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167 微精霊を集めよう

大地の力を爆散させるための第一歩が始まりますが……。

 ある程度思念波が広がったところで、呼びかけてみる。


 『精霊さん、こっちに来て』


 すると、いくつもの水色の光があちこちから現れて網に近づいてきた。


 ── 触られちゃうと力が強くなっちゃうんだよね……。


『お願い、網には触らないでね。そのまま集まって』


 網をせばめながら戻してくると、少しずつ精霊さんが集まってきた。でも、ふわふわと飛び回っているだけで一つにまとまったわけではない。


 ── ここからどうしたらいいのかな?


「とりあえず集めてみたけど、しーちゃん、ミシェルさんは見えてる?」

「なーんにも。れーちゃんの思念波はわかるけど……」

『僕も同じかな』

「ソル、これどうしたらいいの?」

『レナ、壁で囲ったらいいよ』

「壁で囲う?」

「れーちゃん、あれじゃない?『風の護り』で箱を作ってみたら?」

「できるかな? ……とりあえずやってみるよ」


 ── まずはイメージだよね。空気の壁で立方体を作るイメージで……。


「風の護り」


 思念波の網がシュッと形を変えて箱型を作る。すると箱の中で精霊たちがうずのようにぐるぐると回っている。


『レナ、その壁をどんどん小さくしていくんだ。精霊たちの動きがなくなったら満ちた状態だよ』


 ──そんなこと出来るのかな?


『大丈夫。呼びかけてみて』


 ── 小さくなって!


 すると、ぐるぐる回っていた精霊さんたちが少しずつ小さくなっていく。それに合わせて『風の護り』を小さくしていくと、精霊さんたちの光が一つの大きな光のかたまりになっていった。


「あ、見えた! すごい、『風の護り』が水色に光ってるよ!」

『レナ、すごいね。これは新しい精霊さんが生まれるのかな!』

「ち、ちがうと思う。これはただ精霊の力が集まっただけみたい」

『この箱に力を加えれば壊れるはずだよ』

「この箱に力を加えれば壊れるはずだって。しーちゃん、これ爆散できる?」

「わかった、やってみるよ」

『シイナ イシ イラナイ ソノママ チカラ ブツケテ』

「え? 出来るかな?」

「しーちゃん、予備の思念石に入ってる思念波を使って。早くしないと勝手に爆発しそうなの」

「わかった。とりあえずやってみるよ」


 精霊の光がが勝手にどんどん小さくなっている。それにつれて明るさもどんどん明るくなっていく。


『レナ、大丈夫だよ。『止まって』ってお願いしてごらん』


 ── お願い、止まって!


 すると、ピタリと動きが止まった。


『微精霊は意志が弱いから言われた通りのことしかできないんだ。『小さくなって』って言われたからずっと小さくなっていただけなんだよ』

『そうなんだ、良かったー。あのまま爆発しちゃうかと思った』

『そうだね。もしもあのまま小さくなり続けていたら、勝手に爆発しちゃうところだったよ。そうなったら、レナにも反動が来ただろうね』

『おーい、レナ。僕のことを忘れてない?』

「え?」


 ミシェルさんが口をとがらせていた。


「ミシェルさん、どうしたんですか?」

『どうしたんですか、じゃなくて、僕にも何か手伝わせてよ』

「ミシェルさん、何かできることありますか?」


 するとミシェルさんは額に人差し指を当てると、


『風の盾』


 ととなえた。


 すると、ミシェルさんの前に空気の壁が現れた。


『ふふ、上手くいったよ! くぅー、オレもこれで魔法使いダゼっ!』

 

 めちゃくちゃ喜んでるね……。するとソルが、


「ミシェル カゼノマモリ デキル?」

『フフフ、出せちゃうんじゃないかな? ようし、やってみるよ! 『風の護り』!』


 ……しーん。


『あれ? 何も起こらない? どうして?』

「ミシェルさん、たぶん風の盾を出してるとできないんじゃない?」

『え? そうなの? そうか、防御スキルの重ねがけになるから無理なのか。だとしたら……』


 ミシェルさんの目が、キラリと光った。額に当てていた手を開くと、サッと振り下ろして叫ぶ。


「ウインドカッター!」


 再びしーん。何も起こらなかった。


『あれー? おっかしいなー』

「ミシェルさん、遊んでないで早くしてよ」

『えー、防御系スキルが使えるなら攻撃系スキルも使えるはずだと思ったのになー。二人は使えない?』

「「使えません」」

「ちょっと、早くしてよね」

「大変、申し訳ござらぬ」


 そう言って頭を下げたミシェルさんは、風の盾を解除して風の護りに挑戦した。


『よし、いくよ、『風の護り』!……あれ?』


 ミシェルさんの前には前よりも大きな風の盾ができていた。


「うん、大きな壁だね」

『なぜだーーー!?』


 そう言って頭をかきむしるミシェルさんは、まさにポンコツにしか見えないよ……。


『レナ、風の護りを解除していつもの大きさのを出して』

「わかった。でも、解除しても大丈夫?」

『大丈夫だよ。さっき止まってってお願いしたからみんな止まったままだよ』

「シイナ バクサン デキル?」

「バッチリだよー。これくらいでいいかな?」


 しーちゃんの手の上にはスーパーボールくらいの大きさの思念波の塊ができていた。


「イイヨ バクサン シヨウ」

「わかった。れーちゃん、準備はいい?」



 




 




 




 

またもやポンコツミシェルさんが(笑)

でもきっと共感する人いるはず!


次回いよいよ精霊の力を爆散させます。上手くいくでしょうか?



面白いな、続きが気になる!っと思っていただけたら、ずーっと下の方にある⭐️をポチポチポチっと押したり、ブクマ、いいねで応援してください。


感想もらえるとまりんあくあが大喜びします。レビューいただけると、変な舞いを踊って喜びます。


それではまた二週間後にお会いしましょう!

皆様に、風の守りが共にあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
ポンコツミシェルさん(*´艸`)でも、魔法が使えたら攻撃スキルも出してみたいですよね笑 何を攻撃する気かわかりませんがꉂꉂ(*´ᗜ`*)ァ,、'' いよいよ爆散! 楽しみです✨
ポンコツミシェルさん(´;ω;`) でもれーちゃんもさすがと言ったところ。 果たして思念波はどうなる!? 続きも楽しみです!
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