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【マイルド】異世界 きまぐれぶらり旅~奴隷ハーレムを添えて~  作者: さとうねこ


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10-32 シイタケ

ピカタ師匠にメンバー入りを断られたが、新しい魔法を教わった。


サーシャとキスティを連れて、会議室を訪ねる。

地下に潜るということは、守備隊ではなく南西軍のナワバリなんだろう。


剣を腰に差した衛兵が重い扉を開けてくれて部屋に入ると、見た顔がひとつと、見たことがない顔が2つ。

見た顔は、俺にピカタ達の救出を依頼してきた部隊長だ。向かって左の机の椅子に、姿勢よく座って構えている。

それとは別に、ヒゲを生やしたインテリそうなおじさまが正面に。ミノタウロスのような見た目の人物が右に着席している。

ミノタウロスみたいな見た目の種族は、前に見たことがあるな。パシ族、とか言ったっけ? 南の辺境で、死蜘蛛と戦った辺りで肩を並べて戦ったことがある。

しかし、種族は同じでも前とは別人なことは分かる。


既に依頼を受ける方針であることは伝えているが、正式に受けるのがこの場だ。

俺たちはヒゲのおじさまの正面に用意された3つの椅子に座る。

俺が3人で行くとは伝えていないのだが、当然のように用意されている。


一人だけ、机にひじを付いてちょっと姿勢が悪い、正面のヒゲのおじさまが口を開く。


「君がヨーヨーかね?」

「……ああ」

「ふむ。傭兵団かパーティとしての名前はないのかね?」

「今のところ、ヨーヨーの一味というだけだ」

「そうかね、よろしい。こちらから提示した作戦に参加してくれると聞いたが、間違いないかね?」

「そうだが……ひとつ、お願いが」

「ふむ。聞こう」

「指揮権か、あるいは命令への拒否権のようなものをもらうことは可能だろうか?」


少し覚悟を決めて、言う。

ただでさえ破格の条件らしいのだ。何様のつもりだと軍のお偉いさんにキレられたら怖い。


「ん? よかろう」

「……良い、ので?」

「というか、ある程度有力な傭兵団であれば普通のことだ。知らんのかね?」


そうなの?


「……いや、そこまで評価してもらっているとは思っていなくて」

「それなら、始めからこのような依頼は出さん」

「そ、れはそうか」

「ただ、何でも良いというわけにはいかんからな。現場の指揮権と、無謀な作戦への拒否を認めるという条件になる。もちろん、敵に利するような行為は禁止だし、事実上そのようなことをするのも契約違反で、かつ処刑の対象となる。それは理解しているな?」

「軍の決まりには詳しくないのだが……どのような拒否なら認められるか、その詳細は聞けるだろうか?」

「そのあたりは、後ほど文官とでも話すとよい」

「……分かった」


嫌がっているわけではないが、本当に興味がなさそうだ。

成功してもしなくても良い拠点というキスティの推測どおりだからだろうか。


「ひとつ、言っておくが」


低くて、それでいてよく通る渋い声。

右側に座るパシ族から発せられたものだと、遅れて分かった。


「契約がどうであれ、裏切りだけはやめておけ。軍の者は裏切りを許さん。裏切り者は必ず報復されると思え。裏切るくらいなら、剣を捨てて逃げる方がずっと良い」

「……そうか」


逃げるのはセーフらしい。

それならまあ、良いが。


「そのへんにしておけ、少尉」

「……」


ヒゲの言葉に頷くミノタウロス顔。


「それで、任務の内容だがな。とある村を攻めてもらう。詳しくは、そちらのイズィー少尉から聞くが良い」

「分かった」

「後は頼むぞ、少尉」

「承知」


ヒゲと、見知った顔の隊長が席を外す。

見知った隊長のほうは結局まともに喋らなかったが、去り際にパンと肩を叩いていった。


ヒゲたちの代わりに、机や書類を持った文官が入ってきて、部屋の中央に新たに机を置く。

そのうえには、絵が描かれた大きな紙。地図か。


「こっちに来い」


ミノタウロス顔のイズィー少尉とやらに手招きされ、立ち上がって地図を囲む。

ふむ。

この地方全体の地図かな。各所に地名らしき書き込みがある。


「ヘジャの地図だ、分かるな?」

「ああ、まあ」

「ここがこの砦だ。南に行って、ここが目標の村だ。メジメリアの村と呼ばれている」

「メジメリアか」

「比較的最近に出来た村だな。いわゆる開拓村だが、周囲の村と比べると歴史がある。それ故に、日用品の市が開かれたりもするようだ。ただ北の地のように、中心となる村落と衛星村がはっきりと分かれているわけではない」

「人口は?」

「それなりにいる。数百人程度だな」


数百人か。

それでそれなりということは、やはり他の地域とは人口のケタが違うのかも。


「敵の情報は教えてもらえるのか?」

「当然。だが期待するな、今は状況が極めて流動的だ」


王弟閣下の一大作戦が待っているわけだからな。


「分かっている」

「うむ。ここはつい先日落とされた、リームという町に近くてな。その際、メジメリアから戦士団を出している。その後リームは陥落したが、その前後にメジメリアの村も敵に降伏している」

「ほう」


いつ降伏したのか、正確には分かっていないのか?

