器を買うにはお金がいるし。今日は流石にここに泊まりたいし、泊まるためにはお金がいるし。とりあえず、お金がいるかな」


 とにかくまずはお金がいる。お金がないと何も始まらない。


「じゃあ魔物倒しに行く? リョクのスキルなら倒せるかも」

「魔物って普通の人間でも倒せるものなの?」

「ううん。冒険者とか魔法使いとか、そういった人は倒せるけど、基本的には倒せないよ。だから村を覆う魔除けの魔法をかけてるの」

「そうだよね。俺素手なんだけどいいかな。武器何にももらわなかったから」

「うーん。それじゃうちの包丁持ってく?」

「いいの? 怒られない?」

「大丈夫大丈夫。いっぱいあるからバレないよ」

「ならいいんだけど。でも包丁で魔物なんて倒せるのかな」

「ちょっと待ってて、一番強そうなやつ取ってくるから」


 宿屋の中に走って入っていくラズを見つめて、魅了チャームと念じてみた。


『鑑定結果……Sランク 魅了チャーム・レベル2 所持している本人の意思とは関係なく発動されるが、本人の意思と言っても過言ではないかもしれない。いわゆるあざといを自然に作り上げる。レベル2で恋に落とすことはできないが、好意を持たせることはできる』


 ラズが可愛い。これはラズの魅了チャームによるものが大きいことがわかった。でも、おそらく魅了チャームがなくとも可愛いと思っていただろう。なぜなら上井さんに似ているからだ。それだけもとから可愛いのだ。そのうえで、魅了チャームがかかっている。しかし、恋に落とせないと書かれていた。ということは今現在恋に落ちているかもしれないリョクは、魅了チャームではなく、ラズ自身の魅力に惹かれたのかもしれない。


 はあ。魔王退治行きたくない。


 しかし、女神の声が呪いのようにリョクの首を絞めていた。

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