表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【全年齢版】呪われた辺境伯と無色の聖女  作者: 真紅愛


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/122

94話 王国全土へ広がる再生の息吹


辺境の最果て、嘆きの谷を埋め尽くした白銀の光と黄金の芽吹き。



それは一地方の奇跡に留まらなかった。精霊・妖精たちが織りなす目に見えぬ繋がりを通じて、アリアの放った再生の波動は、アルカディアス王国全土へと瞬く間に伝播していった。



アリアがその身に宿した真の聖女の力――。

それは風に乗り、水脈を駆け、人々の想像を絶する速度で国土を塗り替えていく。



長きにわたる戦乱と、魔獣が撒き散らした瘴気によって黒く変色していた各地の農地。

そこでは何年もの間、死が支配していた。ひび割れた大地、立ち枯れた果樹園、そして希望を失い、鍬を投げ出した農民たち。



しかし、その日は違った。



どこからか流れてきた清涼な風が鼻孔をくすぐったかと思うと、枯れ果てていた井戸の底から、清烈な水が勢いよく溢れ出したのだ。



地を這うような重苦しい空気は一瞬で霧散し、まるで何十年分もの冬を一度に飛び越えたかのような、力強い春の息吹が大地を芯から震わせた。



「見てくれ……! 土が、土が息をしているぞ!」



農夫が震える手で土をすくうと、そこには柔らかな湿り気と、どこか懐かしい生命の芳香が宿っていた。



かつて不毛の地と呼ばれ、誰もが見捨てた荒野には、一夜にして名もなき野花が絨毯のように咲き誇り、色彩の海が地平線まで広がった。



各地から王都へと届く奇跡の報告は、もはや単なる噂ではなかった。



それは、アルカディアス王国が再び豊かな母なる大地として蘇ったことを、揺るぎなく証明していた。



その知らせは、王座で厳しい政務に当たっていたリリアのもとにも届く。



彼女が守り抜こうとした「秩序」の枠組みの中に、アリアが紡いだ「生命」が満ちていく。二人の聖女が、今、真の意味で王国を救い上げたのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