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110 複数の思念石

ブクマが60超えました。ありがとうございます。…でも、最新話まで何人くらい読んでくれてるのか。


良ければいいねで読んだよ、って教えて下さい。

m(_ _)m


大幅に修整し、加筆しました(05.10.4)

 それからレイアーナさんはしーちゃんの方を向き、


『シイナ、思念石から思念波を抜いた時の反動には耐えられそうか?』


 と聞いた。いきなり話を振られたしーちゃんは、目をぱちくりさせた。


「うん、大丈夫だと思う」

『では、その反動に二回耐えられるか?』


 しーちゃんは黙ってあごこぶしを当てると、とんとんと顎をたたき、しばらくしてから思念波で言った。


『それは、あたしも思念石を複数持って思念波を集められるかってこと?』


 しーちゃんがふっと笑った。


『謎が解けたよ。れーちゃんは今日手に入れた天然石を使って新しい思念石を作ったんだね。それであの時、ものすごい思念波が流れて行ったんだ。やるね、れーちゃん』


 しーちゃんの目が挑戦するときの光を灯す。思念波が少し強くなった気がする。腕を組むと言った。


『やるよ。れーちゃんに出来たんだからあたしもやる。それ(思念石)を作った時、あたしも側にいたからね、あれに耐えればいいんだよね?』


 レイアーナさんもふ、と笑うと言った。


『そうか。レナ、もう一つ思念石を作れ。出来るな?』

『はい、できます』


  私は力強くうなずいた。思念石を取り出そうと御守り袋をポケットから取り出し口を開ける。


『レナ、受容体は私の与えたものを使え。その方が力が強くなるはずだ』


 言われた通り勾玉を取り出す。また一回りほど大きくなっている。全長三センチくらいにまで成長している。私はうす青い勾玉を見つめ、中にある受容体を意識する。もう三度目だからね、慣れてきた。受容体に圧をかけるように思念波でくるみ、二つに分ける。分かれた受容体を思念石から押し出す。


 ふわん、と小さく光る粒子りゅうしの固まりのようなものが空中に浮かぷ。


「れーちゃん、この石にお願い」


 しーちゃんは自分の天然石の中から大きめのラピスラズリを選んで手のひらの上に乗せていた。レイアーナさんが言う。


『レナ、手を動かさずに受容体を石に入れてみろ。受容体が石に入った瞬間、すぐに思念波を引き戻せ』 

「はい」

『シイナ、受容体が入った瞬間にその石は思念石になる。一気に思念波が流れ込むので引きずられないように注意しろ』

『わかった。今度は酔わないように受け止めるよっ』


 しーちゃんは石から目を離さない。レイアーナさんがまた言う。


『シュリーア、シイナのサポートを頼む。もしもの時はシイナの思念体を引きずり出せ』


 するとシュリーアさんの笑顔がスッと真顔になり、左手を額の前にかざすと一礼し、


『かしこまりました』


 と言ってしーちゃんの側に寄り添うように立った。レイアーナさんが私の側に来る。


『レナ、もしもの場合は私がお前の思念体を引き戻してやる。やってみろ』

『はい』


 私は一度目を軽く閉じると大きく深呼吸した。それから手のひらの上で浮いている受容体を押すように、そっと思念波を送ってみる。すーっと何かが流れるような感じがして、私の思念波が受容体を包み込むのを感じる。そのまま流し続ければ、受容体の周りに思念波がボールみたいに集まりそうだ。……でも、今やるのはそれじゃないよね。


『レナ、なるべく少ない思念波で受容体をコントロールしろ。お前の思念波が強いほど、新しい思念石に吸い込まれる確率が高くなる』

『わかりました』


 受容体の周りに集まっている思念波を回収する。細く、細く。ほんの少しだけ受容体に触れている思念波を感じながら、受容体を押し出すイメージをする。ふわりと受容体が浮き上がり、ゆっくりと移動を始める。そしてしーちゃんの持つラピスラズリに着地したのを確認すると、受容体ごと石全体を包み込む。それから周りの思念波で圧を加えながら受容体を石の中に押し込む。すっと中に入って行くのがわかった。


『今だ、レナ』


 レイアーナさんの合図で、急いで思念波を引っ込めた。同時にしーちゃんの持つ思念石に向かって、一気に周囲の思念波が押し寄せていく。私の思念波も引きずられそうになったので、慌てて体の中にしまい込む。ほぼ同時にレイアーナさんが素早くシュリーアさんの後ろに回った。



 次の瞬間、お腹に響くような大きなどーん、と言う音が聞こえた。パッと空が明るくなる。びっくりして空を見上げると、大輪の菊の花が咲いていた。思わず花火に見とれてしまっていると、ふーっとレイアーナさんの大きなため息が聞こえた。


『花火に救われたな』


 花火に気をとられている間に思念波の波は収まっていたみたいで、しーちゃんの方を向くと口をぽかんと開けて花火を見ていた。いつもと変わらないしーちゃんの様子にほっとした。けれども、その横でシュリーアさんが肩を震わせている。きつく目を閉じ、唇が引き結ばれているその様子は、いつもの優しげなシュリーアさんとは全然違っていた。



四人揃うとストーリーが進む感があります。

次回も大きく動きます。お楽しみに。


面白いな、続きが気になる!っと思っていただけてら、いいね、ブクマと評価で応援お願いいたします。


感想いただけたら、まりんあくあのやる気が上がり、執筆がはかどります。レビューいただけたら、変な舞いを舞って喜びます。


それではまたお会いしましょう。


皆様に風の恵みが共にあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 意識がどう持っていかれるか分からない、はらはらする局面でしたが、とりあえず花火のお陰でうまく助かったようで良かったです。死者ゼロというのは大事です。シュリーアさんのいつもと違う様子は気にか…
[一言] まりんあくあさんこんばんは!しーちゃんもれいちゃんも思念体の取り扱いをがんばる(๑و•̀ω•́)و 緊張感がましてきた!! 楽しませていただきますね(๑و•̀ω•́)و
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