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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
第十章 地の力 爆散!

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181  余震!?

『空をつかさどる精霊と水をべる精霊の力で、地の力をばらくんだよ。さあ、早く!』

『レナ。思念石の回収は僕がするよ、『風の護り』』


 ミシェルさんがそう言ってさっきと同じ透明な箱を作り出し、壁に向けて送り出した。再び穴を開けて箱を通すと閉じる。


『……よし、無事回収したよ』

「はい。では『解除』」


 壁が消えると細かい粒子りゅうし状になった地の力があふれ出す。


『よし、かかれ! なるべく遠くに飛ばすんだよ!』

『リリリリ、リリ……』


 空からは風の微精霊たちと、さっき少し大きくなった二つの微精霊が一斉に地の力に向かう。海の上にあふれ出した光には、水の微精霊たちが次々と集まってきて運んでいく。


「すごい……」


 その幻想的な光景は、あっという間に消えていった。後には少し削られた地の力が残っている。


「ソル、すごいよ! 水の精霊さんもありがとう!」


 すると、少し離れたところで、またチャプンと波の音がした。


『へっへーん。どう、レナ? 俺すごいでしょう!』


 胸を張って、その場でクルクルと回るソルをめる。


「うん。すごいよ、ソル!」

『へへへ、もーっとめてくれていいんだよ?』

「れーちゃん、さっさと次の爆散しようよ」

『はいレナ、これ渡しておくね』


 けれどもしーちゃんとミシェルさんが、さっさと次の準備にかかっていた。


 ── 二人とも、切り替え早すぎない?


「うまく爆散できるようになったんだから、どんどん削っていかないとでしょ?」

『早くしないと、また元に戻るようじゃ意味ないからね』


 ── えーっ、そこはもっと感動しようよ!


『レナー、僕のしたことにそんなに感動してくれたんだね! うれしいなーっ!』

「うんうん、ソルはすごいすごい。すごいからどんどん爆散してくよ!」 


 ── どうしてあんなに幻想的な風景をそんなにアッサリ流せるの? 


「……れーちゃん。また妄想もうそうしてる?」


 ジトリとにらまれて、あわててミシェルさんから受け取った思念石を別の思念石と交換している時に気づいた。


「ねえ、しーちゃん。さっきどんな景色が見えてたの?」

「どんなって? 壁が消えたら細かくなった地の力が空に舞い上がって消えていくのと、海に流れて消えていくのが見えたけど? ああ、海に消えていくのもあったから前よりも早くなくなって便利だよね!」


 ── ああ、やっぱり。


 あの幻想的な光景はしーちゃんやミシェルさんには見えてないんだ。


「さ、れーちゃん。次行くよ。もたもたしてると終わんないよ」

「わ、わかった」


 しーちゃんにまたかされて、あわてて次の爆散の準備に入った。


「次は、もう少し大きくしてみるね」

「オッケー、余裕余裕!」


 そうして少しずつ切り取る量を大きくしながら、どんどん地の力をけずっていった。午前中の間に、ついに渦を一回り小さくすることに成功した。


「やったね! 結構小さくなったんじゃない?」

『昨日よりも順調だね。フェが増えた分、散らすのも格段に速くなったみたいだね。よし、とりあえず一旦休憩しよう……おっと、』


 その時、ゆらりと船が揺れたような気がした。


「今、揺れなかった?」

「そんな気がするけど、気のせいかな?」

『気のせいじゃないよ。地の力が動いたんだ。ま、小さいけどね』

「それって、地震が起きたってこと?」

『そうだね』


 思わずゾクリとした。


『ソル、地の力はどうなってる?』

『特に大きく変化した感じはないよ……ああ、待って。あのコに見てきてもらうね』


 ミシェルさんに聞かれたソルがそう言うと、水の精霊さんの姿が見えなくなった。


 しばらくすると、ぱしゃりという水音がして、水の精霊さんが海面から飛び出してきた。そのままソルのところまで飛んでいき、何か話すとまた海に飛び込んで見えなくなる。


 ソルは、水の精霊が飛び込むのと同時に私のところへ飛んでくると、額に指で触れた。


 次の瞬間、映像が流れ込んでくる。


 ── 巨大な光の柱が、海を突き抜けるように立っている。海面のところで大きく広がり、海底に向かっては真っすぐに伸びている。

 海底からは地の力が出ていて、それが柱とつながっていた。柱は海面スレスレまで既に固まっている。


「ソル。これって、もうほとんど固まってるよね? しーちゃん、ミシェルさん、共有しますね」


 私は今受け取った映像を、しーちゃんとミシェルさんの額の受容体に触れて流した。


 二人の表情が同時に(くも)る。


「これ、ヤバくない?」

『ほとんど固まっているみたいだね』

「全部固まると地震が起こるんだと思います」

「そういえばそんなことをレイアーナさんが言ってたっけ……え、じゃあこれかなりマズイよ! そうだ、先に下の方から(げず)るのはどうかな?」

『それはやめた方がいいんじゃないかなあ。風の力が地の力を(ふさ)ぐことになっちゃうからね。切り取る前に爆発しちゃうかも』

「マジかーっ!」


しーちゃんが頭を抱えている。


── どうしよう。どうしたらいいの?


── 考えろ。考えろ、私! このままじゃ間に合わないかも!


(あせ)れば焦るほど考えがまとまらない。

その時、ミシェルさんが人差し指を立てた。


『じゃあ、こういうのはどう? ……』

パワーアップしたと思ったら、まさかの地震。状況は思った以上に悪いようです。

間に合うのでしょうか? 続きをお楽しみに。


それでは、また2週間後にお会いしましょう。

皆様に、風の守りが共にあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
幻想的な風景が見えるれーちゃん、いいですね! それにしても地震、ちょっとびっくりしました。何かあったらと思うとドキドキします。ミシェルさんの提案でうまくいくといいですが…(>_<) 続きも楽しみです!
しーちゃん、れいちゃん、ミシェルさんとなんとか食い止めるための力を頑張っていきすが。 まさかの地震!? これはどうなる!? 続きも楽しみです!
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