表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
地球編 第七章 思念波の威力

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

120/195

119 お宝大発見その2

またもやお待たせしてすみません。

何とか投稿することが出来ました。


加筆修整しました。

(05.11.12)

「しーちゃん、まだぐらぐらする?」

「うん。なんか体の中に別の身体があって、それがふわふわ浮いてる感じがする」


 思念石を持つしーちゃんの手もかすかに震えている。


 ── そうだ、思念石を持ってるんだから、()()()()が使えるかも?


 私は思念石からエネルギーを補給する方法を伝えた。何度か試行錯誤をして、しーちゃんは勾玉からエネルギーを取り出すことに成功した。思念石から出たエネルギーがしーちゃんの体に吸い込まれていく。何度かそれを繰り返していくと苦しそうな表情がなくなった。ほうっと息をついたしーちゃんは、いつものにかっとした笑い顔を取り戻し、


「れーちゃん、マジ助かった。あたし、復活!」


 元気良くその場で跳びねて見せた。


 ── 良かったー。


 ほっとして胸に手を当てた。


『常に冷静であれ』レイアーナさんの言葉が頭の中で警告する。何て難しい。でも、このコントロールが出来るようにならないときっと大変なことになる予感がする。頑張ろう、私。


 しーちゃんはそのまま木の周りを跳び跳ねながらぐるりと一周して戻って来ると、


「すっごーい。前より調子がいいくらいだよ」


 と満面の笑顔で言った。ほんとに調子いいんだから。ちょっとため息をいていると、しーちゃんが私の顔をのぞき込んできた。


「れーちゃんの方が元気足りない感じだね。よし、」


 そう言うと私の前に仁王立ちし、スマホを突き出した。何?


「れーちゃんに届け、元気パワー!」


 しーちゃんの思念石からエネルギーが飛び出してきて、ふんわりと私を包みこんだ。


『れーちゃん、元気になーれ』


 それ゙はすぐに思念石に吸収されていったけれど、確かに元気エネルギーを分けてもらった気がする。


 ── そうか。強い想い全てが悪いわけじゃないよね。こうやって人を元気にする力にもなるんだ。


 私はいつの間にかうつむいていた顔を上げて、精一杯の笑顔で言った。


「ありがとう、しーちゃん」


 それから私はスマホを買ってもらえるようになったことを話し、レイアーナさんに聞いた思念波の危険性についても伝えた。しーちゃんは真面目な顔で、


「わかった、気を付けるよ」


 と言ってくれた。その後、夢の記憶を昨日のように送り合い、情報共有をしているとようやくさやかさんが私たちを呼んでくれた。


「ごめんねー、つい夢中になっちゃって」


 さやかさんのところに駆け寄ると、両手を合わせてひたすら謝ってくるので思わず顔を見合わせて首をかしげてしまった。


 さやかさんの説明によると、今日掘っていたのは家型埴輪(はにわ)が見つかった場所のさらに後ろの方で、残念ながら松永さんが見つけたような大きなかたまりは見つからなかったらしい。そのかわりにいくつもの破片はへんが固まって出土したため、元の形が何だったのか気になったさやかさんは、そのまま夢中で掘り集めていたそうだ。それで私たちを呼ぶのが遅くなってしまい、謝ってくれたのだった。


「なーんだ、お宝が見つかったわけじゃないんだね」

「さやかさんのお邪魔じゃなければ気にしなくていいですよ。それで、何の埴輪が見つかったんですか?」


 ちょっとがっかりしているしーちゃんはさらりと無視し、わくわくしながらそう聞くとさやかさんは得意そうに、ふふんと鼻を鳴らした。


「わかりやすそうな部分を持って来てあげたわよ」


 穴の中からいくつもの破片を取り出して並べて見せてくれる。何の欠片かけらだろうと熱心にのぞき込んでいると、松永さんと同じように刷毛はけを渡してくれた。刷毛を受け取るとさやかさんはさっさと穴の中に戻って行った。


「れーちゃん、やるよ」


 さやかさんを見送っているうちにしーちゃんはさっさとしゃがみ込み、猛然もうぜんと刷毛を動かし始めた。私もあわてて刷毛を手に取り、しーちゃんに負けじと欠片かけらの掃除を始めた。



 欠片掃除に夢中になっているうちに、昼食の時間になった。お弁当を広げていると大興奮の父さんたちが戻って来た。あまりの興奮具合に離れた所からでも思念波が飛んでくるくらいだ。これは、何か大発見があったに違いない! しーちゃんも思念波を感じ取ったらしく、おじさんをギラギラする目でにらんでいた。


 父さんがとてもうれしそうな顔で戻ってくるなり、弾丸だんがんのようにしゃべり出した。例によって例のごとく専門用語をばんばん出しながら話し続ける父さんに適当に相槌あいづちを打ちながら流し聞く。父さんのことをひきつった笑顔でながめるおじさんのことなんかお構い無しだ。こうなった父さんは話し終わるまでどうしようもないので、おじさんには目で放置していいよと合図を出した。すると、すかさずしーちゃんがおじさんを捕まえて、


「ね、ね、父さん。どんなお宝が見つかったの?」


 とわくわくがあふれ出た顔で聞いている。父さんの話を聞いているふりをしながらおじさんの説明を横耳で聞いたところによると、再び玄室に入った父さんたちはひつぎの中に残っている微粒子びりゅうしを採取する作業をしていたらしい。単なる土の塊に見えても、実はその中に骨の一部や服の繊維なんかが残っていることがあるそうだ。


 今回はたくさんの遺留品が見つかっているけれど、長い年月の間に風化は進んでいる。だから棺の中に残っているものは出来るだけ採取して分析するんだって。うわぁ、大変そう。それで、その採取中におじさんが一番小さい棺の中から歯を一本見つけたのだそうだ。途端とたんにしーちゃんがかっかりした顔になる。


「なんだ、歯かぁ。お宝でも何でもないじゃんー。つっまんないー。どこが大発見なのー?」


 くちびるとがらせてぶーぶー言うしーちゃん。でも、私は知っている。だてに父さんの娘をやってるんじゃない。歯、歯の化石だよ? いや、化石じゃないのかな。どっちにしてもこれは大発見だ! 父さんが興奮するのもわかる。歯はすごいのだ。知らないうちに左手のこぶしに力が入っていた。

本当に歯はすごいんですよ。でも確かにお宝には見えないですよね。しーちゃんが普通です。そんな歯にも食いつく怜奈は、やっぱり考古学狂いです。立派に父さんの血を受け継いでます(笑)


新しい話ほどいいねが少ないー(泣)。


大丈夫、面白いよ!って思っていただけたら、ブクマしたり、ずーっと下の方にある ⭐️と、「いいね」をぽちっと押してください。

いいね、はまりんあくあにだけ伝わる「面白いよ」というサインで、各話に反映されます。


いいね、を押してくれるとまりんあくあが大喜びします。


それでは、またお会いしましょう。

改稿待ってくれているありがたーい読者の皆様、本当に感謝します。今回苦戦しました。なるべく早く次も頑張ります。


皆様に風の守りが共にあらんことをお祈りいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 元気を与え合う微笑ましいやり取りにほっこりしました。年相応に可愛らしいやり取りだったように思います。そして化石出るとは凄いですね。順調に発掘が進んでいるようで良かったです。嬉しそうなのがこ…
[一言] まりんあくあ様こんばんは! しーちゃんもちからを使っての回復を試す。 何とか上手くいったようでよかったです! そして発見されたのは何と歯!!! 確かに歯から年代とその他色々分かるらしいですよ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