表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/28

天の剣

見渡す限り一面草花が咲き誇り、遠くには川が見える。空は雲一つない快晴で眠気を促す程の暖かさだ。


「ここが、アヴァロン…。」


「そう、私も来るのは初めてだけどね。とりあえず、早くマーリンを探さないと。アヴァロンは広いから見つけるのは大変だよ。」


「そうでもないよ。ほら、見つかったよ?」


突如後方から胡散臭そうな声が聞こえた。四人が振り返るとそこには風変わりな服装をした男が立っていた。


「マーリン!そっちから来てくれるなんて思わなかったよ。」


「やぁイヴ、久しぶり。そろそろ来る頃じゃないかなと思って待ってたんだよ。それで、聞きたいことは突如として現れた黒い浮遊物についてだね?」


「うん。あなたなら知ってると思って来たんだけど、どう?知ってる?」


「あぁ。全てではないけれど、ある程度なら知っているよ。」


四人はマーリンに着いていき、野原の中を歩いていく。


しばらく進むと綺麗な小屋が見え始め、そこに案内された。


「まぁ、狭いけど座ってくれ。」


四人は各々椅子に座り、マーリンは人数分のお茶を入れた。そのお茶は鴇色(ときいろ)でほんのりと甘い香りがする。


お茶を一口飲みマーリンは話し始めた。


「あれはプロトタイプと呼ばれる生命体で、長い間仮死状態で宇宙空間を漂っていたんだ。ある時地球に落下し、その後大爆発を引き起こして地球を破壊した。

そして長い時間をかけて今の地球と月ができた訳だけど、その時にプロトタイプは月の内部で眠りについたんだ。

それをおよそ1万年前に蛇が発見し、利用して自分がこの世界を統べる計画を企てた。

そして蛇はプロトタイプに干渉することに成功するが、蛇の魂は吸収されてしまった。プロトタイプは他生物の魂を養分として活動していたみたいだね。

だが、取り込まれたはずの蛇の魂は寸前に分割し二つになっていた。残った魂はあらゆる手段を用いてプロトタイプの身体を掌握した。

その身体を動かすにはエネルギーが足りず、地球上の生物の魂を奪うことにした。

そして力は充分になり、今、最終目的に向け動き出したという訳だよ。」


「じゃああれが蛇の本体ということですね。ですがあの外殻は硬すぎます。ファムの矢でも無傷のあれは、僕の天の槍でも頑張って擦り傷をつけられるかどうかです。倒す手段はあるのでしょうか?」


「あるよ。このアヴァロンのとある場所に眠っている王ならば、あれを倒すことはできるだろう。でも、目覚めるまでもう少し時間がかかりそうなんだ。それまで時間稼ぎをしてほしい。僕はアーサーが早く覚醒できるよう努力してみるよ。」


「分かった、そっちは任せるよマーリン。私たちはアーサー王が目覚めるまでなんとしてでも時間を稼ぐよ!」


3人は強く頷いた。


そして天の馬に乗り、四人はハイドの国へ移動した。


「おっ、お早いお帰りで。で、どうなったの?」


「ハイド、留守番ありがとうね!とりあえず切り札が準備できるまで時間を稼ぐ!」


「なるほど、分かりました。となると早く手伝ってください。僕の盾でももうそろそろ防ぎきれなくなりそうです。あれ、徐々に力増していってます。」


「分かった。私はファムに伝えてくるから、ノアとアンマはここをお願い。風花よろしく。」


イヴと風花は天の馬に跨りファムの元へ移動した。


プロトタイプには天の弓の矢が降り注いでいる。それに構わず六つの鎌は攻撃を続ける。


「間近で見ると迫力凄いね。じゃあ早速、全開放の天の槍をお見舞いするよ。」


上空にはもう一つ影が増えた。それは富士山を軽く超える非常に大きな黄金に輝く槍だった。


凄まじい力を放つ天の槍の矛先はプロトタイプに向かい、突き刺さる。しかし、その黒い外殻は蝿が止まったかのようにものともしない。


「ファムの矢にアンマの槍、二つの神器で攻撃しても傷がつかないなんて。あの煙さえ無ければ俺も戦えるんだが…。」


「正直、今のあいつにはノアの攻撃も効かないかもしれないよ。攻撃力もだけど防御力も上がってきてる。時間をかけすぎると、その切り札も無意味なってしまうかもしれない。」


「攻撃をしているのが逆効果なのかもしれないな。しかし、それをしなければこの結界もすぐに壊されるだろう。少しでもエネルギーを防御に回させないと、こっちの負けだ。」


「マーリンさんに急いでもらうしかない。」


「ただいま、皆!もう少し耐えて!」


イヴと風花が合流した。風花は力を使いすぎたのかすごく疲弊している。本来ならたどり着けない地球の内側に移動したうえ、あちこちを飛び回るのは力をだいぶ消費するのだろう。


「待って!プロトタイプの内部に高エネルギーの集中反応がある!皆、絶対に防いでっ!!」


「イヴ様!あれを放たれたら盾はもう持ちません!」


「僕の槍とファムの矢で迎撃したとしても威力を1%削れればいいくらいですよ。」


「分かってる。ここにいる全員のエネルギーを天の盾に回しても防ぎきれないと思う。でも、なんとかしないと。今度こそ人類は滅びる。」


五人の覚悟も準備もできないまま、その高エネルギーは放たれた。眩い視界に耐えながら国中の生命が死を覚悟した。


「死んだ………。」そう誰もが思った。いや、思う前に本能が自覚した。


しかし、誰一人として命を落とす者はいなかった。


黄金の(つるぎ)を携え結界の上に立つ蒼い瞳の青年は、黒いそれを睨み静かな殺気を放っていた。

読んでくださりありがとうございます。

ブックマークや評価をしてくださると今後の励みになります!

よろしくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