第壱回 真名と言霊信仰
※この文章は、個人意見個人解釈です。
「いきなり、ファンタジーはファンタジーでも和製で、オカルトよりだな。」
「だって、コレが一番なろうでも都合よく使われてますやん。
ちなみに、二回目は『神隠しと神前の約束』。三回目はファンタジー系から何かの予定。」
「まぁな、確かにな。
その分、某霊能力先生の漫画は割りとぞっとした。」
「蒼真さんでも?」
「ハロウィンがあった頃ならまだしも、あれ、九十年代後半だろ?」
(※雑誌『ハロウィン』は、『ネムキ』のような創作系ホラー漫画雑誌。休刊)
「確かに、ハロウィンがまだ発行されてた時は、都内とかにオカルトショップあったらしいですし。」
「今みたいに本屋や某前方村みたいなとこじゃなく、普通に占い札を売ってたしな。」
「伝聞ですけど、ヤモリの黒焼きとかその手のものも。」
「あー、現役だった頃は生まれたばっかか、お前。」
「ですです。
好きな先生繋がりと友人から借りて、占い札戦争とか奇譚倶楽部とか読んだクチですもん。」
「JET先生な、最近はハーレンか奇譚の続編でしか見ないが。」
「先生の真髄は、推理小説のコミカライズだと思う。
もしくは、螺旋のアルルンカンは、私の根幹に成るぐらいに好きだ。
江戸川乱歩のエログロナンセンスな世界観とかホームズとか。」
「奇妙なほの暗さがマッチしてると言うか。
ねっとりとした艶と上手く作用してる感じだよな。」
「ですです。
それまで読んでたのが、クローンでも生き返れて嬉しいぜヒャッハー系だったので、胸にパイルドライバーでしたし。」
「で、話は戻すが。
お題『真名と言霊信仰』はどうなんだ。」
「はいはい、一応説明しますんで補足と訂正よろしくです。」
「隠すことは隠すぞ?」
「そりゃ、蒼真さんの立場がそれですし。」
「じゃ聞いてやる。」
「そもそも、真名、元来の意味では普通は見れません。
見鬼で更に特化の特化、極みでやっと見れるレベルだと琥珀ちゃんが言ってますね、人間だと。」
(※見鬼=普通は見えないものが見える能力のこと)
「そこまで見えると、対策しなかったら成人までこっちに居ないだろうしな。」
「ですねー、そこまでとっかしてると美味しいらしいですし。
んで、真名ってのは廚二っぽいですが、魂に刻まれてるもんですしね。」
「ほうほう。」
「肉体と魄に包まれてるのに見れるだけでもすごいですよね。」
「卵でいうなら、殻=肉体、魄=白身、魂=黄身みたいなもんだな。」
「例えでいうと、私を例にして、戸籍名が「真田麻尋」だとします。
HNが「十叶夕海」です、んで、真名が「其花咲姫」とします。」
「本名とかすらないよな、むしろ、HNから逆算できなくないか?」
「十年以上前の前のHNならまだしも、今のだと下の名前が分かればすごい!!レベルであって。
普通なら、甲田先生と成田先生の古いの好きなんだね、で終わると思いますよ?」
「まぁな。
地図娘・夕海ちゃんは、ちょっとトチ狂ってるが理想の娘像のひとつだな。」
「で、大概の作品で二次一次三次問わず、たいてい、「戸籍名」を取られたらアウトみたいな話になってるんですよね。」
「あー、確かにな。
ってか、三次ってのは?」
「一応、某刀剣擬人化のとある最初期な二次で「この設定は二次素材としてフリーにします」って言われた設定に組み込まれてるし、他にもあったらしいから。
その頃は、プレイヤーであっても、二次書きしてない時期なんで詳しくは知りません。
無自覚だけど、三次よねぇってね。
NTR(乗っ取り)、見習いとかもだけど、その辺りはゲームにないけどリアルとして在りうる部分だとは思うけども。」
「ついでに、補足するなら戸籍名でも、意味が意味なら捕まえることすら無理だよな。」
「ですです。
私の本名、由実子的な名前ですが、子って七つまでは神様の子の意味合いですんで捕まえにくいみたいです。」
「琥珀とちまっこいのからか?」
「末席でも神と末端の社無しですが、普通に一応、カミサマです。」
「その辺りは、割と古い武将とかの名前参照だわな。
後、忌み名と真名がごっちゃになってんだろ、そういう意味で某霊能力先生は恐ろしいんだわ。」
「うん、私がさっき書いた真名からとられたり、家長がつけたりする人工的な真名ですね。」
「後からやるかそっちに任せるけど。
名前自体が、一つの誘蛾灯と言うか目印じゃん?
