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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
地球編 第六章 協力者達

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おまけSS 詩雛のひとりごと

100話記念とユニーク2000超え記念に、SSを書いてみました。


詩雛視点でのお話です。


サブタイトルをつぶやきからひとりごとに変更しました。(2022. 04.04)


改稿修整しました(05.9.9)

 あたしは小鳥遊(たかなし)詩雛(しいな)。今をときめく小学四年生だ。幼馴染おさななじみで大親友の守川(もりかわ)怜奈(れな)、れーちゃんからはいつもしーちゃん、って呼ばれてる。


 れーちゃんは保育所から一緒で、小学校も三年間同じクラス。親同士も仲が良くて、休みの日もほとんど一緒に遊んでいた。何でも話せて何にでも付き合ってくれる本当にいい友達で大親友だった。


 だった、っていうのは、三年生の春休みにれーちゃんがおじさんの仕事の都合つごうで転校してしまい、会えなくなったから。


 あたしは自分で言うのもなんだけど、友達が多い。れーちゃんと一緒にいなくても、休み時間にはドッジやけいドロをする友達はいっぱいいるし、放課後だって公園に行けば誰か遊ぶ友達を見つけられる。でも、いつも一緒にいたのはれーちゃんだけだ。

 

 大親友のれーちゃんは本を読むのが大好き。よく学校の図書室にこもっていたり、時々図書館に行って本を借りてきては休み時間にも読んでいたりする。

 あたしは本を読むのは嫌いじゃないけど、れーちゃんみたいにぶ厚い本を夢中で読み続けるなんてことは出来ない。しかもれーちゃんは本を読むだけじゃなく、本の世界にどっぷりはまってその世界のことを妄想もうそうすることも大好きなのだ。時々あらぬ方向をながめながらぼーっとしていたかと思うと、突然ニマニマしだしたりする。正直変な子だ。


 ま、そういうときはあたしが無理にでも現実世界に引き戻してあげてるけどねっ。


 あたしはぶっちゃけ体を動かして遊ぶ方が好きだし、みんなでワイワイやってるほうが楽しいと思う。だけど、あたしは気になることがあると、とことん納得するまで調べなければ気がすまないところがある。気になり始めたら我慢がまん出来ないから、自分で何とかしようといろいろやってみるんだ。だけど、一人で試してみてもちっともうまくいかないんだよねー。


 そんなときはいっつも、物知りなれーちゃんを本から引き離しては実験に付き合わせていた。れーちゃんは私が困った時には的確なアドバイスをくれるんだ。

 

 たとえばミミズのことを図鑑で読んでいた時、環帯かんたいっていうおび状のものがあって大きいものは四十五センチくらいある、と書いてあった。どうしても実物が見たくなって、家に帰るなりスコップを持ち出して庭中の土を掘り返した。このときれーちゃんが借りてきた図鑑を調べて、


「畑とか土の肥えたところによくいるみたい」


 って教えてくれたから、母さんが大事に育てている家庭菜園を掘り返しまくってミミズを捕まえた。

 意外とすばしっこくて、見つけてもすぐに土の中にもぐろうとするから、素手すでで土を掘り返しながらついに三匹ほど獲得した。じっくり観察しようとしたところで母さんに見つかっしまい、大目玉をくらったけれど、二十センチくらいのミミズにちゃんに環帯があるのを確認してあたしは満足した。


 畑を元に戻すまで、母さんに監視されながられーちゃんと掘った穴を元に戻すのは大変だったけど、あたしは幸せだった。


 それからありのことを図鑑で見たときに、巣を観察したくて透明なプラスチックでできた虫籠むしかごに土を入れて、巣を作らせようとしたこともある。だけど、どうやって蟻を集めたらいいのかわからなくって。この時もれーちゃんが、


「ペットボトルのキャップにお砂糖とか果物を入れて、紙の上に置いとくと蟻が寄って来るんだって。紙ごと虫籠に入れたらいいよ」


 と教えてくれた。


 どんなものを食べるのかも確かめたくて、いろんなものを置いてみた。集めた蟻が順調に巣を広げてくれたので、見ていて楽しかったよ。だけど、だんだん飽きてきちゃって世話をするのがめんどくさくなっちゃった。それで、つい虫籠のふたを閉め忘れて遊びに出かけてしまった。帰って来たらリビングが蟻だらけになっていて、またもや母さんにめちゃくちゃ怒られた。


