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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
第十章 地の力 爆散!

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187 さらなる爆散に挑め

『レナ、そなたが不安に思っていることを話してみよ』


 私はレイアーナさんに、地震が防げた後、記憶は消えてしまうのか。そうなったらソルはどうなるのか不安に思っていること。受容体を失った協力者はどうなったのか。本当に地震を止められるのか不安なこと。自分の思念波が強くなり、周りの人にどれくらい影響を与えてしまうのか不安なこと。記憶を失くしたらそれもなくなって元の生活に戻れるのか気になっていること……。


 思いつく限りのことを話した。レイアーナさんは聞いているうちにどんどん眉を寄せていたけれど、全部聴き終わると言った。


『溜め込みすぎだ、そなたは。だが、話せる相手がいなかったのだな。そのためにミシェルに協力を頼んだのだが……役立たずであったか』


 途端にシュンとするミシェルさんの横でしーちゃんが言った。


「違うと思うよ。れーちゃんが落ち込んじゃうのはそういう性格だからっていうのもあるけど、あたしとミシェルさんじゃわかんないことがありすぎるんだよ。あたしもミシェルさんも微精霊が見えない。『風の護り』だってれーちゃんみたいには作れない。れーちゃんにしか見えてないものを分かれって言われても無理だよ。だけどね、ミシェルさんがいなかったら、あたしたち地の力を爆散できなかったよ。あたしたちじゃ、船なんか用意出来ないもん。それに、今は爆散も手伝ってくれてるし。役立たずなんかじゃないよ!」

「シイナ〜〜」


 感極まったミシェルさんがしーちゃんに抱きつこうとしたけれど、サッとよけられていた。


 ── ま、そうなるよね。


『なるほど。そうか、ミシェルには見えなかったのだな』

「レイアーナさんは微精霊が見えるの?」

『レナと同じように見えているかはわからぬが、私も微精霊が見える。だが、ここは我らの世界ではないゆえ全てを予測できるわけではない。地の力を削る爆散方法はそなたらが考えたものか?』

「いいえ。ソルがヒントをくれたので、まずは威力を小さくするために外側の部分を削って小さくしようと思いました。地の力が大きすぎて一度に爆散できなかったので」

『であろうな。そのために他のイルラとの契約を解消し、受容体を回収してきたのだ。そなたは契約解消後の心配をしていたが、思念石は残っている。我らに関する記憶は消去したが、思念波の使い方を覚えていれば使うことはできるはずだ。覚えていなくとも思念石を身につけていればある程度の思念波を感じ取ることはできるだろう』


 そう言うとレイアーナさんの表情が少しやわらかくなった。


『話がそれたな。よくここまで削れたものだ。ミシェルから聞いていた話だと、それほど多くはないだろうと思っていたのだが』

「ソルと水の精霊さんも手伝ってくれたからねー。ソルがバシッて切り取った地の力を、微精霊さんたちが遠くに運んでくれたんだよ」

『そなたら水の精霊がいると言っていたな。ミシェル、記憶を見せてほしい』

「御意に」


 ミシェルさんはそう言うと片膝をついた。


『シイナ、わたくしにも見せてもらえますか?』

「いいよ」


 レイアーナさんがミシェルさんから、シュリーアさんはしーちゃんから記憶を受け取った。


『……まあ、これが水の精霊なのですね』

『ほう、たしかに水の精霊にちがいない。驚いたな、ソルが呼んだのか……なるほど、理解した。ミシェルも受容体を複製できたのだな、よくやった』

『恐れ入ります。過分な褒め言葉ありがとう存じます』

「えー、ミシェルさん、なんかしゃべり方が変だよ?」

『君たちがおかしいんだって! この方々は姫様なんだよ? それ相応の接し方をするのが当然じゃない?』

「え? 夢で見た時は普通にしゃべってなかった?」

『うぐっ……ちょっと練習してるんだよ。気にしないで!』

「ねーねー、シュリーアさん、ミシェルさんの話し方っておかしいよね?」


 するとシュリーアさんは、珍しくくすくすと笑って言った。


『そうですわね。シイナ達には変に聞こえるのかも知れませんが、わたくしの国では普通かもしれません』

「え? そうなの?」

『子どもたちはそうでもありませんから、シイナの年齢ならばそれほど気にしなくても良いのですけれど、学院を卒業すれば身分によって話し方が変わるのですよ』

「ふうん、めんどくさいんだね。あたしには無理かも」

『そなたらはよく面倒くさいと言うが、我らにはそれが当たり前なのだ。文化の違いだから仕方あるまい。さて、そろそろ新しい受容体も加えて爆散してみよ。日のあるうちに済ませたほうが良いだろう』

「ね、これって合成した方がいいの?」


 しーちゃんが新しくもらった受容体を差し出して聞いた。


『合成できるならばした方が良いだろう』

「わかった、やってみるよ」


「……よし、できたよ! れーちゃん、じゃあ大きめにお願い!」

「わかった」


 私は、もらった受容体と自分の受容体を入れて『風の護り』を発動させる。大きさはさっきと変わらないけれど、厚くなっている地の力をそのまま切り取ると手前に移動させた。


 さっきまでとは段違いの負担を感じるけど、もらった受容体が支えてくれてるのがわかる。


「よーし、それじゃあいっくよー」


 しーちゃんの大きくなった受容体が地の力に届いた。


「いっけえーーー! 爆っ散!」

突然態度が変わったミシェルにびっくり。

何か考えがあるようですが……?


爆散はうまくいくのでしょうか?

2週間後をお楽しみに。

それではまたお会いしましょう。

皆様に、風の守りが共にあらんことをお祈りいたします。


良ければコラボ小説の方も読んでみてくださいね。

しーちゃんが主人公で、こちらの物語とリンクしています。ハルヴェストの丘で、実はこんなことがあったんです。二人は覚えていませんが。


「アプリで転移って最強じゃない!? ─アプリを使ったら転移できちゃったので、異世界の学園に遊びに行っちゃいます!─」


 https://ncode.syosetu.com/n0156hr/


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― 新着の感想 ―
れーちゃん不安でいっぱいですよね…。その不安を受け止めようとするレイアーナさん。れーちゃんのためにミシェルさんを送り込んでくれたんですね! しーちゃんに庇ってもらったのが嬉しくてテンションが上がった…
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