もしくは、“個”を固定するラベルと言うか。」
「ですね。
遠視で見る時も最低限の最低限、名前教えてもらいますし。」
「うん、こういう商売やってて、呪詛の一つや二つや三つ、結構飛んでくるから。
いちいち対処してたらこっちが死ぬからさ、戸籍名から忌み名の方に本性本分本質?を置き換えてその上で本名を避雷針にしてる。
或いは逆だね、ほら、本名遠藤隆一が筆名・安針塚美雷みたいなきらきらな名前で商売してたら、筆名が避雷針になってたりするから。」
「こっちの説明途中でしたけど、それでもそのどれもが、ラベルには違いないわけで。」
「まぁ、苺ジャムの瓶にラズべりージャムのラベルや赤いジャムのラベル貼ってあっても、苺ジャムと言うことは変えがたいことなわけだし。」
「それに、あぁ、いっせいので言ってみます?」
「いいねぇ、」
「では、いっせいので、」
「「目の前にいる相手の真名をわざわざ知る必要がない。」」
「ですよねぇ。」
「スレチになるから、ぶん投げるが神が隠すから神隠し、なんじゃなく、隠せるから神であって神隠しなんだよ。」
「その後に潰れても、可能だからこそ、カミサマなわけですし。
自分の社の領域と言うよりも、自分自身の中と言う方が正しい&無理心中ですけど、付喪がやるには。」
「まーな、と言うか、神隠し自体人買い人攫いの隠語だけども。
一応、本当のそれも中には混ざってるもんな。」
「ズレるんで、真名に戻しますが。
攫ってどこかに連れて行くって意味で、真名が必要だって言うけど。
呼び名程度は知ってるなら、目の前にいれば本人確認できますし誘拐できますよね。・」
「うん、術者系統の心配はさっきのとおりだけど。
某二次とか創作でありがちなのは?」
「対人なら、術者でも一つあるでしょ、最近うるさいの。」
「プライバシー?」
「そ、詳しい話を投げるけど、トラ先輩から聞いた実際にあった胸糞な話。
二十年ほど前だから、流石に今はないと思いたい。」
「はいはい、あのゴツイオネエちゃんな。」
「ホステスとか、水商売で源氏名でやるの多いじゃん?」
「フルーツの名前だったり、ルイとかサナとかありそうだけど本名じゃないのが殆どだわな。」
「由来辿れば、芸妓舞妓に行き着くんだろうけど、浮世のしがらみどうこうじゃなくて、割と真っ当な話。
そうね、本名は田中明子みたいな良くある名前だし、その女性の顔自体もそこまで印象に残る美人でもない、可愛い系だったらしいけど。
元々、大阪でもホステスやってたらしいんだけど、ヤのつくでないけどあんまり素行のよろしくない男に引っかかって、名古屋まで来た子。」
「あー、大阪の割といいトコから、名古屋の中堅いいトコのキャバに入ったどうこうの子?」
「そう。源氏名もキャラも変えて、ナンバーの3~7辺りを行ったり来たり。
目立たずに、お金を稼ぎ、普通の青年と出会い結婚話も出る頃に殺されたって子ね。
その素行のよろしくない男に、彼氏共々。」
「勤め先の店長か彼氏から、バレた?」
「そうね、そんな感じ。」
「戸籍名ってよっぽどじゃないと変更できないし。」
「某二次の場合、ちょうど、DVでシェルター入るような感じもありそうだし。
でも、本名なまま同じ職について見つかるって場合もあるじゃないです?」
「それに、某二次の場合、一足飛びに隠してるけど無茶じゃん。
料理もだけど、下準備が大事だぜ?」
「後、創作物の場合、本名から縛られてどうこうで偽名名乗るけどそれ以降触れないこと多いし。
天丼は胸焼けするけど、最初に探ろうとして『コイツ、偽名か』ってやって別陣営なのに探ろうともしないとか。」
「王様が縛ろうとしたとか、主人公がそういう理由じゃなく人間信用してないから偽名ってのがよほど好感持てる並みにそういうテンプレ扱い多いわな。」
「むしろ、発音できないから、鈴子さんがベルって名乗ったりする系統がむしろ、好みだ。
知香を発音できなくて、トーカとか。」
「実際問題、カミサマと付く呼ばれる定義されるなら、呼び名であっても連れ去ることは可能だしなぁ。
最低限、喰うことは可能だからな、うん。」
「だから、読み替え程度が一番有効っちゃ有効?
