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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
地球編 第七章 思念波の威力

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116/195

115 思念波の影響力

すみません。少し遅くなりましたが、115話めをお届けします。


今回の主役はジョンソンです。


加筆修整しました(05.10.22)

『ジョンソン。思念波をもらうぞ』


 レイアーナさんがそう言うとジョンソンがにやりと笑って懐中かいちゅう時計を突き出す。


覚悟かくごは出来ております。いつでもどうぞ』


 レイアーナさんが思念石に手をかざすと、思念波がジョンソンの思念石を包み込み、回収を始める。右手からずわっと回収された思念波が流れ込んで来て、左手の中にある受容体に吸収されていく。受容体の周りに思念波が圧縮され、固まっていくのがわかった。流れが止まると声をかける。


『離すぞ、ジョンソン』


 ジョンソンの大きな身体がぐっと身構える。それを確認し、レイアーナさんが思念波を素早く引き上げて額の受容体につなぎ止めた。それと同時にものすごい力でレイアーナさんの思念波が引きずり込まれそうになる。レイアーナさんは涼しい顔で立っているように見せかけていたけれど、実際にはかなりの力でん張っているみたいだった。ものすごい吸引力だ。けれども、見た目のレイアーナさんは全く変わっていない。表情すら変えていなかったと思う。すごい精神力。


 ジョンソンは、流れが収まってもしばらく動かなかった。懐中時計を持つ手が小刻こきざみに震え、少しうつむいたままの姿勢で固まっている。やがてゆっくりと大きく深呼吸をした。それから顔を上げたジョンソンは、白い歯を見せ、笑顔を浮かべてはいたけれど額には油汗が光っていた。


『これでまた活躍出来ます。選挙が近い今、これを使えることは非常にありがたい』


 レイアーナさんは、にやりといつもの笑いを浮かべている。


『ほう、ではそなたの活躍の一端いったんを聞かせてもらおうか』


 ── 強いっ。レイアーナさんの笑顔に反応しないジョンソン、じみに強い人だよ。選挙って言ってるから議員さんなのかな? それとも、政治家? ……なんか腹黒そうだし、部下をこき使ってそうな感じとか、とっても自己中な感じでそれっぽい、うん。


 私が考え事をしている間に、ジョンソンがにやりと笑いながら答える。


『姫の国とはシステムが違うと以前(うかが)っておりましたな。我が国での選挙はとにかく金がかかるのです。テレビCM、ネット広報、ポスター貼り、ロビー活動等のために実に多くの活動費と人件費がかかる。これらをまかなうために多額の資金を集める必要があるのです。資金提供者をつのり、さらにパーティーを開いて献金を依頼する』


 ここでジョンソンは話を止め、立ち位置を変えた。大切そうに懐中時計をで、内ポケットへと戻すと続ける。


『様々な人種、主張、利権、要望、これらの意見を吸い上げ自らの主張やマニファクトに盛り込み、広く国民に受け入れられらるよう演説をする』


 ジョンソンの話にだんだん熱が入ってくる。ジョンソンは大事そうに胸に手を当てる。


『これのおかげで人々の感じていること、考えていることが伝わる。受け入れられたのか、反発されているのか。私は演説する度にその場にいる人民を私の主張に染めることが出来る。……これで勝てないはずがない』


 ジョンソンの顔つきが変わっていく。目がぎらぎらと強い光を持ち、口元が引き上がる。


『この大いなる力。正に天が与えたもうた強運としか言いようがない! 私に力をくれた姫には感謝しております。この力を存分に振るうためにも、姫には力をささげ続けます』


 ジョンソンからの思念波が映像を送り込んできた。多くの人々が彼を取り囲んでいる。彼は演壇えんだんに立ちスピーチをしながら、思念波を人々に向けて広げていく。ジョンソンの思念波がその人々の想いを取り込んでいく。興味本位なもの、賛同するもの、反発しているもの。様々な思念波を読み取り、その上で自分の主張を思念波に乗せて送り込んでいく。


 賛同する者にはその思念波がすっと入っていく。好奇心を持つ者には、周囲からゆっくりと包み込み、その好奇心の方向を自分の主張へと引き寄せる。すると引き寄せられた者にも思念波がすっと入っていく。


 反対意見を持つ者には思念波をたたきつけるようにぶつけ、押し込む。押し込まれた者は一瞬表情がなくなり、その後は熱心にジョンソンの演説に聞き入る。ジョンソンが演説しているうちに、どんどん反対派の意見がなくなり、皆が彼の演説に聞き入っていく。その映像を見たレイアーナさんは、ふっと笑うと言った。


『なるほど。見事な思念操作だ。だが、一つ忠告ちゅうこくをしておこう。力を過信するな。その場では従っていても、そなたの思念波が届かぬ場所に行けばその効果はうすれていく。えずジョンソンの思念波を浴び続けている者と同じように、全ての人が従うわけではないということをな』


 レイアーナさんの瞳が冷たくジョンソンを見返している。


『お前の意見に染まった者が、他の者に同じように影響を与えることはない。またその場にいない者に影響を与えることは出来ない。いずれ影響力を増したそなたの思念波に警戒感を持つ者も現れるだろう。出るくぎは打たれる可能性が高い。遠方から攻撃されぬように気を付けるのだな』


  ジョンソンは平然へいぜんと答えた。


『心しておきます』

面白いな、続きが気になる!っと思っていただけたら、いいねをぽちっと押してまりんあくあを応援してください。


読者の反応が次作を書く意欲に繋がります。

ポイントが増えるとも~っと読者が増えるはずっ!

←よこしまなやつ。

ジョンソンみたいに思念波送りたいっ。とりこになれー

←さっさと続き書け(自爆)


感想いただけたら、まりんあくあのやるヤル気がみなぎります。


それではまたお会いしましょう。


すみません。本日更新予定でしたが資料の読み込みに想定以上に時間がかかり、間に合いませんでした。

一日程度遅れる予定です。もうしばらくお待ち下さい。2022.02.21


皆様に風の守りが共にあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ジョンソンは落とし穴に落っこちそうなタイプの人ですが、これぐらいエネルギッシュな為政者がどこぞの国にもあらわれてくれないかな、と思う次第です。政治信条なんかもしっかりしていれば、なお良いと…
[一言] まりんあくあ様こんばんは! レイアーナさんはジョンソンに念を押す。 思念波を上手く使わないとって事ですね! 今回も楽しみましたദ്ദി ˃ ᵕ ˂ )
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