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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
第十章 地の力 爆散!

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176 初めてのキャンピング

初日の爆散を終え、キャンプ地へ向かいました。

 夕方になり、私たちは港へ帰ってきた。釣りをする暇など全然なくて、船長さんが釣り上げた魚をお土産に私たちは船を降りた。


 初めての船は、乗っている間は気にならなかったのに.降りると地面が揺れているような感覚がしばらく残っていた。疲れてもいた私たちは、船長さんに教えてもらった近くの食事処に、釣ってもらった魚を持ち込んで早めの夕食を食べることになった。


 とれたてのお魚づくしの食事は、お刺身、焼き魚、煮魚、ホイル焼きなどバリエーションが豊富で、テーブルいっぱいに並べられた料理にビックリしながら食べた。



「はー、お腹いっぱいになったね!」

「うん、新鮮なお魚、すごくおいしかったね」


 ミシェルさんが予約してくれたキャンプ地は温泉やレストランが併設されていて、キャンピングカー用の場所がその並びにあるところだった。


 キャンピングカーを止めた場所の並びに、お風呂、プール、お土産屋さんなどの入った施設があった。ミシェルさんより先に、私としーちゃんは温泉に行った。


 内湯だけでなくサウナや露天風呂もある本格的な広い浴場に、いつもならテンションが上がるんだけど、


「うわー、なんかまだ揺れてる感じがするー」

「うん、するね」

「なんか、疲れたねー」

「うん……」


 しーちゃんが話しかけてくれても、返事をする元気もなかった。すると、


『れーちゃん、がっかりしてる?』


 しーちゃんが思念波で話しかけてきた。


「……うん、少しね」


 ── 爆散は上手くできたと思う。規模を少しずつ大きくしながら繰り返し地の力を爆散していった。でも……。


『全然、減った気がしないよね』

『まあ、最初だからねー。あたしたち頑張ったと思うよ? また明日頑張ろうよ』

『こんな状態で、間に合うのかな……』


 湯船に浸かりながら今日見た渦を思い浮かべる。爆散できたのは、一番外側の一部だけ。しかも少しずつ爆散するかたまりを大きくするたびに、『風の護り』にかかる負担も大きくなって、支えるのが大変になってきていた。


 しーちゃんも大きくなるほど爆散するのに力がいるみたいで、投げ込む受容体にまとわせる思念波がどんどん大きくなり、爆散する時も汗だくになっていた。


 ── だけど、残っている光の渦はまだまだ大きい。あと二日で本当に地震を防げるようになるのかな……。


「れーちゃん、そろそろ出ようか。のぼせちゃいそうだよ」



 私たちは浴場を出てキャンピングカーへと戻ってきた。ミシェルさんは後から行ったはずなのに、もう戻っていてパソコンで何かしているところだった。


「ただいまー、ミシェルさん何してるの?」

『ん? 仕事の後始末をちょっとね』

「そういえばミシェルさんっていくつなの?」

『十九だけど?』

「え?」

「え? ちょっと待って。十九でもうあんなすごいところで仕事してるの? え、ミシェルさん何してる人? ……まさか、人に言えないような!」

『ちょっとちょっと、何考えてるのかな! 僕こう見えて優秀な個人投資家でもあるんだよ? ……ていうか、あんなすごいところって僕の仕事場をどうして知ってるのかの方が謎なんだけど!』

「あれ? 言ってなかったっけ? あたしとれーちゃん、夢の中で何回もミシェルさんに会ってるんだけど」

『聞いてないんだけどー! それに、知らないんだけどー! え、オレひょっとして盗聴されてたりするのー!?』


 突然大声で叫ばれて思わず耳を抑えていると、息を切らしたミシェルさんが迫ってきた。


『……うん、とりあえず詳しく聞かせてもらおうかな。まだ寝るまでには少し時間あるからね』




『……なるほど、そういうことか』


 私としーちゃんの説明を聞いたミシェルさんは少しホッとした顔になって言った。


『びっくりしたー。僕の私生活がのぞかれてる!? って、めちゃくちゃドキドキしたよー。そういえばそんな話を姫様たちから聞いた覚えがあるよ。じゃあ、君たちは他の協力者がどんな人なのかも知ってるんだね。それはすごいな』

「ミシェルさんは夢に見たりはしないんですか?」

『君たちほどはっきりとは見たことがないな。顔と名前が一致するくらいかな。あとは姫様と何か話してるなってわかるだけ。掲示板でもそんな書き込み見たことないしね』

「あたしたちだって、なんでもかんでも見られるわけじゃないよ。れーちゃんはレイアーナさんのことしか分からないし、あたしはシュリーアさんのことしか分かんない。それに、最近は全然ダメ」

「姫様たちがたぶん情報を制限しているんだと思います。最近見るのは思念波の受け渡ししているところか、移動しているところくらいで。会話もほとんど見たことないです」

『なるほどねー』

「そういえば、ミシェルさん留学生なんですよね? お仕事はいいんですか?」


 ふと気になって質問すると、ミシェルさんはへらりと笑って、


『あはは、いまさらだね。その辺は気にしないで。仕事も区切り付けてきてあるから。それと、留学生は……うん、この後うまくいったらの話だからさ。さ、そんなことよりも明日は朝から船に乗るからね。君たちはそろそろ休んだほうがいいよ』


 そう言ってミシェルさんがキャンピングカーの下の部分をベッドに早変わりさせてくれた。私としーちゃんはそれぞれ親に連絡を入れてから、ベッドに横になった。


 ミシェルさんは、『もう少し仕事をして寝るから』と屋根の方にある部屋へ上がっていった。


 その後、小さな話し声が聞こえたような気がしたけれど、そのまま眠ってしまったのでよくわからない。


 ── 明日は、もっと爆散しないと……。



次回、無事に爆散を進めることはできるのでしょうか。

2週間後をお楽しみに。


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最新話では、こちらの物語の78〜81話、しーちゃんたちが思念体になって叱られた裏話となっています。

ぜひコラボもお楽しみください!

こちらはしーちゃん主人公で、異世界転移ものです。

本編と少しずつリンクしていますが、独立したストーリーとなっています。

「アプリで転移って最強じゃない!? ─「異世界通話」アプリを使ったら転移できちゃったので、異世界の学園に遊びに行っちゃいます!─」


https://ncode.syosetu.com/n0156hr/


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― 新着の感想 ―
これは船の移動になってくるのですね! いよいよでしょうか!! これ期待です`⎚⩊⎚´ -✧
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