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14、今思えば、初デート

冒険者ギルドに行くと 早速こちらの国の冒険者登録をさせられた。


ギルドの方から登録を迫るのは異例な事らしいが、クジラの魔物(名前は知らん)の討伐をしたのが実質 俺と騎士団長の2人であるため、ギルドとしての体裁を整える為に是非とも登録してほしいらしい。


それに関しては こちらも望むところだし、討伐した割り当て金を受け取りやすくて助かる。

王様から貰える褒美は明日わたされるから、それまでは この国に滞在しなくてはならない。しかし、

最初の街でローレシアに貰ったお金がこの国では使えない、このお金が無かったら少々不便な思いをするところだった。


討伐には多くの人々が関わった為、仕留めたと言っても権利は ほんの何割かであるが、何せ大物だった為配当金も大きかった。お金の種類も価値も最初の国とは違うのだが大金なのは良く分かった。



「それとじゃ、これを森の向こうにあるという国のギルドに渡してくれんか。おまえ様がこの国にたどり着いた証拠にもなるじゃろう。報酬はギルドに対する貢献度の大幅な追加じゃ。向こうとの連絡が付いて確認が取れたら渡そう。恐らく、向こうのギルドでも貢献度が跳ね上がる、損は無いぞ」


ついでにギルマスから仕事を頼まれてしまった。どの道 行く訳だし断る手は無い。




宿に戻って会計を済ませようとしたが 既に支払われていた。飛獣姿のツツルフルを連れ出して 後をつけられないように 街の門を出てから飛んでもらう。


適当な距離で誰も居ない場所に降り、彼女には人の姿に成ってもらう。これからはツツルフルに人の姿でいてもらえる。男なんぞ奴隷にしたのはその為だ。


2人でのんびり歩いて都まで戻るとしよう。途中で魔物や獣を倒しながらなので ちょっと血生臭いデートではあるが、彼女も楽しそうなので問題無い。




「へへっ。レンジ・・どうかな?」


「良く似合ってるよ。後でククルさんにも見せてやりな」


「そうだね、心配してるかもね」


彼女に女性用の服を買う為に 少し高そうな店に入った。お金は沢山有るが 活動するのは向こうの国になる為、下手をすると 今後この国には来ないかもしれない。子供が小遣いを使うように 後のことを考える必要もなく思いっきり使えるというものだ。


動きやすい服からドレスまで 何着かの服と下着を購入して 俺が会計をすると店員が驚いた顔をしていた。

男が下心満載で女性にプレゼントする地球とは違って、この世界では珍しい光景のようだ。仲良く買い物をして プレゼントとしてお金を出している姿を見ていた女性店員達は物凄く注目していた。


その後、2人で手を繋いで街を楽しんだ。今度こそちゃんとしたデートだ。いや、結婚をしたと同じに思われているから新婚旅行なのか。日本では1人の高校生でしかなかったのに、ここでは大胆な事をしていると思う。



「これも似合うな・・これも買おう」


「いいの?」


宝飾店での買い物も気にせず買うため、店員は既に笑顔がトロトロである。ついでに仲間にお土産のアクセサリーも買う。

こんなデートをしていると日本なら「リア充爆発しろ」という呪詛があちこちから浴びせられるが、この世界の男共は無視してくれるので助かる。


しかし、逆に女達の視線がギラギラしている。広場のベンチに座って買ってきたものを食べている時も 遠巻きに痛いほどの視線が向けられている。ここで熱いキスとかしたらパニックになりそうだな。騒ぎを起こして捕まりたくないからやらないけどね。


だけど この世界でのデートは ぶらついて食べて買い物するのが精々で遊びが無いな。男達がデートなんてしないみたいだし商売に成らない物は発展しないらしい。


2人でいると嬉しいけど、さすがに時間を持て余す。とは言っても、ゲームセンターが有る訳じゃないしカラオケも無い、コンビニも無い・・・若者には辛い環境に思えるのは日本に慣れてしまったからだとは思うけど退屈なのは事実だ。


ふと見ると、冒険用の小道具が売っている雑貨屋がある。ツツルを1人にすると女の人に因縁を付けられそうで危ないため、近くではあるが手を引いて2人で行く。それ自体が火に油なんだけど しょうがない。


