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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
第十章 地の力 爆散!

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175 地の力を削れ

「ソル、なんで地の力はこわがってるの?」


 しーちゃんが聞くと、ソルが答える。


『そりゃあ爆散したくないからじゃない? チカラの元を失ったら消えちゃうからね。地のチカラは他のチカラと違って、生まれるまでにめちゃくちゃ時間がかかるんだ。そのかわり生まれてからは長い間そのままでいるんだよ。普通はずっと同じ場所にいて動かないんだけど……大地そのものが動いちゃったらどうしようもないよね』


 ソルは私の肩に乗ると続ける。


『でもさ、こんなふうに外に出ちゃったら結局消えるしかないよね。なのに、消えたくなくて必死にしがみついてるんだよ』

「ふうん。ねえ、今どこまで固まってるの?」

『外側の渦は全部塊になってるよ。真ん中は固まってるところとまだ動いてるところの両方があるみたいだ。けど、どんどん出てきてるからすぐ固まってくるんじゃないかな』

「れーちゃん、急いで爆散始めよう」

「わかった。ソル、わたしが『風の護り』で塊を切り取っても大丈夫かな?」

『うん、大丈夫だと思うよ。だけど、地のチカラは勝手に散らないよ。どうする?』

「え? どういうこと?」

『レナ、もう忘れたの? 地の力は重いんだよ。散っても落ちちゃうだけだから、そのままにしとくと沈んでって、また元のチカラに吸収されちゃうよ?』


 ソルの話によると、地の力は大地から生まれたものだから、爆散しても重さがあるそうだ。爆散したものは小さな目に見えない粒になって散るけれど、放っておくとそのまま大地に吸収されてしまうらしい。


 ── ということは、ここで『風の護り』を解除しちゃうと、せっかく散らした地の力が結局また元に戻ってしまうってこと? つまり、他の場所に散らさないといけないってことだよね。どうしたらいいのー!?


 私が頭を抱えている横で、しーちゃんもあごこぶしを当てて考え込んでいる。


 ミシェルさんは黙って光の塊を見つめていたけれど、しばらくして、


『……なるほどね』


 とつぶやくと、ソルに話しかけた。


『ねえソル、君なら地の力をどうすればいいと思う?』


 するとソルは足を組んで得意そうに言った。


『そうだなー、俺なら仲間にたのんで遠くに運んでもらうかな』

「ほほう、それ、いいじゃん!」


 しーちゃんが、ぱっと顔を明るくして言った。


『じゃあソル、爆散した地の力を運ぶの手伝ってくれる?』

『えー、どうしようかなあー』


 ミシェルさんがそう言うと、ソルはチラチラと私の方を見ながら言った。


『どうしよう、かなぁー?』


 ── なんだろう、このフリは?


 意味がわからなくて首をかしげると、ソルが私の顔の前に飛んできて、目をキラキラ輝かせながら言った。


『ねえレナ、俺に手伝って欲しい? ねーねー』


 ── えーと、これは、お願いしてほしいってことかな?


 その時しーちゃんが、あたしの肩にポンと手を置くと言った。


「れーちゃん、ソルに手伝ってほしいよね?」

『ソルはれーちゃんに頼ってほしいみたいだね』


 二人からもせかされるように言われて、しかたなく私は言った。


「ソル、爆散した地の力を遠くに運ぶの手伝ってくれる?」

『もっちろん、任せてよレナ!』


 ソルはくるりと私の周りを一周してみせると、


『レナ、それじゃあ始めようよ。地のチカラは重いから、前みたいに高い壁を作らなくてもいいよ。あんまり高いと仲間が入りにくくなるからね』

「わかった。それじゃあしーちゃん、準備して」

『僕は何かすることあるかな?』

「とりあえずミシェルさんは見ていてくれますか?」

『了解。最初だから昨日と同じくらいのサイズから始めようか』

「わかりました」



「風の護り」


 そう唱えて一番近い光の渦の一部を小さく切り取ると、切り取った地の力と、『風の護り』が触れた部分の光の塊が、淡い緑色に変化した。


「色が変わった?」

「あれ? その色、昨日ソルが持って帰ってきたのとおんなじ色だね」

「どうして色が変わったんだろう?」

「さあ? とりあえず始めよっか」


 私は切り取った地の力を切り離して、船と渦の間に持ってくると『風の護り』を大きくして、作成しておいた受容体を二個貼り付けた。


 しーちゃんも一個放り込むと、もう一個の受容体に思念波をまとわせる。


「れーちゃん、行くよ」

「わかった」

「よおし、行っけー!」


 しーちゃんの受容体が、私が開けた穴を通って行く。


『閉じろ』


 念じると穴が塞がった。


「それじゃあ、行くよー。爆散!」


 ズシン、と風の護りの底に重みが加わり、塊が霧散した。光は見えなくなったけれど、中に飛び散っている感覚が伝わってくる。


「ソル、お願い」

『りょーかい!』


 ソルの羽が細かく震えて音を出すと、どこからか水色の光が集まってきた。


『みんな、頼んだよ。中のチカラをなるべく遠くにばら撒いて!』


 ソルと一緒に微精霊たちが風の護りの中に飛び込んでいく。ソルが一瞬緑色の光に包まれると、その光をまとったまま微精霊たちと飛び出してくる。


『レナ、地のチカラは全部回収したよ』

「ソル、ありがとう。解除」


『風の護り』を解除して受容体を回収している間に、ソルたちは空高く飛び上がっていき、しばらくするとソルだけが戻ってきた。


『ただいまー。全部他の場所に持っていってもらったよ』

「ソル、ありがとう! すごく助かったよ」

『へへん、これくらいどうってことないよ! さあ、どんどん消していこうよ』


 こうして私たちは、地の力をどんどん爆散し始めた。


 ── これで、地震を止めるんだ!

いよいよ地の力の爆散が始まりました。ソルがいい仕事をしていますよね。このまま全ての力を爆散できれば地震が止められるはずです。


みんな、頑張れー。


れーちゃんたちを応援するよ!という方はぜひブクマ、リアクション、⭐️でお願いします!


それでは、また2週間後にお会いしましょう。

皆様に、風の護りが共にあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
ソルがいい仕事してますね! ソルがれーちゃんに「お願いしてほしい」とアピールするのが可愛くて癒されました(#^.^#) 地震を防げそうな予感がしてきましたね!! 成功したら二人ともすごいよ! 続きも楽…
れーちゃんもしーちゃんもいよいよ地震を止めるために動き出す。 ソルのおかげでいい感じに爆散しそうですしこのままどうか!? 続きも楽しみです!(´▽`)
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