表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/34

ExtraⅠ. 永絆と紅祢


永絆と紅祢は、二人が小さい時に紅祢の家族が引っ越してきて以来、家が隣同士の幼馴染だ。


少し天然気味の永絆と過ごしてきた紅祢は、自然と彼女に対して世話焼きになっていった。

しかし、それが度を過ぎてきていると、他ならぬ永絆が気づいたのは、中学の時。


彼を想う女子たちに言われたのだ。

天木永絆がいるから仁科紅祢は他人に興味を持たない、と。


それでも紅祢の友達は多かったと知っていたし、告白も何度もされていた。

よく知らない相手と付き合うのは失礼、と真面目な彼なら考えそうだと思い黙っていたのだが。


そんなことがあったあと、永絆は紅祢に問いかけてみた。



「どうして告白を一度も受けないの?」

「…何で?」

「だって、有名な先輩とかにだって告白されてるのに…」

「……有名?」


その時の本気で不思議そうな顔。

興味を持たないというのはこのことかと永絆は納得がいった。


「例えば…」

「永絆。永絆は俺がよく知りもしない女子と付き合えばいいと思ってる?断れば可哀想だって理由で」

「…そうは、思わないけど…」

「俺が女子と付き合っちゃったら、永絆どうすんの?」

「私?」

「お前、ぽーっとしてるし。それに、俺が作った掟に俺が反してどうすんの」

「…掟って…」

「だから、俺は誰とも付き合わない。分かった?」

「…うん」


昔からよく、彼は「幼馴染の掟!」と言っていた。

彼なりに何らかの誓いがあるのだろうが。



そんなことを思い出しながら、永絆は泊まりの道具をもって夕暮れの道を走る。


おまじないの決行は、杏子の家でとなった。

日本家屋風である彼女の家ならば大きな和室があるため、みんなで眠ることが出来るからだ。

それに、両親が遅くまで共働きというわけでもないのでそれぞれの家に心配をかけることもない。


永絆にとって一番の問題は心配症な幼馴染だが、家から離れて携帯の電源を切ってしまえば、あとで怒られるだろうが、おまじないを実行できないということもないのだ。


(…紅祢、怒ったら怖いんだよね…ううん、大丈夫、みんなでやるんだから!)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