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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
第十章 地の力 爆散!

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177 chatter 閉鎖

地の力爆散二日目が始まります

 翌日、あたしたちは施設の中にあるパン屋さんで朝食を買い、車内で食べていた。


「すっごくたくさんあるから、どれにするか迷っちゃったよ」

「このパン、まだあたたかいよ」

『焼きたてのクロワッサンに出会えて僕は幸せだよ……ところで君たち。思念石って全部持ってきてる?』

「はい」

「うん、あるよ」

『その受容体を全部爆散に回すのはどうかな?』


 パリパリのクロワッサンに目を細めながらミシェルさんが言った。


「え? それって、いっぺんに何個もの受容体を使って爆散させるってこと?」

『受容体って分割も合成もできるんだよね? 受容体を合成すると強くなるから、爆散しても壊れることはなくなるらしいよ』

「れーちゃん、できるかな?」 

「んー、合成自体はそんなに難しくないと思うけど……とりあえずできるか試してみるのはありじゃない?」

「そうだね。ダメならまたそのまま使えばいいんだもんね」

「うん、だけど……」

『何か気になることがありそうだね』

「ミシェルさん、どうしてそんなこと急に言いだしたんですか?」


 私が聞くと、ミシェルさんはとーっても嬉しそうな顔をした。


 ── あ、なんとなく察したよ!


『それはね、昨日の夜に姫様たちが来られたからさ! 君たちが眠ってからね』

「えー、何それずっるーい! ミシェルさんだけ会ったのー!?」

『君たちは今日会う約束してるんでしょ? また後で来られるから。昨日は夜遅くでないと来られないって言われていたし、もともと僕と会う予定だったんだよ』


 ── そういえば、最近chatter確認してなかったよ……。


「ふうん……あ、ほんとだ。あれ? 本日17時って書いてあるよ?」

『あ、それ、フランス時間だから』

「なるほどー……って、なんでフランス?」

『僕がフランス人だからだけど?』


 しーちゃんはスマホでchatterを確認しながら不思議そうに言った。


「日本にいるのに? なんで?」

『言う必要がないからね。そんなことよりも今日の爆散のほうだよ。昨日のやり方だとこれ以上の速さで爆散するのは難しいよね?』

「それはそうだけどー……ね、ミシェルさん何か隠してない?」


 ジトリとした目でしーちゃんが聞く。するとミシェルさんがニコリと笑いながら言った。


『別に何も隠してないよ。そうだ、言い忘れてたけどその掲示板、後で閉鎖するからね』

「え?」

「はい? え、どうして?」


 いきなりの爆弾発言にビックリしている間にしーちゃんが詰め寄る。


「ミシェルさん、どういうこと? なんで? みんなと連絡取れなくなっちゃうじゃん!」


 けれどもミシェルさんは笑顔のまま続ける。


『それでね、君たちにお願いがあるんだけど、chatterのアカウントを削除してもらえないかな』

「そんなことしたらもう他の協力者の人と話せなくなるじゃない!」

『それでいいんだよ。あの掲示板は、もう必要ない。どうしてだかわかるかい?』


 ミシェルさんは静かに言った。


「……もしかして、姫様たちの目的が達成された、ということですか?」


 ── まさかこのタイミングで思念波を集め終わったってこと?


「え? そうなの?」


 しーちゃんも目を丸くしている。何がなんだかわからないって顔をしてる。


『うん。必要な思念波を集められそうだから協力者はこれ以上必要なくなったんだ』

「そう、なんだ」

「ふーん、姫様たち頑張ったんだね。……え? ってことはあたしたちもおしまいってこと?」

『君たちが爆散し終わったら、そこで終わりだね』

「じゃあ、あたしたちが思念波を使えるのもそれまでってこと? えーっ、せーっかく魔法使いっぽくなってきたのにー!」


 しーちゃんが頬をふくらませてブーブー文句を言う。


 ── そっか……もう終わるんだ。え? 待って。


 私はミシェルさんに質問した。


「ミシェルさん、私が思念波を使えなくなったら、ソルはどうなりますか?」

『昨日の夜はソルがいなかったから、姫様たちにも判断できなかったんだ。今日また話してくれると思うよ。夜はソルってレナから離れてるの?』

「ソルは強くなるためにって、夜は出かけてるんです」

「え? そうなの? だから見かけなかったんだ」


 ── 思念波が使えなくなったら、ソルはどうなるんだろう……それに、私は? 


 これからのことがどんどん不安に変わってくる。


 ── どうしよう……。


 思念波があふれ出しそうになった時、ミシェルさんが言った。


『さ、この話はもうおしまい。それよりも今日の爆散のことを考えようよ。アレをなんとかする方が先だよね? 話を戻すよ。まず、シイナは今持っている受容体を合成して一つの受容体を作る。それからレナは、『風の護り』に全ての受容体を使う。ここまではいいかな?』


 私が頷くと、しーちゃんもハッとした顔であわてて頷いた。


『ただ、受容体を思念石から抜くと大きな反動があるみたいなんだ』

「だろうね。あれキツいんだよね、油断すると思念波酔いしちゃうんだよ……」

「え? しーちゃん、どうしてそんなこと知ってるの?」

「前にね、爆散の練習していた時に、いちいち分割するのめんどくさいなーって思って。そのまま使ってみたらどうかな? って試してみたの。そしたら、抜いた途端に周りの思念波をゴッソリ持ってかれてうっかり気持ち悪くなっちゃってさ、シュリーアさんにめちゃくちゃ怒られたよ……」


 ── しーちゃん、何やってるの? あの優しいシュリーアさんが怒るなんてよっぽどじゃない?


 ミシェルさんの笑顔も引きつっていた。


 ── ミシェルさん、気持ちはよーく分かるよ。でもね、しーちゃんはそういう子なの!

chatter閉鎖にショックを受ける怜奈と詩雛

姫様たちとの別れも迫っているようです。

そして、ソルのことを心配する怜奈。これからどうなっていくのでしょうか。2週間後をお楽しみに!


続き気になるーっ! という方はぜひ感想、インプレッションで教えてくださいね!

それではまたお会いしましょう。

皆様に風の守りが共にあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
えー?姫様たちが帰ったら、せっかく使えるようになった魔法もおしまいなんですね。ソルともお別れ!? 急速に物語が終わりに向かっているようで、なんだか寂しいですが、続きを楽しみにしております!
しーちゃんらしいけどあっぶなっ!!w 続きも楽しみです(*´ω`*)
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