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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
地球編 第九章 予兆

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169 魔法使い怜奈、誕生?

ソルが嬉しそうに言いながら、ミシェルさんの周りを飛び回っている。


『待って、本当待ってよ。どういうこと? なんで君たちそんなにいくつも思念石を持ってるの?』

「そんなの、作ったからに決まってるでしょ」


 『何言ってるの今さら?』という思念波と一緒にミシェルさんに白い目を向けるしーちゃん。ミシェルさんは頭を抑えてみたり、キョロキョロと辺りを見回しながら、


 ── 聞いてないよー!?


 と混乱した思念波をまき散らしている。


『え? 思念石って作れるものなの? どうやって?』

「どうやってって……ミシェルさん、思念石って受容体を入れると石が思念石になるのはわかりますよね?」

「受容体ってこれのことでしょ? 僕の指輪にも、たぶん同じものが入ってるんだよね?」


 ミシェルさんはそう言いながら額を指差して、それから指輪を見せる。


「そうです。その思念石の中の受容体を複製して天然石に入れると、その石が思念石になるんですよ」

『なるほどー! って、え? これを複製?』

「そうだよ。そんなに難しくないからコツさえつかめば簡単に作れるんだな、これがー。ま、あたしは制限付きだけど、れーちゃんはホイホイ作れるよー」

「作れるけど、それはしちゃ駄目って言われてるでしょ。あの、ミシェルさん。私たちレイアーナさんからはよく『規格外』だって言われるんですけど、他の協力者の人たちって思念石一つしか持ってないんですよね?」

『というか、普通そんなの自分で作れるなんて思わないよ! だって異世界の技術でしょ、これ。しかも石と同化してるものが複製できるなんて考えられないって!』

「ミシェルさんも、新しい思念石欲しいの? じゃ、作ってみる?」

『だからそんな簡単に言わないでー!?』


『ミシェル、面白いね! レナ、やり方はわかった? さっきのやり方で地の力も散らすことができるよ』


 相変わらずミシェルの周りをクルクルと回りながらソルが言った。


「じゃ、れーちゃん。先に思念波もらっちゃうね! それからもう一回やってみようよ。今度はあたしも受容体を二個作るからさ」

「わかった」


 混乱しているミシェルさんはあっさり放置して、しーちゃんは思念波を回収し始める。その間に、私はもう一度思念波を広げてみた。


「あれ?」

「どうしたの、れーちゃん?」

「精霊さんが見当たらないみたいなの」

「んー、さっき散らせちゃったからじゃない?」

「そっか。……ソル、微精霊さんって散っちゃったらどうなるの?」

『形を保てなくなっただけだから、しばらくするとまた集まってくるよ』


 ── ということは、場所を変えないとこの練習はできないってことかな。他に精霊さんを集める方法ってあるかな? 


「私たちが散らせないといけないのは、地の力なんだよね……ねえ、ソル? 地の力って集められるの?」


 するとソルがピタリと動きを止めて、私のところに戻ってくると言った。


『集められるよ。ここは安定しているから出てこないだけ。レナが呼びかけたら集まってくれるだろうね。やってみる? レナ。きっと楽しいことが起こるよ!』


 ── ちょっと待って。これ簡単にやっちゃだめなやつかも知れない。


 ソルの言い方が少し気になった。


 ── 『精霊をあまり信用してはいけない』って、レイアーナさんも言ってたよね……よし、聞いてみよう。


『ソル、ここで地の力を集めたらどうなるの?』

『ん? そうだなー。さっきくらい集められたら、レナの半分くらいの大きさの山を作れると思うよ! こんな感じかな?』

 

 ソルが一度体を大きくして、元の大きさに戻る。


 その途端、頭の中に映像が浮かんだ。私の前に小山ができていて、その分周りの地面がへこみ、クレーターのようになっている。


 ── ええーっ!? こんなの無理無理!!


「どうしたの、れーちゃん?」

『レナ、どうしたんだい?』


 私の思念波が届いた二人が心配そうに近づいてきた。


「あのね、地の力を集められないかソルに聞いたんだけど……」


 二人に説明して、ソルから届いたイメージを二人の額に手を当てて送る。


「うわお、これもう完っ全に魔法じゃん! すごいよれーちゃん、あたしたち魔法使いだよ!」

『ブラーヴォ! これこそ僕が求めていたものだ! レナ、僕にもぜひ受容体の作り方を教えてほしい』

「ええ? 勝手に教えちゃっていいのかな……」

『あ、その辺は心配しなくていいよ。君たちのサポートをするために僕は日本に来たんだから』

「……聖地巡りのついでじゃないの?」

『あははー。いやだなあ、そんなわけないでしょ?』


 ── 今のセリフ、棒読みだったよ!


 しーちゃんも白い目でミシェルさんを見ていた。


『どうする、レナ? 地の力集めてみる? 俺手伝うよ!』

「そこは保留でお願いします」

「さすがにあたしでもヤバいと思うからやめとこう、うん」

『ちょっと見てみたい気もするけど、後始末を考えると残念ながら許可できないね。ところで二人ともそろそろランチタイムだと思うけど、どこかで食事しながら今後の計画を立てないかい? レンタカーを借りて来てるから、とりあえず移動しようか』


 私たちは大地震を止めるための大きな一歩を踏み出した。


「ふ、ふ、ふ。あたしたちの魔法で地震なんかぶっつぶしてやろうね、れーちゃん! あたし、燃えてきたよー!」

「しーちゃん、ちょっと大人しくしようか」


 そう口に出すと、しーちゃんからぷしゅーとやる気スイッチが解除されたのが見えた。


「くそー、あたしのロマン返せー」


 ── はい、そんなロマンはいりません。











大地震を防ぐために動き出した三人。

無事爆散できるのでしょうか?


2週間後をお楽しみに!

読まれましたらぜひリアクション機能でお知らせください。まりんあくあのやる気スイッチがアップします。


それでは、またお会いしましょう。

皆様に、風の守りが共にあらんことをお祈りいたします。


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しーちゃんの空回りw 大地震は止まるのか!?
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