第20話 ぽっかぽかの毛皮をクラフト! 雪原を越えて次なる階層へ
「はぁ、はぁ……。勝てた……っ」
「フェル、すごいよ! ……でも、やっぱり寒いぃぃ」
エマがガタガタと震えながら、膝を抱えて雪の上にへたり込む。
戦闘の興奮が冷めると、一気に凍えるような寒さが襲ってきた。
僕も限界だ。盾を握っていた左手の指先の感覚がほとんどない。
「エマ、急いでクラフトしよう! この熊の毛皮で、防寒着を作るんだ!」
「うんっ……!」
僕はエマと、氷みたいに冷たくなった手をギュッと繋いだ。
(フード付きの、分厚くて暖かいコート……! とにかく風を通さないやつ!)
さっき倒した熊から剥ぎ取った巨大な毛皮を素材に指定する。
僕の頭の中にある防寒着の構造を、エマの魔力に流し込んだ。
「……えいっ!」
ピカーッ!
眩しい光が弾け、次の瞬間、雪の上にはモコモコの立派な毛皮のコートが二着出来上がっていた。
さっそく、震える手で袖を通してみる。
「……あったかい」
「うん! ぽっかぽかだよ!」
頭まですっぽりと被れるフード。
全身を包み込むような分厚い毛皮の温もりに、思わずホッとため息がこぼれた。
これで凍死の心配はなくなった。
安心して顔を見合わせ、えへへと笑い合う。
さっき雪小屋でキスした時の気まずさも、少しだけ和らいだ気がした。
「よし、これで探索が続けられるな。行こう、エマ」
「うんっ! 毛皮のコートがあれば、雪山だってへっちゃらだね!」
暖かさを手に入れた僕たちは、落ち着いて地下四階の探索を再開した。
強力な武器と防具があるおかげで、雪豹や狼の魔物も危なげなく倒していくことができる。
そして雪原の最奥部。
分厚い氷の壁の先に、これまでの階層と同じような重厚な扉があるのを見つけた。
「地下五階への扉だ……」
どんな環境が待ち受けているのかはわからない。
でも、今の僕たちならきっと乗り越えられる。
僕たちは新しい毛皮のコートのフードをすっぽりと被り、次なる階層へと足を踏み出した。