 れーちゃんと殺虫剤をかけまくって蟻を倒して掃除したら、今度は殺虫剤のきすぎで床がつるっつるになっちゃって。結局床の掃除もさせられて大変だった。……まあ、実験には失敗や後片づけは付き物だから、仕方ないよね。


 その他にも割れないシャボン玉作りに挑戦したり、蜘蛛くもの巣の観察をしたり、宝石探しをしたり。れーちゃんといると、何にでもチャレンジすることが出来たんだ。


 でも四年生になってれーちゃんが転校すると、途端に困っちゃった。あたしは気になると自分でやってみたい。実際にやって確かめてみたいのだ。でも、れーちゃんがいないと何をやってもうまくいかない。失敗したら、次にどうしたらいいのか、あたしだけではさっぱり思いつかないー!


 それに一人でやっても、なんか楽しくないことにも気付いてしまった。れーちゃんと一緒だから楽しかったんだ。


 一学期が終わる頃には退屈でたまらなくなっていた。れーちゃんと一緒ならいろんなことが出来るのに!

 そんな時、父さんがれーちゃんのおじさんとしばらく一緒に白鳥山の発掘調査をすることになって、夏休みにはおじさんがれーちゃんを連れて来てくれることになった。


 あたしは飛び上がってめちゃくちゃ喜んだ。本当にその場で飛び上がって喜んだから、テーブルの上の食器をひっくり返しそうになって母さんにまた怒られた。でもそんなことはどうでもいいことだよね? だって、うまく行けば夏休み中れーちゃんと過ごせるかも知れないんだよ? 楽しみすぎるっ!


 母さんからは宿題を終わらせないと参加させない! って言われたけれど、れーちゃんと遊ぶためならそんなのどうってことない。


 めんどくさいから宿題以外に家で勉強したいとは思わないけれど、学校で授業をきちんと聞いていたら、宿題ごときに頭を悩ませる問題はほぼないねっ。あたしは出来る女なのだ!


 無事ノルマを果たしたあたしは、父さんの職場でもある白鳥山博物館の駐車場で久しぶりにれーちゃんとの再会を果たした。想像通りれーちゃんはほとんど日焼けしてない様子で車から降りてきた。どうせ本ばかり読んでたに違いないよ。でも、あたしがいる限り、本ばっかり読ませたりしないよ!


 まずは発掘するぞ!っと意気揚々(ようよう)と発掘場所に向かったあたしたちは、まさかの見学オンリーとのお達しに大ショックを受けた。あっつい日向ひなたでずーっと発掘をみてるだけなんて、あたしには堪えられないっ! てぶち切れてたら、優しいお兄さんがお手伝いをさせてくれたよ。発掘された埴輪はにわ掃除そうじをさせてくれたんだ。


 れーちゃんは埴輪のことにも詳しくて、れーちゃんの話を聞きながら土を落としていくのは暑さも気にならないくらい楽しかった。やっぱりれーちゃんといると最高だね!


 この時間がずーっと続きますようにっ!


 

怜奈視点とはまた違って、書いていて意外と楽しかったので、また機会があれば書いてみたいと思います。

詩雛は私の中では暴走キャラなので、彼女の視点で書くのは無理!って思ってました(笑)。


面白いな、続きが気になるっ!と思っていただけたら、下の方にある⭐️をぽちっと押したり、いいね、ブクマしていただけるととても嬉しいです。

またブクマが増えました! ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。


感想いただけたら…(泣)て喜びます。


それでは、またお会いしましょう。

皆様に風の守りがあらんことを。

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― 新着の感想 ―
[一言] しーちゃんとれいちゃんのマッタリ話。 二人の時間。 幸せな時間を楽しませていただきました! お疲れ様です(՞⸝⸝•̀㉦•́⸝⸝՞)
[良い点] なんとなく、しーちゃんは理系なのかな、と今回は読んでいて思いました。ちょっとマッドサイエンティスト寄りかもしれませんけどね(笑)ブレーキ役は必要不可欠です。活発ながら良い子で偉いなと思いま…
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