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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
地球編 第八章 緑の渦

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136  謎の計画進行中?

136話、投稿します。


加筆修整しました(06.2.7)

 ミシェルさんが、気づかうような表情を見せる。


『そう。シュリーア姫もつらかったよね。大切な協力者だった彼女を看取るのは』


 シュリーアさんは一瞬、ぴくりと肩を動かした。それから沈んだ表情で言う。


『ええ。会うたびに細くなっていくアリーシャを見ているのはとても辛いものがありました。ですが、いつもアリーシャは気丈きじょうに振る舞っておりましたので、わたくしから病気のことに触れたことはございませんでした。彼女の生き抜こうとした姿勢は、とても立派だったと思います』

『次の協力者は見つかりそう?』


 シュリーアさんが首を振る。


『いいえ。彼女の代わりを探すつもりはありません。わたくしは残りの協力者からの提供のみで続けます』


 ── え、そうなの? 他の協力者を探さなくても大丈夫なのかな?


 ミシェルさんも意外そうな顔で、


『そうなの?』


 と聞いた。けれどもシュリーアさんは微笑ほほえみながらうなずいた。


 早く代わりの協力者を見つけなければ、とてっきりあせっているんじゃないかと思っていたのに、どちらかと言えばシュリーアさんの顔は満足そうに見える……何かあったのかな? そのときレイアーナさんの思念が読み取れた。


『シュリーアも無茶なことをする。あれ(・・)がうまくいけばよいが……』


 ── あれって、何だろう?


 けれどもそこからレイアーナさんの思考は深くもぐってしまい、それ以上読み取ることは出来なかった。そのうちふいにレイアーナさんの思考が切り替わり、


『ところでミシェル、例の件は動き出せそうか?』


 と尋ねた。それを聞いたミシェルさんがとってもうれしそうな顔で言う。


『ああ、あれ(・・)ね。とりあえず休暇ってことにして行くつもり。実は前から行ってみたかったんだよね、あの……』


『ミシェル、簡単に情報を口に出さぬほうがよい。我らはこの世界で騒がれることを好まぬ。それに他の協力者がこの記憶をのぞき見る可能性があるからな』

『え、そうなの?』


 ミシェルさんが目を丸くして聞く。


 ── それって私としーちゃんのことだよね……。


 ドキドキしながら続きを聞く。


『協力者の中に、急速に力を増している者たちがいる。その者らは「夢を見る」という手段で思念波網に接触し、我らの情報を得ている。この方法はそれほど思念体や肉体に負担を与えることなく我らの記憶を得ることが出来る』


 ミシェルさんがまた額に人差し指を当てた。


『待って。その人たちは自分の夢をコントロールして思念波を感じ取っているということ? それってなんだかすごいことが出来てる気がするんだけど……あ、でも……僕が映像を見た時って、そういえば眠りかけの時が多いかも。んー、でも昨日のアリーシャのは夜中に突然だったし……?』


 ミシェルさんが額をとんとんとたたく。このポーズ、ミシェルさんが考えてるときのくせなのかも。するとレイアーナさんが言う。


『アリーシャの思念波は、おそらく全ての協力者が受け取ったはずだ。その者が眠っているか、起きているかに関わらずな』


 シュリーアさんが目を伏せて続ける。


『あれは、アリーシャの命の叫びそのものでしたので』

『そっか……』


 ミシェルさんは胸の前で十字を切り、手を組むと静かにお祈りをしていた。そして記憶はまたもやそこで途切れてしまった。



「えっ! 何? このブツッて感じで切れてるのは?」


 目を開けた瞬間に思わず叫んでしまった。時計を見ると、もうそろそろ起きる時間だ。私は日課になりつつある思念石からのエネルギー補充をしてからゆっくりと起き上がる。思念石が増えたので補充も簡単になってきた。ベッドから下りて着替える前に中身を確認すると、


 ── ん? 思っていた以上に減ってる?


 どの思念石もエネルギーが減っている。特に昨日形を変えた瑪瑙めのうの思念石はかなり少ない。


 ── これってやっぱり形を変えたせい? 補充した方がいいよね。


 まだ少し時間に余裕がある。そうだ、この前試してみたかったやつ、やってみよう。一度軽く目を閉じると、周囲の気配を探ってみる。一階から母さんが朝の支度したくをする気配。父さんが嬉しそうに鼻歌を歌う気配。家の前からは犬を散歩させている人の気配。隣の家の人の気配……。いろいろな人の思念波が感じ取れる。


 でも、一人一人の思念波をもっと深く感じ取ろうとすると、逆に思念酔いしそうになってきた。あわてて少し離れたところから感じ取るように調整し、そのまま薄ーく自分の思念波を広げていくイメージをする。広げた思念波を網のように見立てて、辺りにただよっている他の人の思念波をすくい取るイメージを作り上げる。その網をぎゅっとしぼると、絞った先を瑪瑙の思念石に向けて流し込む。


 ずざざっと思ったよりも勢いよく思念波が流れ込んで来た。流されないようにしっかりと受容体を意識して自分の思念波をつなぎ止める。そのまましばらく耐えていると波が収まった。広げていた思念波を回収し、瑪瑙の思念石を確認。半分くらいまで回復している。


「ふう、思ったよりは簡単だったかな」


 大きく息をついた。うん、体への負担もなさそう。ただ……周りがやたらと静かになった気がする。思わず息をひそめて様子をうかがっていると、しばらくして元通りになった。でも、それ以外変に思うことは特に見当たらない。


 ── 大丈夫だよね? うーん……だめだ、考えてもわからない。ま、いいか、気にしない気にしない。


「よしっ」


 私は出かける用意を始めた。

活動報告で予告していたコラボ企画が、ようやく始動出来そうです。


詩雛が、ワールドエンドミスティアカデミーに殴り込み!?


明日22時投稿予定。

タイトルは

「アプリで転移っ最強じゃない? しーちゃんが行く!~絶望の箱庭~鳥籠の姫君~のワールドエンドミスティアカデミーにお邪魔しました!」

です。お楽しみに!


面白いな、続きが気になる!っと思っていただけたら、ずーっと下の方にある⭐️をポチポチポチっと押したり、ブクマ、いいねで応援してください。


感想もらえるとまりんあくあが大喜びします。レビューいただけると、変な舞いを踊って喜びます。


それではまたお会いしましょう!投稿時間は22時頃を予定しています。


皆様に、風の恵みが共にあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
どんどん弱っていく人を見るのはきついですよね。家族がいま、勝手にどんどん弱っているのでシュリーアさんの気持ちは分かるような気もします。そして、アリーシャさんは立派だったなと思います。同じように出来る人…
[一言] まりんあくあ様こんばんは! れいちゃんはどんどん思念石も思念波も使いこなせるようになりましたね! そして覗いてるのがレイアーナ様から知られてしまいとぎられてしまったのか!? 続きも楽しませて…
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