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144  爆散実験を始めよう

お待たせしてすみませんでした。

昨夜中に更新するつもりがまさかの寝落ち……。


今回短めです。


加筆修整しました。(06.3.9)

 しーちゃんが地団駄じだんだふみながら、ぷんすかしている。


「あたしもやりたーーーい! でも、まだできないーーっ! わかってるけど悔しいーーーっ! あたしにも精霊の力、カモーーン!」


 ああ、うるさいっ。耳を押さえようとしたその時、私の周りにいた精霊(なんだよね、きっと)の一つが、すいっとしーちゃんの前まで飛んでいき、しーちゃんの目の前でくるくると回った。まるで『大丈夫だよ、一緒にいるよ』って言ってるみたいだ。それからピタリと動きを止めると一瞬光が大きくなった。その光が元の大きさに戻ると同時に、しーちゃんの前髪がふわりと動いた。


「わっ。何?」


 びっくりしておでこを触っている。精霊は再びくるりと回ると、ふわふわと壁の中に戻ってきた。そのまま私の目の前で上下に動いて見せる。


『どう、うまくやったでしょ? ほめてほめてー』


 と言ってるみたいだった。


「ふふ、そう。しーちゃんに挨拶あいさつしてくれたの? ありがとうね」


 そう優しく話しかけると、その子にすこーし思念波が流れた。するとまた一度大きく光り、その場でくるくると回る。


 ──喜んでるのかな? かわいい。


 目を細めているとしーちゃんが、


「え、今のって、精霊の力なの?」


 と目をまん丸に見開いて食い入るように聞いてきた。


「今ね、精霊さんの一人がしーちゃんに風を送って挨拶あいさつしたんだよ」


 そう言うと目の前でさっきの光が大きく上下する。『そうだよ』って言ってるみたいだ。うふふ、やっぱりかわいいな。


 そのとき冷たい声が降ってきた。


『レナ、もういいだろう。あまり力を使い過ぎるとこの後のことが出来なくなるぞ』


そう言われてあわてて、


「解除」


 ととなえた。


『後でもう一度()ぶ、と伝えておけ』


 消えそうになっていた光たちにそう伝えると、一斉いっせいに上下に動いて見せてから、次々に消えていった。最後に、しーちゃんに挨拶した精霊がまた一度光を大きくしてまたたいてから消えていった。しーちゃんがまたもやじーーーっと食い入るように見ていて、


「くうぅ、あたしにも見る力があればっ! 絶対れーちゃんよりもいっぱい、いーっぱい強くなってみせるんだからっ!」


 鼻息荒く言うしーちゃんに、レイアーナさんが体を向けると聞いた。


『さて、シイナ。受容体の複製はできたか?』


 一瞬きょとんとしたしーちゃんは、にやりと笑うと右手を突き出した。


「もっちろん。ここにあるよ」


 手の中には小さな半透明の砂粒があり、中の受容体がほのかに光っていた。砂粒はすでに思念波が満ちているみたいだ。小さいから簡単にいっぱいになったのかな。でもこれをどうするんだろう? ぼんやりと考えながらながめているとレイアーナさんが言った。


『では、レナ。そなたは受容体を二個作りなさい』

「え、二個ですか?」

『なんだ、出来ないのか?』


 びっくりして聞き返すと、レイアーナさんが鼻で笑って言った。ちょっとむかっとしたので、


「できます」


 きっぱり言って、さっき使った瑪瑙めのうの思念石から受容体を作ろうとすると、


『待て。そちらの思念石から作ると威力いりょくが上がり過ぎる。もう一つの方にしなさい』


 よく分からないけれど、言われた通りローズクォーツの思念石から受容体を作ることにする。二個か……。一個作って外に押し出す。それを二回繰り返せばいいんだけどめんどくさいな。一度に出来ないかな? 中の受容体を三つに分ければいいんだよね。うーん……。


 ── あ、この方法ならうまくいくかも。


 想像したことを受容体へ流し込むようにして分割していく。まずは粘土をちぎるイメージで、ぷちっと二個に分ける。その片方をもう一度半分にちぎる。思った以上に簡単に三個の受容体はできた。後は一個ずつ思念石の壁に寄せて押し出せばいいだけだ。ぷちっ、ぷちっと。


「できました」


 手のひらの上に乗せて差し出すと、


『では、そのままで思念波を集めてみなさい』


 と言われた。


 ── ん? このままで集められるの?


 こんなむき出しのままの状態でどうやって集めればいいんだろう? そうだ、レイアーナさんたちは思念石を持っていなくても思念波を集められてる。……ということは、石がなくても集められるはずだよね。でも、どうやって?


「あ」


しーちゃんの思念波を集めた時みたいにしたら出来そうな気がする。


 ── よし、やってみよう。


思念波を風呂敷ふろしきみたいに広げてから、しぼって袋の形にすると受容体につなぐ。袋から押し出すように思念波を流し込むと受容体の周りに思念波が集まっていくのがわかった。とりあえずビー玉くらいの大きさの固まりにして、


「これでいいですか?」


 とレイアーナさんに見せると、


『いいだろう』


 と言ってうなずいてくれた。


『では、今から爆散実験を始める』


 ── ついに、始まるんだ。


「いつでもかも~ん!」


私のワクワクドキドキする気持ちに、しーちゃんの興奮する思念波がゆっくりと重なった。

まさかここで切る!? 鬼です(笑)

この先だと切り処が難しいので、あしからず。


本日もお知らせがあります。21時よりYouTubeの「空色配信」で、1時間たっぷり本作を朗読してくださいます。この四人のファーストコンタクトシーンをリクエストしていますので、どう演じてくださるか楽しみです。

本日参加出来なくても聞いてみたい方!是非アーカイブでご覧になっていただければ嬉しいです。


面白いな、続きが気になる!っと思っていただけたら、ずーっと下の方にある⭐️をポチポチポチっと押したり、ブクマ、いいねで応援してください。


感想もらえるとまりんあくあが大喜びします。レビューいただけると、変な舞いを踊って喜びます。


それではまたお会いしましょう。

皆様に、風の恵みが共にあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] まりんあくあさんこんばんは! れいちゃんとしーちゃんも思念波を使いれいちゃんは更に精霊まで。 いよいよ時がくるのか!? 続きを楽しませていただきますね( ⸝⸝・̆⤚・̆⸝⸝)
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