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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
地球編 第八章 緑の渦

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139 激怒したレイアーナ

139話 お届けします。


加筆修整しました(06.2.18)

 しーちゃんの目がわっている。


「つべこべ言わずに正座する!」

「ひゃい」


 迫力はくりょくに負けて大人しくくつを脱ぐとベンチに正座した。クッションのある椅子いすだったのでそれほど痛くなくて良かったけど、しーちゃんの怒りの原因が分からない。首をかしげていると、


「れーちゃん、あたしが何で怒ってるか分かってないでしょう」


 そうたたみかけるように言われても本当にわからないので、素直に、


「うん」


 と返事をすると、はああーと盛大にため息をつかれた。ジトリとにらむとしーちゃんは私の思念石を指差す。


「それだよ。どうして穴が開いたり、形が変わってたりしてるわけ?」

「え? どうしてって、昨日こうやって手の上に置いて見ていたら、そろそろ御守り袋の中に入れておくのはきついなあって思って」

「そ・れ・で?」


 おそるおそる話し出すとしーちゃんが腕組みをしてふんと鼻を鳴らす。……うう、目が恐いよー。


「それで、穴があったらしーちゃんのストラップみたいにスマホに付けられて便利なんじゃないかなーと思って」

「そ、れ、で?」


 ねえ、私、何で怒られてるの? 全然意味がわからない。


「それで、この思念石に穴が開いたところを想像してみたの。そしたら突然、こう、ぶわーっと何かが流れて行く感じがして、気が付いたら穴が出来てたの」

「ぶわっと、ね。れーちゃん簡単に言ってるけどそれ思念波を使って、だよね?」

「うん、そうだけど。ねえ、どうして怒ってるの?」


 ますます意味がわからなくてそう聞くと、しーちゃんのまゆがぴくりと動く。


「わからない? ならヒントをあげるよ。そっちの茶色いほうの石、何で形が変わってるの?」

「よくぞ聞いてくれました! これは結構大変だったんだよ。まず頭の中に作りたい形をイメージして変化させようとしたんだけど、ふわっとしたイメージじゃ全然ダメだったんだ。だから設計図を組み立てるみたいに細かい部分を少しずつイメージして、頭の中で完璧かんぺきな形を作り上げたの。そしたら、そのイメージが完成した途端とたんにどばーっとこの瑪瑙めのうの思念石に吸い込まれていって、出来たのがこれ!」


 私がどやぁ、としーちゃんに見せびらかしたその時、


『そなたらは平穏へいおんという言葉を知らぬのか?』


 と頭の中に冷ややかな声が響いてきた。びっくりして辺りを見回すと、レイアーナさんが天井から降りてきたところだった。その後ろから眉をハの字にして微笑ほほえみながらシュリーアさんが降りてくる。


『ごきげんよう。あら、綺麗きれいなハート型ですわね』


 シュリーアさんが微笑んだままにっこりと挨拶あいさつをしてきた。でも、なぜだろう。その声がとても冷たく聞こえて背筋がぞくりとした。


「「ご、ごきげんよう」」


 思わずつられて二人で慣れない挨拶を返した。ごきげんよう、なんて物語の中でしか見たことがない。本当にそんな挨拶する人いるんだ。みょうなところで感心していると、


『さて、レナ』


 腕を組み、唇だけで薄く笑いながらレイアーナさんが、


『そなた、自分が何をしたか分かっているのか?』


 もともと冷たいイメージがあるのに、背中に吹雪を背負っているみたいにすごみのある顔で聞いてくる。思わずごくりとつばを飲み込んだ。


「あの、これ、のことですよね?」


 おそるおそる手を前に差し出しながら聞くと、レイアーナさんはこめかみに手をやり、眉をしかめて首を振る。それから大きなため息をつくと、ものすごーく冷たい目を向けてくる。背中をひんやりとした汗が伝う。これは、めちゃめちゃ怒られそう。心臓がどくどく音を立て始めた。すると、


「れーちゃん、たっっぷり怒られるといいよ」


 ぼそりとしーちゃんが追い討ちをかけてきた。レイアーナさんがゆっくりと口を開く。


『さて、レナ』

「は、はいぃ」


 なんとか返事はしたけど、のどがからからだ。


『そなた、前回の私の話を聞いていなかったようだな。何故なぜそこに思念石が三つもあるのだ?』


 するとシュリーアさんがためらいがちに口をはさんだ。


『御姉様、申し上げにくいのですがシイナも同じ数所持しているようです』


 レイアーナさんの片眉がぴくりと上がる。


『……つまり、ここには思念石が六個もあるということだな?』


 ── ……こわいですっ!


 レイアーナさんがすーっと息を吸う仕草をすると、


『この、馬鹿者どもがっ!』


 と一喝いっかつしてきた。その響きに全身が震えて、私もしーちゃんもその場でねた。しーちゃんが耳をふさいでいる。でも、それ意味ないよ?


『思念石を複数持ち歩くなと言わなかったか!』


 それは確かに言われた。でも、持ち歩かなければ思念波を吸収させることが出来ないよね? そう言おうとしたら先にしーちゃんが、


「だって、持ち歩かなきゃ思念波が貯められないでしょう? あたしたち、早くたくさん貯めるために頑張ってるんだよ」


 とむくれながら言った。するとレイアーナさんがあきれたような顔で言った。


『そなたらはそのように思念波を使いこなしていながら気付かなかったのか? 移しかえれば良いではないか。そのように多くの思念石を持ち歩くなど何を考えているのだ?』


 ── ん? 移しかえる? 思念波を?


「……あ」


 しーちゃんがぽんと手をたたいた。

コラボ小説が始まりました。金曜日に2話目を公開します。

「アプリで転移って最強じゃない!? しーちゃんが行く!~絶望の箱庭~鳥籠の姫君~のワールドエンドミスティアカデミーにお邪魔しました!」 です。


https://ncode.syosetu.com/n0156hr/


詩雛が主人公の物語です。是非読んでみてください。怜奈が転校して一人になったところから始まります。


面白いな、続きが気になる!っと思っていただけたら、ずーっと下の方にある⭐️をポチポチポチっと押したり、ブクマ、いいねで応援お願いします。


感想もらえるとまりんあくあが大喜びします。レビューいただけると、変な舞いを踊って喜びます。


それではまたお会いしましょう!


皆様に、風の恵みが共にあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] しーちゃんにも怒られていたれいちゃん。 そしてそこへ現れるレイアーナ様。 そして二人揃って怒られてしまう。 危険な力をも秘めてるからこれは仕方ないんだろうなぁ(՞⸝⸝•̀㉦•́⸝⸝՞)
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