晴樹を「せいじゅ」って呼んだりさ?」
「んで、言霊信仰って部分は?」
「俺解釈ですけど、知るということは後戻りできなくしますけど、同時に武器です。」
「うん、名づけも同じ理由だな。」
「ですです。
『俺に名づけられるぐらいに弱いんだから従え』って意味合いもあるですし。
名前自体、定義づけです。」
「アクタの件は、まともな術者ならしないからな、あんな自殺行為。」
「……色々やって、破滅を遅らせてるんだから良いじゃないですか?
私一人が破滅するか、大学生十人行方不明とかより。」
「現代医療で、色々差し引いても原因不明で悪化してる時点で遅らせきれてないだろ。」
「早くて十年でしたけど、わし生きてる。」
「死んでたら、アクタを再封印してたぞ、師匠役として。」
「(耳を塞ぐジェスチャー)あーあーきこえないきこえない。」
「で、話戻せ。」
「知ることは武器です。
同時に、毒です。
同じく、意味は鎧であり刃でもあるんです。」
「で?」
「言霊って言うのは、流れを決定付けるもの。」
「あー、「死んでる」「生きてる」を口にした時間帯に決定されてるのもあるしなぁ。」
「冬の八甲田山は、二度と行きたくありません。」
「チエ先輩か?」
「ええ、事前に注意して定義づけすんなよタコスケ言ったのにして、こっちが巻き込まれました。
ふもととは言え、軽い吹雪程度の降雪と日付が日付でしたし。」
「縁切れ?
少なくとも、チエ先輩とやらはともかく、あのカメラマン小僧のせいで死に掛けてるの八甲田山合わせて何回あるよ。」
「少なくとも、三回は。
後、宿の方すみませんで刺されても文句言えないの意味で、四回かな。」
「ほれほれ、続き。」
「で、一種の暗示なんでしょうけど。
定義づけされると糸が繋がるんですよね、縁と言う意味でも姿という意味でも。」
「ケースバイケースではあるけど、知らなきゃ切り抜けれない時もあるからなぁ。」
「言葉にするのは、怖いけどそれでも言葉にしなくちゃいけないときもありますし。」
「……瞬間湯沸かし器だもんな、お前とお前の契約眷属。」
「後ろの子達は、そういう戦闘含めた契約じゃない子のほうが多いですよ。
物騒なのは、このめや七つのあの子達ぐらいですし。」
「アンバランス過ぎて何も言わんわ。
霊力量とスロットに関しては、非常識と言うか漫画並みなのはともかく、使える量が少ないかね、何で。
契約して供給してる部分差し引いても少ないぞ。」
「と言うか、アクタの件に関しては、蒼真さん達プロの負の遺産でしょう。」
「ぐむっ!!」
(※一瞬、ソウマに渾身の一撃。ダメージ999。よく効いている!!みたいなテロップが見えた。)
「今更ですけども、私の場合、よく成人できたなと言われる部類ですけど、偶然の必然で生き延びただけですって。」
「アクタの件はなぁ、じいさま達が頭抱えるレベルだからな。
蘆屋家(仮名)が悪名高いっても、始末してしかるべきなんだろうに、大都市近郊で何で残すかね。」
「んで、戻しますけども。」
「ほいきた。」
「真名というより、戸籍名でも教えるなってのは、生きてる死んでる人間人外関係なく覚えておきましょう。
ラベルを与えるにしても、咄嗟の方の偽名の方が楽ですし、何か一つ大きな執着してるとそれだけでよほどの大物じゃない限り、意味ないですしね。」
「まぁ、某悪徳坊主の自殺名所から、食欲で戻ってきたからな、お前。」
「三大欲ですからね。
その節は、ご馳走様でした。」
「敬語が硬いってことは、おこか?」
「ご自由にご想像なさってください。」