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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
第十章 地の力 爆散!

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185 ソルの暴走 何が起こっているの?

爆散を進める怜奈たちのところに、姫様たちが現れました。さらに爆散を進めることができるのでしょうか?

「あ、ちょっとラクかも」

『うん、問題なく僕の思念波も仕事してるね。もう少し強くできるよ』

「本当? じゃあれーちゃん、次はもう少し大きくしてよ」

「わかった。『解除』」


 爆散した地の力を微精霊たちが運んでいくのを確認しながら、次はどれくらいどこを削ろうかと考えていると、上から声が降ってきた。


『順調そうなのはいいが、これはどういった状況なのかくわしく説明してもらおうかミシェル、レナ』


 ふわりと降りてきたのは二人の姫様たち。レイアーナさんはまたもや眉をしかめているし、シュリーアさんは相変わらず頬に手を当てて少し困ったような笑顔をしている。


「あ、こんちわー姫様たち」

『ちょ、なれなれしすぎない? シイナ!』

「え? あたし、いつもこんな感じだよ?」


 驚愕きょうがくに両手を頬に当てて固まってしまったミシェルさんは無視して私は言った。


「こんにちは、レイアーナさん。とりあえず爆散は進めていますけれど、中心に向かってどんどん厚くなっているのでなかなか削るのが難しくなっているのが今の状況です」


 するとレイアーナさんはため息を吐いて言った。


『それは今の渦の状態を見ればわかる。私が言いたいのはそのことではない』

「え?」

『なぜ精霊が具現化している? いつ精霊を召喚したのだ?』

「召喚なんてしていませんけれど?」


 私が首をかしげていると、復活したミシェルさんが言った。


『再びのお越しありがとうございます、姫君様方。あの精霊ならば昨日報告したソルです。今朝現れた時には既にあの姿になっていました』

『……まさか一晩で成長したというのか? 信じられぬ』

「ソルと水の精霊さんが力を貸してくれて、爆散がすごく進んだんです」

『何? 水の精霊だと!?』


 水の精霊さんの姿はいつの間にか見えなくなっていた。渦の近くで水音が小さくした気がする。


 ── 海の中で地の力を運んでくれてるのかな?


「あれ? 今はいないね? すごく綺麗な精霊さんなんだよ。髪が長くて透明で。ソルとはちょっと色が違ったよ。ソルと水の精霊さんが、爆散した地の力を遠くにばらいてくれてるんだよ。水の精霊さんはさっき一番底の力を削ってくれたから、疲れてお休みするって言ってたよ」

『……レナが想定外なのはいつものことだが、まさかこれほどとはな。レナ、そなたあの精霊の名は知っているのか』

「はい」

『それを言えるか?』

「言えません。ソルと約束しているので」

『レナに命じる、精霊の名を明かせ』

「できません」

『……やはり、か。』


 ── その時、気配を感じた私は咄嗟とっさに叫んだ。


「ソル、だめだよ!」

『なんでさ! そいつ、レナと俺の敵じゃないのか!?』

「違うよ。ソルも何度か会ってるでしょ」

『だって今そいつ俺の名前聞き出そうとしただろ!』

「あれはね、試されただけ。大丈夫だからもう少し待ってて」

『やはり気付いたか。やれやれ、そなたは本当に規格外だな……ソルと言ったな、そなたのあるじを試すような真似をしてすまない。レナは私の協力者イルラだ。レナがそなたの主になるきっかけを作ったのが私だ。そなたは数日前まではその姿ではなかっただろう。なぜそのように急激に成長したのだ?』

『んなの、決まってるだろ。レナを助けるためだよ! こんなに大きな力をなんとかしたいって言う主を助けるために俺は頑張ってるのさ! 俺がレナを見つけられたのがお前のおかげってのはわかった。レナと似たような波長持ってるしな。()()()()()()()()力の元がお前たちなんだろ? そのおかげでレナを見つけられたから今回は許してやるよ』

『そこの精霊! 御姉様に対して無礼が過ぎます。御姉様は世継ぎの姫なのです。もう少し敬いなさい!』


 ── びっくりしたー。


 突然厳しい声を出したシュリーアさんは、珍しく眉を釣り上げている。


 ── めちゃくちゃ怒ってるよね?


 けれどもソルはフンと鼻息を荒くして言った。


『ヘン、そんなの関係ないね。俺が大事なのはレナだけだからな。お前らがレナを敬うって言うなら考えてやるよ』

『シュリーア、止めておけ。この世界にはこの世界のことわりがあるだろう。我らは必要以上に関わることはできぬ』

『……承知いたしました』

『さて、ソルと言ったな。先程からの話を聞いているとそなた、レナに名を明かしたということだな?』

『そうさ、レナは俺の主だ』

『全ての名を明かしたのか?』

『今伝えられるものはな。だけど、あんたにはやらないよ』

『あの時いた微精霊なのか?』

『どの時か知らねーけど、レナを一番先に見つけたのは俺だ。レナが俺を見た時に決めたんだ、守るってな。それはお前たちからもだってことだ。忘れんなよ』


 そう言いながらソルが手を振り抜いた。


「ソル!」

『風の盾』


 ソルから強い風の力がレイアーナさんたちに向かう。私が何かするよりも早くレイアーナさんは風の盾を作って防いだ。


『俺はあんたらがここでやったことを知ってる。仲間が教えてくれたからな。妙な網を壊すのも俺なら簡単にできる。実体のないお前らは俺に勝てねーよ。さっきのは挨拶がわりだ。そっちの小さいの、めてると消すぞ』


 あまりにも突然起こったことに、私はどうすればいいのか分からず何もできなかった。


 ── ソル、一体どうしたの? 何を言っているの?


 私たちが何も言えないでいるうちに、シュリーアさんが唇を噛みしめるのが見えた。

爆散を進める糸口が見つかったところで、突然ソルが暴走。そしてシュリーア姫も何か思うところがあるようです。


ソルと姫様達、どちらが正しいのでしょう。

2週間後をお楽しみに。


それではまたお会いしましょう。

皆様に風の護りが共にあらんことをお祈りいたします。


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― 新着の感想 ―
あらあら? 姫様たちが来てくれた!と思ったら、何やらソルが怒ってますね。姫様たちが地球で何をしているのか、ソルは知っているのですね。まさかの喧嘩が始まってしまいびっくりしました。でも、れーちゃんへのソ…
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