ちょっと不安になる情報だ。


「防備を固めて抗った形跡はない。残念ながら、な」

「……敵はどれくらい入ってきたとか、情報はないのか?」

「リームには、敵の小隊レベルを超える部隊が入ったことが確認されている。おそらく、多くは傭兵隊だ」

「正規じゃないのか」

「敵の軍部隊や主力は、各地の会戦を転戦している状況だ。あまり余計なことをする余力はなかろう。それはこちらも同じだがな」

「つまり、メジメリアにいる敵も、傭兵の可能性が高い?」

「その可能性も高いし、何にせよ敵の数としては多くはあるまい。せいぜい10人程度の規模であろうし、もう撤退しているかもしれん」

「……撤退していたら、何をすれば良いんだ?」

「村の頭を押さえろ。村長宅を占領して、領具があれば確保しろ」


領具は、領主が集落の統治に使うための魔道具だったな。


「了解した。ん? あれば、というのは」

「あるかどうかは預かり知らぬ、というわけだな」

「記録とかに残ってないのか?」

「開拓村の記録をいちいち、軍が把握していると思うか?」


思っていたが。

まあそういうものらしい。


「それで、頭を抑えて、敵が来ないように見張ってれば良いのか?」

「基本はそうだ。むしろ、あまり勝手なことをされても困る。功を求めて勝手に進軍するような真似はするな」

「そりゃあ、もちろん」


そこまで前のめりに参加しているわけでもない。


「占領後のことは、同行する軍の者に任せよ」

「同行? そうか、お目付役がいるのか」

「当然だろう? 連絡役とその護衛を付ける」

「どれくらいの人数だ?」

「4名だ」

「ふむ」


多いような、少ないような。


「お前達は5人だったな? あまり同行者が多すぎても、やり辛かろう」


おっと、セラも数に数えられていたか。


「報酬は、金貨だと聞いたが」

「占領すれば半金貨、敵がいれば金貨だ。後は手柄に応じる。詳しいことは後で聞け」


全員で金貨、敵がいなければ半額か。

手柄を立てれば加算されるとはいえ、高額というわけではないな。聞いている限り作戦の中でも危険度が低い部類のようなので、妥当なのかもしれない。


「了解した。他に気をつけることは?」

「近くでは同じような作戦がいくつも進行する。勝手をされては困るが、万が一の場合は柔軟に動け」

「……リームの町とやらも、同時にやるのか? いや、機密を知りたいわけではないが。そっちから敵の援軍が来るかどうかは知りたい」

「構わん。リームは戦士団が強攻する。援軍がリームに向かうことはあれ、逆はないだろう」

「ほう」


本当なら、それはありがたい。


その後、文官が残り契約書へのサインなどを済ませる。

魔法的な契約ではなく、普通に紙への同意のみのようだった。案外緩いな。



***************************



数日後、今度は俺たちの部屋に、ヒトが訪れる。

今回の作戦で同行する4人だ。


先頭で入ってきたのは人間族の、長髪の男。神経質そうな顔つきをしている。


「ニール曹長です」

「ヨーヨーだ」


軽く握手をして座ってもらう。


後ろに立っている他のうち1人は女性で、小柄な獣耳族だ。金髪ショートで立耳だ。

その隣には、ヒョロリとした印象の人間族らしき男。かなり若そうだ。

そして、ひとりだけ性別不詳なやつが。

男の頭に乗っている、丸っこいフォルムの鳥。

丸鳥族だ。


「そっちの3人も、自己紹介してくれるか? サーシャ、椅子もまだあるかな?」

「はい」


椅子は空いているのだが、1つだけだ。

ひとりだけ立たせるのも何なので、追加の椅子を探してもらうり


「このままでも良いですが?」


既に着席している長髪の男、ニールが言う。

やはり、この男が一番偉いようだ。


「そうだな、先に話を進めておこう。そっちの3人の紹介を良いな?」

「ええ」


長髪の目配せで、3人が口を開く。


「リュズです、主に弓を使います」


最初は金髪ショートの獣耳族。

今回は俺が一応指揮するようだから、何とかすぐ覚えないとな……リュズは弓使い、と。


「シタケです。剣と盾を使います」


モブボーイはシイタケ、違ったシタケと。

髪型がキノコっぽければ覚えやすかったのに、至って普通の短髪だ。おのれ。


「私はモクナ。主に風魔法を使います」


モブボーイの上にいた丸鳥族が喋った。

軍でも、頭の上にいることは失礼にならないらしい。というか丸鳥族って、誰かに乗ってることかまナチュラルに多い気がするが、そういうものなんだろうか。

モクナは声の調子とかから判断すると、女っぽい。


護衛3人中、2人が女性か。シイタケめ。


「よろしく。今回の件は聞いてるか?」

「既に私から説明済みです」


ニールが言う。

こいつ、眼鏡でも掛けてたらクイっと押し上げながら話しそうだ。


「それは助かる」

「先に説明しておきます。今回我々は、あなた方の作戦行動に同行します。ただし、あなたの部下ではない。歩調を合わせますが、最終的な命令権はありません」

「そうか」


あっちはあっちで、俺の指示を拒否することができると。


「もう一つあります」

「ん?」

「3人ですが、戦力には含めないでください」


……なぬ?



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― 新着の感想 ―
お目付け役だから戦闘には参加しないのか それとも文官出身なので戦闘力が無いのかどっちかですかね
男2女2な上に女1人鳥でハーレム野郎呼ばわりはお前が言うなって声に出してしまったw
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