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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
第十章 地の力 爆散!

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179 爆散パワーアップ!



 私の手の中には受容体が五つある。それぞれ別の思念石から作り出したものだ。同じ受容体から分割するよりもその方が強い受容体になるんだって。


 それに、受容体の数を増やすとそれだけ『風の護り』も強くなるらしい。


 ── そういうことはもっと早く教えてほしかったよ……。


 しーちゃんは同じように別々の思念石から作った受容体を合成して、一つの受容体を作っていた。


「ふ、ふ、ふ。パワーアップした受容体の威力はどうかな。れーちゃん、準備できた?」


 ── うん、やる気いっぱいだね。


「風の護り」


 私は呪文を唱えて発動させる。大きさは昨日の最後に作ったものと同じ大きさにしてみた。そこに受容体を散らすと、昨日よりも壁が厚くなったような気がする。それを動かして『地の力』を切り取り、少し手前に移動させる。


「れーちゃん、もう少し近くに寄せられる?」

「んー。できなくはないけど、あんまり船に近づけるのも危ない気がするんだよね」

「そっかー。だけど、この中にどうやって石を入れたらいいんだろう?」

『それなら僕が協力できるよ。『風の護り』』


 そう言うとミシェルさんの前に透明な直方体が現れた。


「え? ミシェルさんいつの間に『風の護り』覚えたの?」


 私がびっくりしている間にしーちゃんがすかさず聞く。


『もちろん昨日、姫様に教えていただいたんだよ。レイアーナ姫様が僕の額の受容体に触れた瞬間……ああ、夢のようだったよ……』


 ミシェルさんが弾丸のように話し出したけれど、あたしもしーちゃんもそろそろ慣れてきたので、軽く聞き流しながら重要なところだけ拾っていく。


 ── つまり、私の時と同じようにレイアーナさんが記憶を流してくれて、作り方をマスターしたっぽい。自分の周りにも作れるけど応用ができて、相手に使うこともできればこうやって中と外を隔てる空間を作ることもできる、という説明だった。


 ちなみにしーちゃんは途中で聞くのをあきらめて、自分にも出来ないかと考えている。教えていいのか分からないから、これは放置しておいた。


ミシェルさんが作った透明な箱に、自分たちで作った思念石のうちから一個ずつ選んで入れた。ミシェルさんの手のひらの上に、思念石が浮いているように見えている。箱を閉じるとミシェルさんがゆっくりと思念波を使って動かしていく。壁に近づいたところで、穴を開けて通したら閉じる。


 地の力の上に箱が乗ると、


『よし、解除』


 ミシェルさんが箱を消した。すると思念石は地の力の中に吸い込まれるように消えた。


「あれ? 見えなくなったよ」

「大丈夫。ちゃんと底にあるのを感じるよ」

「そうなの? あれ、そういえばミシェルさんは受容体作れないの?」

 

 しーちゃんがそう聞くと、ミシェルさんが手で顔をおおった。


『くうぅ、不覚! やってみようとはしたんだよ。だけど、僕にはレイアーナ姫様の御力に触れることはできないっ!! そんな推しをけがすような真似は僕には無理だ!』

「……あー、ま、いいや。れーちゃん、爆散しようか」


 ── しーちゃん、今思考放棄したね?


「じゃあれーちゃんは、アレ(・・)なんとかできるの?」

「無理」

「んじゃ一緒じゃん。さっさと爆散しようよ」


 ミシェルさんはまだ一人で苦悶くもんしてたけど、私も放置することにした。


「しーちゃん、いつでもいいよ」

「オッケー。それじゃあ、いっけー!」


 しーちゃんがぶん投げた受容体がゆっくりと近づいてくる。いつも通り壁に穴を開けて通したらふさぐ。


「よーし、じゃあいっくよー。爆っ散!」


 受容体が地の力に触れた瞬間、しーちゃんが力を込めた。固まっていた地の力が霧散する。


「おお、やっぱり威力ある! 爆散が楽になったよ」

「うん。私もまだまだ余裕ある感じ」

『よーっし。それじゃ俺の出番だね!』

「あ、ソル。ちょっと待ってね」 

『えー! なんでー? 俺の出番はー?』

 

 途端にしょんぼりするソル。


 ── ちょっとめんどくさい性格だよね。


 と思ったのは内緒だ。


『レナ、聞こえてるよ……俺ってめんどくさいのー? えーっ』

「れーちゃんひどくない?」

「う、しーちゃんには言われたくないよ! ソル、あのね、さっきしーちゃんと私の思念石を中に入れたでしょ? まだやることがあるの。だから少しだけ待ってて」

『はーい。めんどくさいって思われないようにかしこく待ってまーす』


 不満そうなソルはとりあえず放置して、


「それじゃ、しーちゃん。やるよ」

「そうだね!」


 私たちは思念石から受容体を取り出した。途端に思念石に向けてナニカが流れ込んでいく。


『ふーん。なるほどね』

「ソル、どうなってるの?」


 上空から中をのぞき込んでいたソルに聞くと、


『さっき入れた石に、地の力のカケラがすごい勢いで取り込まれていってる。……あ、止まったみたい』

「それじゃソル、また地の力を散らしてくれる?」

『いいよー。ふ、ふ、ふ、それじゃパワーアップした俺の力、見ててくれよ、レナ!』


 そう言うとソルは、まぶしい光を放ちながら高く空に昇っていく。それから、


『来たれ我が元に。空と地の間を満たす力を持つ精霊たちよ。我が下僕しもべとなり命に従え』


 そう言うと水色の小さな光がいくつも現れて、ソルに近づいていった。


「あれ? 昨日と同じだよね?」

『ふふーん。ここからさ! 見てて』


 すると……。



パワーアップしたソルの活躍は次回に←鬼


それでは、また2週間後にお会いしましょう。

皆様に、風の護りが共にあらんことをお祈りいたします。

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ソルの活躍に期待です(/`・ω・)
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