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148 さらにパワーアップ?

間に合った……。

148話 お届けします

ついに怜奈にも……


修整しました(06.4.6)

「れーちゃん、おそろいになったね!」

 

 私の額をのぞき込みながらうれしそうにしーちゃんが言った。ポニーテールがゆらゆらと揺れている。


 額に貼り付けられた受容体は、見えない糸のようなもので私の脳とつながっている感じがする。スマホのカメラで確認しても何も写らないけれど、確かにそこにあることが感覚でわかる。


 何よりも自分の感情が動いた時に、今までならいきなり外へぶわっと広がる感じがしていたのが、その波がスッと受容体に引き寄せられていく。しかも一定量()まると自動的に勾玉の思念石に吸い込まれていくらしい。何、その便利機能。


『あくまでも通常の場合だ。いきなり感情が強くなったりしたときは処理しきれぬから今まで通り(あふ)れるぞ。だが、以前より被害は小さくなるだろう』


  ……つまりこの受容体に頼りすぎちゃ駄目ってことだね。よし、気をつけよう。そう考えていたら、


『……レナには言っても無駄かもしれぬがな』


  レイアーナさんがため息をつきながら言った。 私、信用されてない?


「うんうん、妄想しないれーちゃんなんて、れーちゃんじゃないよねっ!」

「いくらなんでも失礼じゃない?」


  うなずきながら言うしーちゃんに食ってかかると、さらにあきれた声で返ってきた。


「……れーちゃん、今回のやらかしが自分の妄想暴走状態から来てるってこと自覚あるの?」

「う」


  痛いところを突かれてぐうの音も出ない。するとレイアーナさんが、


『あれは危険な行為ではあったが、思念石を使う上では間違った行為というわけでもない。だから余計に面倒なのだ。さて、レナ。今やレナのその思念石は真の意味でレナのものとなった』

「どういう意味ですか?」


  その後のレイアーナさんの説明は難しくてよくわからなかった。物質の分子結合?  がなんたらで、普通は変化しないのが思念波がその間の隙間すきまを埋めることで変化する??


  早々にしーちゃんが音を上げた。


「ああーっ! 難しすぎてさっっぱりわっかんないーー!」


  するとシュリーアさんがレイアーナさんの後ろでくすくす笑っていた。いつもの笑顔とは違ってなんだかとても可愛い。ネモフィラの花が舞っているような感じで、ほわっと華やかだった。しーちゃんもぽかんとして、


「うわ、可愛い」


 とつぶやいた。シュリーアさんにも聞こえたみたいですぐにハッとしたように口元をおおい、少し恥ずかしそうに、


『失礼しました』


  そう言うといつもの少し柔らかい笑顔に戻ってしまった。それからレイアーナさんに言う。


『御姉様それではお二人には難しすぎて分かりませんわ。わたくしが説明してみますので違っていたら捕捉していただけますか』

『わかった、頼む』


  レイアーナさんが一歩下がるとシュリーアさんが近づいて来た。そして私の思念石を指差しながら説明してくれる。


『わたくしもくわしいわけではありませんが……』


  そう言いながら説明してくれたことによると、今までに作ってきた思念石は、石の内側に隙間を作ってその隙間に思念波を溜めていくようになっていたけれど、私が加工した思念石は外側からも思念波が取り込めるようになっていて、その分威力いりょくが増しているそうだ。


『そちらのハート型の思念石は今まで以上に取り扱いに気を付けて下さい。大きさが小さいので大丈夫だとは思いますが、今までの思念石よりも力が強くなっているはずです。……御姉様、いかがでしょうか』


  レイアーナさんは少しうつむき加減で黙って腕を組んで聞いていた。その顔を上げると、口元を軽く引き上げて言う。


『その説明で問題ない。よくやったシュリーア』

『ありがとうございます』


  シュリーアさんが柔らかく微笑んでそう言ったとき、しーちゃんが、


「レイアーナさん、そういうときはありがとうって言わなきゃ」


  と言うと、レイアーナさんは一瞬驚いた顔をして、それからふっと笑うと、


『そうだな。ありがとうシュリーア』


  とシュリーアさんの顔を見て言った。今度はシュリーアさんの顔がみるまに火照ほてり、とても嬉しそうな顔になった。


『お役に立てて何よりです』


「……あのさあ。前から気になってたんだけどシュリーアさんはどうしてレイアーナさんに敬語で話しかけてるの?  姉妹なんだよね?  それともお姫様ってみんなそんな話し方なの? れーちゃんはどう思う?」


  しーちゃんが不思議そうに聞いた。私は少し考えて、


「うーん……。特に気にしてなかったんだよね。貴族とか王族って身分で話し方変えてるイメージがあったから。確かにシュリーアさんの話し方は丁寧だなとは思ったけど、レイアーナさんが世継ぎの姫って前に言ってたからそのせいかなって」

「えー、お貴族様ってめんどくさそうー。じゃあ家族でもそんな話し方なわけ?  うわ、あたし無理」


  めちゃめちゃ嫌そうな顔をしたしーちゃんが面白くて、思わず笑ってしまった。


「あはは。しーちゃんらしい」

「何気にひどいこと言ってない?」

「さっきのでおあいこだと思う」


  むくれるしーちゃんがまたおかしくてさらに笑ってしまった。

プロローグに雨色銀水(@ameiroginsui)さんにいただいたイラストを入れさせていただきました。元からそこにあったかのようにぴったりはまって幸せです。他にも描いていただいているので、また活動報告等でも紹介していきます。


面白いな、続きが気になる!っと思っていただけたら、ずーっと下の方にある⭐️をポチポチポチっと押したり、ブクマ、いいねで応援してください。


感想もらえるとまりんあくあが大喜びします。レビューいただけると、変な舞いを踊って喜びます。


それではまた4日後にお会いしましょう!投稿時間は 21時30分頃を予定しています。


皆様に、風の恵みが共にあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] しーちゃんはれいちゃんにここぞとばかりに言ってましたね!、 そしてレイアーナさんの説明では難しそうな話。 シュリーアさんは優しく教えてくれる。 さぁこれからラストに向けてるれいちゃんもしーち…
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