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WORLD:IV

(つるぎ)を持った青年は高く跳躍し、うねる鎌を一本斬り裂いた。


「あいつ、おれらでも傷つけられなかったあれをいとも簡単に…。それどころか毒が充満しているのに大丈夫なのか!?」


死を覚悟していたノアは自分が死んでいないだけでも混乱しているが、結界の外で起こっていることもあり、さらに混乱している。


「あれが、アーサー王だよ。最初の三神器の一つ天の剣を持ち、世界の危機を防ぐために眠りについていたブリテンの王。まさかあれ程までに強いとはね、想像以上だよ。」


イヴは淡々と語る。


その間にアーサーは一本、二本と鎌を斬っていき、全ての鎌を斬り裂いた。


「まただ!高エネルギー反応だよ、しかもさっきよりも高純度の!ここで決める気だ。」


アーサーは剣を胸の前に構え、自身のエネルギーを剣に集中させる。


黄金の剣は眩いほどに輝きだし、山をも吹き飛ばせるのではないかと思われるほどの力を放っている。


黒い生物が溜めたエネルギーが、先程とはまるで比べ物にならないほどの強大な力と密度でアーサーに向かい放たれた。


その高純度の高エネルギーはアーサーを貫く直前に消え失せた。


その隙を逃さず、アーサーは力を溜めた天の剣でプロトタイプを一刀両断した。


斬られた生物の左右は地面に落ち、二度と動くことはなかった。


「遅れてしまいすみません。ギリギリになってしまいました。」


「大丈夫だよ、アーサー。ギリギリ間に合ったんだし!でもすごいね、二つの神器を以てしても傷つけられなかったプロトタイプを一人で倒してしまうなんて。さすがアーサー王、さすが聖剣ってことか!」


「煽てても対大脅威兵器しか出てきませんよ?それと、まだ気を抜けません。マーリンが言うにはまだ何かあるみたいです。」


「何かって?」


その瞬間、大きく大地が揺れた。地響きは絶えず全員に恐怖を与える。


「何でだ!?蛇は殺しただろ!何があるって言うんだ!」


「落ち着いてノア!鏡で見てみる!」


イヴが天の鏡を取り出し世界中の様子を覗き見る。


「まずい!世界中で津波が起こってる!」


「恐らく、蛇がもしもの時に備えて施しておいた呪術でしょう。死んだ後でも世界を呪うとは敵ながら、というところでしょうか。しかしどうします?先の猛攻でもうこの結界ではあの波は抑えられないでしょう。」


「ハイド、ヘリコプターはあと何機ある?」


「問題なく稼働できるのは30機。でもそれじゃあこの国にいる全員を乗せられない!」


「じゃあ私の馬でできる限りの人数をアヴァロンに送るよ。」


「駄目だよ風花。そんなことしたら風花が死んでしまう。」


議論が続く中、巨大な波は徐々に近づいてくる。それに伴い揺れも大きくなり焦りが募る。


「とりあえず乗せられるだけヘリに乗せよう!あとは動きながら考えるしかない!」


ハイドの提案に全員が頷き行動に移る。


国中の機械達が城の前に集まり急いでヘリに乗り込む。


振動と轟音が非常に大きくなり城壁の方を見てみると巨大な津波が視界を覆った。


波は城壁に到達し、結界がそれを防いでいる。しかし、それも長くは持たないだろう。


「急いで乗り込め!波はすぐ後ろまで迫ってるぞぉ!」


そしてついに結界は破堤(はてい)した。波が押し寄せてくるのは一瞬だった。ノアのすぐ目の前には己を飲み込もうとする水の塊が迫っている。


───終わった、そう思った直後、視界が真っ暗になった。


視界が白くなり始めハッキリしてくると、ノアは光の空間にいることに気づいた。


「ここは………。」


辺りを見回すと自分だけではなく、城の前に集まっていた全員がいた。


「危なかったな。悪いね、ここは私のいる場所からは少し遠くてね。まぁ、全員無事なのだし、許してくれ。」


突然、フードを被った男が現れた。ノアはその人物に見覚えがあった。


「あなたは、アンマの国で会った爺さん!どうしてあなたがここに!?」


「ウトナピシュティムさん、ですね。助けてくださりありがとうございます。まさかあなたが出てくるとは思いもしませんでしたよ。」


「イヴか。役目は果たしたみたいだね。」


「えぇ、でもまさかこんなことになるとは…。あなたの天の方舟が無ければ皆死んでいました。」


「老いぼれにはこれくらいしかできないからね。して、この後どうするんだい?」


誰もそれ以上は何も言えなかった。たが、ノアはたった一つ、己にできるであろう打開策を思いついた。


「イヴさん、天の指輪持ってますか?」


「うん、あるけど力は失われていて動かないよ?」


イヴはポケットから指輪を出しノアに渡した。


「どうするつもりなの?」


「俺の全エネルギーを使って、指輪を稼働させます。ワイアットがしたみたいに。」


「駄目!!!!それだけは、絶対に駄目!」


「イヴさん、ありがとうございます。必死に止めてくれて。でも、もうこれしかない。世界は滅びた。もう俺たちしか残ってない。地上は海で覆われた。もう、これしかないんです。」


───それしかない。それは、全員が分かっていた。だから、ノアの決意の目を見て、誰も何も言えなかった───。


ノアは己の全エネルギーを指輪に集中させた。指輪は黄金に輝き、ノアに願いを聞いてくる。


「蛇がプロトタイプを見つけず、機械を造らなくても良かった世界に、してください。そして───。」


───そして、機械として生きたノアがノア・ハーツとして生きている世界を願った。自分は消えてしまうが、自分の代わりにもう一人の自分が自分の分まで精一杯生きる世界を、最後に望んだ。




2020年。世界は書き換えられ、機械も堕鎮もいない世界が広がっている。


彼女と毎日クレープを食べる少年や川で魚釣りをする3人の少年達や昼夜構わず研究をする少年の姿がある、そういう平和な世界が広がっている。

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