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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
地球編 第七章 思念波の威力

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118 使っちゃった思念波

予告通り投稿できてほっとしました。


思念石が増えたことで力が強まった二人がやらかします。


加筆修整しました(05.11.5)

「れーちゃん、あたし、今日は結構重大な報告があるんだ」


 としーちゃんが切り出した。それを聞いて私も言った。


「私もある、大事な報告が。でも、まずはしーちゃんの話から聞くよ」


 すると、突然しーちゃんが百面相を始めた。次々と変わるしーちゃんの表情に思わず、ぶ、と吹きかけた時、しーちゃんの思念波が感じ取れた。


『嬉しいー! でも困ったー、ビクビクッ、やっぱり嬉しい! でもなー、うーん……』


 うん、とりあえずいろんな感情が混ざってて、ちょっとした混乱状態なのはわかった。


『あー、でもこれって、れーちゃん怒るかな、怒るよねー、きっと。んー、でもやろうと思ってやった訳じゃないしー……でもなー』


 なんかぐるぐる悩んでいる感じも伝わってきた。結局、何が言いたいの?


『うーん、言いたくないけど言わないわけにはいかないよね。どう言おうかなー、ブツブツ……。』


 ── あー! もう、めんどくさいよ、しーちゃん!


 思わずじと目でにらみながら言った。


「しー、ちゃ、ん? ほら、さっさといて! 最初から全部。それとも……命令されたい?」


 しーちゃんはぴくん、と肩をはねさせると、口をとがらせて話し出した。


「もう。れーちゃん多分怒ると思うんだよねぇー。はあ、……仕方ないから話すよ。あのね、昨日家に帰って、あたしがお風呂に入ろうとした時のことなんだけど。母さんがスマホのストラップに勾玉があるのに気づいてさ、「こんなストラップ持ってた?」って言って勾玉に触りそうになったんだよ」


 ── うわ、それはマズい。


 いきなりの大ピンチだ。


「ね、大ピンチでしょ? んで、あわててそれに触らないで! って、大きな声で叫んじゃったら……花火の時と同じ。母さんがぴくんって止まって無表情になってさ。それから「わかりました触りません」って言って……。母さんはその後普通に、「ああ、触っちゃだめだったわね」って言って手を引っ込めてくれたけど……」

「けど?」


 私がそう聞き返すと、しーちゃんはお手あげというように手の平を上にして体の横で広げると肩をすくめて見せる。それから、


「あたしの声が大きかったから父さんも来ちゃって。ストラップを見て、「おや詩雛、勾玉のストラップなんて持ってたのかい」って」

「あー」


 うん、聞かなくてもわかる。


「で、母さんと同じ。「だめ、触らないで!」って叫んだら無表情になって、「わかりました。触りません」って。その後普通の顔に戻ったら、「ああ、駄目だったね」って言って手を引っ込めてくれた。でも、毎回これやりたくないからさ、ついでだから二人に「ストラップは前から持っていたものだから気にしないで。これからも触らないで」ってお願いしたよ」

「なるほどね。そこまでは了解したよ。それは仕方ないよね。……で、他にもあるんでしょ?」


 するとしーちゃんが分かりやすく、う、とひるんだ。すかさずにっこり笑って、


「言ってくれる、よね?」


 とさらに追い討ちをかけるように圧をかけながら聞くと、しーちゃんがウソ泣きをし始めた。


「わーん、わざとじゃないんだよう。しくしく、しくしく」


 ……ちょっとうざい。


 ── さっさと吐け。命令するよ?


 私の思念波が伝わったらしく、しーちゃんがしぶしぶ吐いた。あれだけ念を押したのに、スマホのゲームアプリに課金してもらったらしい。


「あたしからお願いしたんじゃないよ? だけど、どうしても欲しいアイテムがあって「これ欲しいー!」って叫んだら、ぶわって出ちゃったんだもん」


 手を左右に広げるように動かして説明するしーちゃんに、少し気になったので聞いてみた。


「ねえ、しーちゃん。あのときシュリーアさんから何か注意みたいなものは聞かなかったの?」


 するとしーちゃんはきょとんとした顔をする。


「いや、特には。何も聞いてないよ」


『常に冷静を心がけるように』レイアーナさんはそう言っていた。だけどしーちゃんが常に冷静に、なんて出来るとは思えない。どう考えても無理だと思う。だったら、どうするのがいいんだろう? むーんと腕を組んで考え込んでいると、しーちゃんが真面目な顔で聞く。


「ねえ、れーちゃん。いくらぐらいまでなら課金してもらってもいいと思う?」


 ── 知るかっ!!


 思いっきり心の中で突っ込んだら、その瞬間ダイレクトに思念波がしーちゃんに向かって矢のように飛んでいった。


「あいたっ!」


 しーちゃんが頭をおさえると、そのままうつむいて動かなくなった。


「しーちゃん、大丈夫?」


 あわててしーちゃんの肩を持って声をかけると、私の手を押しやり、うつむいたままで、


「れーちゃん、ちょっと触らないで。うう…、頭がぐらんぐらんするー」


 そう言うとしばらくの間そのままの姿勢で固まってしまった。


 ── しーちゃんに何が起きたの? どうしよう、私のせいだよね?


 おろおろしていると、


「……ああ、わかった。これ、思念体がダメージを受けてたんだ」


 そう言うと、しーちゃんがゆっくりと顔を上げた。額にはうっすらと汗がうかんでいる。ふう、と大きく息をついたしーちゃんは、そのまま木のみきに寄りかかった。


「大丈夫? ごめん、私のせいだよね。レイアーナさんに、常に冷静でいるように、って注意されてたのに、ついイラァっときちゃって……。まさか、こんなことになるなんて。ごめんね」


 しーちゃんは力なく笑う。


「まあ、元はといえばあたしのせいでもあるわけだし。……これがなかったら、やばかったかもしれないけど」


 そう言ってスマホを取り出した。


「飛んできた思念波の半分以上は、これとこっちの思念石が吸収してくれたみたい。だから大丈夫だよ」


 しーちゃんはストラップを揺らしながらそう言った。

思念石が増えたことで思念波の持つ力が強まり、二人とも想定以上の威力に振り回され気味です。さらなるコントロールを学ぶ必要があります。


面白いな、続きが気になるっ!と思っていただけたら、ブクマ、⭐️、いいねで応援してください。


感想もらえるとまりんあくあのやる気がみなぎります。


それではまたお会いしましょう。

皆様に風の守りが共にあらんことをお祈りいたします。

いつも読んでいただきありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
[良い点] カクヨムでターク様読んでいただけて嬉しいです(#^.^#) 私もちょっとまとめ読みを! なんとれーちゃんたちはとうとう両親を操れるようになってしまったんですね。すごいことですが、子供を持…
[良い点] 危なっかしいものを、危なっかしい子が扱っているのがよく伝わってくる場面で、また理解が深まりました。危ないところでしたね。色々な意味で。彼女たちらしいといえば、彼女たちらしいやり取りで読む身…
[一言] しーちゃんもれいちゃんもなんとか徐々に思念波コントロールを練習中!! ですが、ついしーちゃんは笑 ま、まあ今は訓練中なので!! 続きも楽しませていただきますね(* ᴗ͈ˬᴗ͈)”
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