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職世界冒険録  作者: ハスキーひやま
序章・異界の大地に立つ
3/12

到着、???村

山を無事下りきり、村に到着した。

道中、スライムという魔物に出会ったが難なく倒せた。レベル1の雑魚で助かった。アイテムドロップというのはレアケースらしく、ゾンビからドロップしたのは偶然のようだ。職に覚醒してから現れたステータスにヘルプがあり、そこに載っていた。

村の入口の看板にはよく分からない文字らしき物が並んでおり読むことは出来ない。しかし、たくさんの人が村の中には居るようだ。柵もあるため魔物は来ないだろう。


「ん?あんちゃん達今山の方から来なかったか?」


ガタイのいいおじさんに声をかけられた。発音と意味は同じなのか口から出る言葉は通じる。山から来た理由を答えると、おじさんは少し考えてから『ちょっと待ってろ』と言って剣と盾の看板が立て掛けられた店へ入って行った。しばらくすると、おじさんは杖とローブを川崎さんに。何かが入った布の包みをサラに。俺には何でも入りそうなカバンを渡してくれた。


「うちの店の残り物だが……冒険者がよく使う装備品だ。事情を深くは聞かないがそんな雑な装備じゃ魔物にやられちまうぜ」


有り難く頂いた。また今度何か買いにいくとしよう。一旦山側の村の端まで戻り、サラは貰った布の包みを広げてみた。すると中には色んな鍛冶用のアイテムが入っていた。


「なんであの人俺達の職が分かったんだ……?」

「さぁ?あ、コレでちゃんと精錬できるみたい。剣貸して」

「ああ頼む」


川崎さんが杖を持って不思議そうにしている。振り上げたり前に突き出したりしているが、何も起こらない。


「どう使うんでしょうか……これ」

「さ、さぁ……戦士だからなんとも」



しばらくして精錬が終わったショートソードを受け取るとウインドウを表示させた。少し強くなっている。名称の後に+1と付いており、マイナス効果の回避-1が消えていた。

軽くなり更に扱いやすくなったそれを木に向かって振る。ガスッと鈍い音がして幹に傷が付いた。漫画みたいにスパッと斬れたりはしないか……と内心ちょっと残念に思ったが、異世界に来たんだと確信が持てた事に喜びが隠せない。


「で、これからどうするのよ」

「同じ学校の生徒を探すか。川崎さんが居たんだ。他にも探せばいるかもしれない」

「そうですね!この村にもいるかもしれません」


とはいえ金がない。この世界の通貨を手に入れる手段としては……物を売るとかだろう。でも何を売ればいいのだろうか。今持ってういるのは俺がカバン、剣、メット。サラが鍛冶アイテム。川崎さんがローブと杖。売る訳にはいかないものばかりだ。


「レシピを確認するわ……回復薬ならできそう」

「おっ、いいな。それを売るか」

「材料はこの草よ。薬草」


それから夕方まで薬草をカバンに集めて回った。魔物が出る山の奥には向かわないようにして集めたが、カバンは薬草で一杯になった。


「さて、さっさと作ってしまいましょう。レシピ、回復薬」


サラが唱えるとあっという間にカバンの薬草が回復薬の入ったビンに変わっていく。

……このビンどっから来たんだ。疑問に思っても仕方がないが。50本のビンをカバンに入れて村に戻り、フリーマーケットの端を借りて出店を開いた。相場が分からないので他の店の値段と全く同じで売った。

他の回復薬の出店はあっという間に店仕舞になっていく。それはこちらも同じ。1本2500シャインという聞いたことのない通貨で飛ぶように売れていった。

ちょいちょい冒険者らしき人が「本当にこの値段なのかい!?」とめちゃくちゃ驚いていたのが気になるが。手持ちは12万シャイン……2個は売らずに持っておく事にした。金銭感覚がよく分からないが、多分宿には泊まれるはずだ。3人で宿に向かう。道のりは道行く人に聞いた。


「すいません、部屋は空いてますか?」

「はい、空いてますよ〜何部屋ですか?」

「1へ……」

「おいこら隼輝、2部屋だろ」


あぁ……すっかり忘れていた。さすがに同じ部屋は嫌だよな。2部屋借りる事にした。1人100シャインなので300シャインと部屋代2部屋で1000シャイン。合計1300シャイン……!?回復薬の方が高いだと!?驚きが隠せない。俺達はしばらく大丈夫な位持っているのか……メモっておけば相場が分かるだろう。紙とペンを買いに俺だけ夜の村に出た。所持金は5000。残りは2人に預けてある。


「おっ?昼間のあんちゃんじゃねえか、嬢ちゃん達は宿か?」

「あ、武器屋のおじさん。こんばんは。そうです、おじさんは何か買いに?」

「晩飯の食材をな。そういやあんちゃん宿に泊まる金はどうしたんだよ」

「回復薬を1から作って売ったんです」


おじさんは回復薬を1から作ったと聞いた瞬間驚愕していた。おじさんの話だと回復薬はかなり貴重で、薬草を採るために冒険者を雇う人も居るくらいだそうだ。まともなレシピを知っている人も少ないため、よく粗悪品が出回るらしい。


「なるほど……背の高い方の嬢ちゃんは鍛冶だけじゃなく薬の制作まで出来るのか……いい仲間を持ったなあんちゃん」


おじさんはしばらく喋ったあと、食材屋に向かって行った。紙とペンは出店に売っていたのを買った。質の悪い紙10枚で3800シャイン。ペンはインク付きで1200だった。紙も貴重なのか……丁度足りるだけよしとして、相場の高そうな物をメモしながら宿へ戻った。

2016/5/3一部修正しました

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