冒険者が仕事なためか、雑貨をアレコレ見ながら買い物をしていくとこんな場所でも楽しい。

ふと ロープが目に付いた。そういえばペペルナを助けた時に臭いロープを処分した為、今は持っていなかったのを思い出して2本買う事にした。1本をアイテム袋に入れて一本を手に持って広場にもどる。


適当な長さに切って真ん中を結んで球を付ける。もう気が付いたと思うが、縄跳びの紐にするためだ。

何をしているか分からずにハテナマークを出して見ているツツルフルに縄跳びを見せてやる。


ボクシングを少し習っていたので、基礎訓練の縄跳びはソコソコ旨い。二回とびや、片足とびなどで軽快にヒュンヒュン跳んでいるとキラキラした目で彼女が見ている。彼女に合わせた長さでもう1本用意すると、早速 見よう見真似で縄跳びをはじめた。



「最初はゆっくりでいいから一回だけ跳んでみて」


「何か 手が思うように動かないよ」


始めはヨタヨタ跳んでいたが、運動神経が良いのか直ぐにリズムカルに跳び始めた。俺の真似をしながら色々な跳び方を憶えていく。こんなのでも遊びになって彼女と楽しくできるとは 異世界は安上がりだ。




ふと見ると 近くに子供たちが沢山集まってきていた。みんな 「やってみたい」というキラキラした目で見ている。パンダ気分で落ち着かないので皆にも紐を用意した。


子供たちもすぐに憶えて皆で縄跳びを楽しんでいると、今度は大人たちが集まって周りで見ていた。勿論こんな人数にロープを用意する気にはなれない。大人なら自分で買えよ、と言いたくなるが 言えば喧嘩になりそうだ。メンドクサイ。


追加でロープを1本買ってきた。最初はツツルと2人でロープを回し 子供たちに跳ばせる。


「いいか、ロープが来たら皆で跳ぶんだぞ」


「「「「うん、いいよー」」」」


「いくぞ。そーーれー」


そう、大勢の人間が一斉に縄跳びをするアレだ。徐々に大人たちも引き入れると皆 楽しそうに跳び始める。

つまづいても笑うようにして 喧嘩にならないように仕向けるのは必須のルールだ。止まる度に回す人を交代していくと大勢の人間が勝手に楽しみ始めた。ほど良く疲れた俺たちはベンチに座ってその光景を見ている。


適当な所で広場から引き上げる。勝手に盛り上がっている人々は誰も気にしていなかった。ロープも既に冒険で命を預ける物には使えない為 提供した。


後に縄跳びがこの国で大流行となった。




明るいうちに違う宿にチェックインする。今は飛獣を連れていないので 昨日の宿では変に思われるからだ。

この世界の宿にはダブルベッドの部屋なんて無い。一緒に寝たかったら2人部屋のベッドを並べれば良い。

たとえ若い男女が一つの部屋に泊まったとしても、男がその気に成らない為に エッチ目的の部屋など用意しても意味が無いらしい。おかげで カップルで泊まっても変な目で見られなくて助かる。


親公認というか 親から仕向けられたカップルだし、彼女もそのつもりなので躊躇う必要も無く2人部屋を頼む。



夕食後、果実酒を少しだけ飲んで部屋にむかう。

ここは少し高級な宿だけど 風呂は無く、部屋に体を拭くお湯が用意されていた。お湯を何に使うか分かっていない彼女に裸になるように言う。


お互いに体を拭いていくが、やはり自分には無い部分には2人とも興味しんしんで自然と気分が盛り上がってくる。

拭き終わると どちらとも無く引き合い、キスをして軽く抱きしめる。それだけで頭の中が白くなりそうだ。

純粋に求めてくれるツツルフルも 熱く興奮しているのが伝わってくる。もちろん お互い初めてだしドキドキである。

キスをしながら彼女の柔らかさを堪能していく。


夜は更けたばかりだ、朝までタップリ時間が有る。

そして他にはすることも無い。

2人とも疲れて眠るまで楽しんだ。


発展途上国ほど 夜の楽しみが少ない為に子供ができやすい。


少子化で悩む日本も 昔はそうだったという。





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