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123 10人の協力者

毎回遅くなってすみません\(_ _)


前回に続き、しーちゃんの記憶です。


加筆修整しました(05.12.3)

『うふふ。ずいぶん好印象にとらえられているようですわね。この動画の動きを真似てみるのも良いかもしれません。より好印象に見られてイルラをあやつりやすくなることでしょう』


 ……シュリーアさんって、見た目と考えていることにギャップがありすぎるよ! やっぱり、レイアーナさんよりも本当は怖い人かもしれない。


 けれどもしーちゃんはボカロの動画に一人で盛り上がっていて、今のシュリーアさんの思考には全然気付いていなかった。

 しーちゃんが踊っている間、シュリーアさんは画面に見入っているふりを続けていたので、飛ばしてその先の記憶を見てみた。


 動画が終わり、タブレットを閉じたアリーシャがふうと息をつきながら枕に身体を預けて寄りかかる。そのときしーちゃんの思念波が。


『あー、楽しかった』


 満足気なしーちゃんは無視だ、無視。そのままシュリーアさんに注目していると、シュリーアさんはやっぱり微笑んだままアリーシャに言った。


『アリーシャ、見せていただいてありがとうございました。ヤーンからも言われたことはあるのですが、そんなにわたくし似ていますか?』

『ええ、とても似ていると思うわ』


 アリーシャがうれしそうにうなずいて答えると、シュリーアさんがさっきのボカロのポーズを真似てくるりとその場で回って見せた。最後の笑顔も真似てみせる。するとアリーシャの瞳がキラキラと輝いて、


『素敵!』


 パチパチパチと拍手をして喜んでいた。ちなみにしーちゃんも、


『おおー、すごい。完コピだ! 見られてラッキー』


 と喜んでいたけどもちろん放置した。けれどもアリーシャはその後すぐに短いせきを、こん、こんと何度もして息苦しそうにし始める。同時にアリーシャの思念波がじわりとれ出して広がっていくのがわかった。かなり苦しそう。シュリーアさんが眉を寄せ、心配そうに言う。


『……身体は相変わらずですか?』


 アリーシャは咳をしながら左腕にいくつも付けているブレスレットの一つを、かすかに震える右手で握りしめている。そうしてゆっくりと息を吐き、ゆっくりと息を吸う動作を何度も繰り返していると、広がり始めていた思念波がその右手の中に吸収されていった。……たぶん、あのブレスレットの石の一つが思念石なんだ。アリーシャはまだ苦しそうで、身体の力を抜いて息を整えている。


『アリーシャさん、大丈夫かな。何の病気なんだろう……』


 しーちゃんはアリーシャの病気のことを探ろうとしたけれど、残念ながら見つからなかった。ぱ、ぱ、といくつかのアリーシャがいる場面の映像が浮かんだけれど、どれもアリーシャがいるのはこの部屋のベッドの中。もっと苦しそうにしている場面もあれば、少し落ち着いて話している場面も。

 やがてしーちゃんがぼそりとつぶやいた。


せてる……』

 

 ── うん、痩せてる。


 今見ているアリーシャは、どの映像の時よりも体の線が細い。私もしーちゃんも何も言えないでいるうちに、アリーシャの咳が少し落ち着いてきた。見計みはからったようにシュリーアさんが声をかける。


『アリーシャ、無理に話さないでください。思念波があなたの言葉を伝えてくれます。話そうとせず、思念波でそのまま伝えていただければよろしいのですよ』


 するとアリーシャが首を横に振る。


『……駄目だめ。たぶんもうすぐ話せなくなると思うの。少しでも話せるうちは、話していたいから』


 するとシュリーアさんがアリーシャに近付き、腕を重ねた。

 アリーシャの様々な思念が読み取れる。苦しい。つらい。後どれくらいここにいられるだろう。何回シュリーア姫に会えるかな。息が苦しい、体が重い……。


『私、いつまで生きられるのかな』


 ぽつりと遠くを見るような目でこぼしたアリーシャに、


『アリーシャ。わたくしがあなたに提案出来ることがひとつだけあります。それは……』


 シュリーアさんがいつものゆるく微笑ほほえんだ顔でそこまで言ったところで、映像が途切れた。


「え? おしまい?」


 思わずぱちりと目を開けてしまった。何かいいところで切れちゃったよ? あわててもう一度目を閉じて記憶を確認してみたけれど、しーちゃんの記憶はそこまでだった。


「……シュリーアさん、何を伝えたんだろう?」


 ショックでしばらくぽけーっとしてしまった。なんか、すごく大事なところで止まってない? でも、そこから先を探リたくてもどうしようもない。


 ── これ、ひょっとしてしーちゃんの意地悪?


 記憶をもらった時には特に何も言ってなかったし、変わった様子もなかったよね?


「はあ」


 思わず大きなため息をいてしまった。仕方ない、明日しーちゃんに聞いてみよう。


 今度はきちんと眠るために目を閉じる。……アリーシャさん、とても具合が悪そうだった。インドって人口が多いんだよね確か。病院に行くとかは難しいのかな。……ああ、駄目だめだ。今考えてもどうしようもないよね。それに、今見ている記憶は過去のものだから、アリーシャが今どういう状態なのかはわからない。


 他のことを考えよう。そういえばこれで協力者って何人わかったのかな? ミシェルさん、サイイド、ジョンソン、ディエゴ、悠然(ようらん)、シエナ、アリーシャ、ルーク、ヤーン。それに、私としーちゃん。ルークはヤーンの協力者だから、十人。よし、これで全ての協力者がわかったよ。いろんな人がいるなあ。思念波の使い方もみんな違う。


 思念波がどれくらいの力を持っているのかはまだよくわからない。私もしーちゃんも、思念波を使っている協力者の記憶を探してみたけれど、相手の思念を読み取ったり、相手を思い通りにさせたりという使い方をしているだけ。思念波で何か物を動かしたり、物をこわすような使い方はしていない。


 ── 本当に、()()で地震を止めることなんて出来るのかな……?



いいね、を少しずついただいています。ありがとうございます!


後書きを読んでいるそこのアナタ。是非是非、ぽちっと押してくださいね。


いいね、は次も頑張って書こう、というモチベーションになります!


ブクマ、⭐️もお待ちしています。

何と、日間、週間ランキングで100位以内にランクインしておりました!週間は99ですが、それでも快挙です!!応援ありがとうございます

\(^-^)/


感想もどんどん送ってください!

それでは、またお会いしましょう。


改稿をお待ちの皆様、いつもありがとうございます!

今回頑張って早く終わらせましたよ!←え、もっと頑張れ?


皆様に風の恵みが共にあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 精神的なものと物理的なものとが、どうつながるのかはたしかに読んでいてもとても疑問でした。主人公も同じ認識ということでとても共感できました。いいタイミングで来たなぁ、という印象です。シュリー…
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