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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
第十章 地の力 爆散!

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200 撤退

「そうだ、れーちゃん。思念波を集められないか試してみてよ」

「え?」


 しーちゃんがニヤリとしながら言った。


「バレバレだよ。自分だけやることがないって思ってたでしょ」

「……また、れてた?」

「れーちゃんの思念波は強いからね。でも、顔見ててもわかるって。またしょーもないこと考えてるんだろうなって」

「ごめん」

「こっからいーっぱい思念波いるからさ、またガバッて集めといてよ」

「わかった。やってみるよ」


 しーちゃんが爆散に集中し始める横で、私は思念波の網を広げてみた。


 ── やっぱり、海上には少ない。近くの海水浴場から人が少なくなったせいもあるかも。もっと遠くに広げなくちゃ。


『レナ、遠くにじゃなくて高くはできるかな。前にレイアーナ姫が言っていたことがあるんだ。強い思念波は高所に集まるって』


 ── それって、思念波網のことかな? 強い思念波は上に、か。


「ミシェルさん、やってみます」


「いっけーー! 爆っ散!」


 しーちゃんが叫んでいるのを聞きながら、網を細長く縦に伸ばすイメージをしてみる。


 ── どれくらい上に伸ばしたらいいのかな。あの時は、かなり高いところだった気がする……。


 どんどん伸ばしていくと、


「うわっ」


 突然ひどい頭痛に襲われた。慌てて思念石に、伸ばした網の根元を繋ぐ。


「しーちゃん、使った思念石貸して」

「え? あ、うん」


 渡された思念石にも流し込みながら、急いで網を回収する。流し終わるとほっとして、そのまま椅子にもたれかかると大きく息を吐いた。


「大丈夫? れーちゃん」


 心配そうにしーちゃんが駆け寄ってきた。 


「うん、大丈夫。思念波酔い、だと思う」

「そんなに強かったの?」

『レナ、大丈夫?』

「はい、もう大丈夫です。すぐに引っ込めたので」 

『何があったの?』


 思念波を集めている間に少し雨が小降りになり、船の揺れが治まった。ミシェルさんがほっとした様子で、それでも心配そうに聞く。


「高いところにある強い思念波はすぐに見つかったんですけど、思いがすごくて。『殺してやる!』とか『死ね』とか『馬鹿にして!』みたいなのが一気に押し寄せてきたんです。それでびっくりしてしまって」

「えー、なにそれ! なんでそんな言葉ばっかりなんだろ」

『なるほどね。ごめん、嫌な思いさせちゃったね。少し考えればわかることだったのに』

「ミシェルさん、どういうこと?」

『人の強い感情って、喜びの時よりも怒りや憎しみの時の方が多いってことだよ』

「え? そうなの?」

『もちろん嬉しくて叫んだり、飛び跳ねたりすることだってあるけど、怒りや悲しみ、憎しみの方が強くて長く続くからね。よし、次は僕がやってみるよ。レナは『護り』の方を担当してくれる?』

「わかりました」


 その時、突然サラの声が届いた。


『マスター、あふれてくる量が増えています。わたしの力では持ちこたえられません。いったん戻ります』

「どうしたの、れーちゃん?」

「サラがもうもたないから、戻るって。地の力のあふれる量が多すぎるって」

「もたないって、それじゃあ……!」

『ここを離れよう』

「え?」


 私が戸惑っている間にミシェルさんは続ける。


『出来ることはやったよ。地震は防げないけれど規模は小さくなった。きっと、もう大地震にはならない。レナの護りがあるから、他の場所への影響も少ないだろう』

「だけど、まだあんなに高いところにまで地の力が積もってるんだよ?」


 しーちゃんが緑色に光る地の力の柱を指さしながら叫ぶ。柱の高さはそんなに変わっているようには見えない。


「この前、こんなちっさいかたまりでも大っきな穴が空いたよ。あれが爆発したら、もっとすごいよ!?」


 ソルが持ち帰った地の力を爆散した時、地面に大きな穴があいた。あの小さなかけらでその威力だから、あの柱が全て爆散したら……!


『だとしても! 君たちの命を守る方が優先だ。ここにいる方が危ない。戻るよ』


きっぱりとした声でミシェルはそう言うと、船を港の方へ向けた。


 ── もう、どうしょうもないのかな。あれが全部爆散したら、どうなっちゃうの?


 港の方へ船が向かい始めた時、不意に船が下がったような気がした。 

 

「わっ、」

「えっ」

『二人とも、しっかり捕まって!』


 まるでジェットコースターで下る時のようにお腹が冷えたような感覚がして、次の瞬間、ザバーっと波が被さってきた。船室内にも水が入ってくる。


 船がスピードを上げた。


「何? どうなってるの!」

「……地の力が!」


 緑色の柱が、ゆっくりと下に下がってきているのが見えた……。

大地震は起こるのでしょうか?

怜奈たちは逃げ切れるのでしょうか?


続きは2週間後に。

皆様に、風の守りが共にあらんことをお祈りいたします。

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