一頁目 灰崎無為という悪魔
コツ、コツ、コツ…
足音が響く廊下の両端には、全校の生徒や教師が転がっていた。
コツ、コツ、コツ、コツ、コツ、コツ、コツ…
1人、その足音の主と私を除いて。
「僕は灰崎無為です!好きなことは嘘をつかれること、負けること。嫌いなことは友情を見ることです。」
彼は、転校初日から異質だった。
名字に神という字が入っていなかったし、
それ以前に彼はどこか不気味だったから。
私は神宮舞。いたって普通の半悪魔だ。
…といっても、彼が転校してくるまでの話だったんだけどね。
「ねぇ、君らって何のために生きてるの?」
唐突に、彼は私たちに聞いてきた。
「……え?」
突然の突拍子もない質問に、私たちは言葉をつまらせた。
「ええっと、灰崎さん、どうしたの?」
先生が、困ったように尋ねた。
彼はキョトン、としてから、
「だって、皆退屈そうなんだもん。」
と、ニコニコしながら言った。
「退屈そう…?」
「うん!」
嬉しそうに頷くと、手をひろげた。
「だって、皆生きる意味を聞かれて答えられないんだよ?退屈してるんでしょ?」
当たり前、とでも言うように彼は笑った。
「んー、違うと先生は思うなぁ…」
先生はすっかり困ってしまった。
「おい、何だあいつ…頭おかしいのか?」
「きもちわりぃなぁ…」
ひそひそと、クラスの皆は話し始めた。
「そういえば、名字に神って字がついてないから、彼人を殺してるってことなんだよね?」
「は!化け物じゃねぇか!」
その言葉に、ぴくっと彼は反応した。
「化け物?」
瞬間、辺りの空気が冷たくなった。
「そんなこと言うやつには…お仕置きだよ?」
彼は大きな時計の針を無数に取り出した。
…そうして、今に至るのだ。
ニコニコしながら、彼は半死になった生徒、先生を見下ろした。
「ほら、ちゃんと反省した?」
カタカタと、学校で一番怖いと言われている先生が震えた。
「…ん?」
そして彼は、私に気がついた。
「え、あ、その…」
謝ろうと思ったが、言葉がでない。
どうしよう、どうしよう…!
「君、名前なに?」
「へ?」
な、名前…?
いきなり名前を聞かれ、私は困惑しながらもおずおずと答えた。
「じ、神宮舞です…」
「そう!舞ちゃんっていうんだ!」
ニコッ!と彼は笑った。
「じゃあ、君、僕の仲間にならない?」
彼は、笑顔を張り付けたまま私に手を差し出し、そういった。
「……え?」
いかがでしょうか?本編、煉獄の聖痕もよろしくお願いいたします!




