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後輩ちゃん  作者: ありす
2/4

寝坊

前話読んでくださった方ありがとうございます!

こちらから来てくださった方もありがとうございます。もしお時間ございましたら前話も読んでくださると嬉しいです!!

この小説は私の「こんな後輩がいたらいいな」という願望や妄想の塊です。

書いて即投稿しているため不定期投稿となってしまいます。申し訳ございません。

それでは本編へどうぞ!!

「あー、やってしまった」


突然だが僕は1限のコミュニケーション・イングリッシュ(ちなみに科目名が長いのでみんなコミュ英と呼んでいる)に遅刻してしまった。ただ遅刻するだけなら大した問題は無いんだが、今日は絶対に遅刻してはいけない日だった。コミュ英は順番に教科書の本文を訳して発表することで各生徒の実力を見ているのだが僕の順番が今日の一番初めだったのだ。大幅に遅刻してしまったため教室に入った時には丁度僕の次の人が発表し終わっていた。あぁぁぁやってしまったぁぁぁぁ。単位を落とすだけならまぁ良いんだがウチの教授は妙に熱血で呼び出しをしてくる。流石に遅刻レベルでは大丈夫だが発表をサボったとなるとかなりマズイのだ。そして例に漏れず今回も呼び出しを受けてしまった、キャンパス内共通掲示板で。そう、全キャンパス生に向けての連絡を主目的とする掲示板に呼び出しの紙を貼られてしまったのだ。それが意味することはつまり


「先輩! 呼び出し! 受けてましたね! 」


こういうことだ。僕が呼び出されたことをあずにも知られてしまうのだ……


「なんでそんなに嬉しそうなんだ? あずちゃんよ」

「だって先輩が呼び出しを受けたんですよ! あの熱血教授に! こんな面白いことをスルーできる私では無いです! 」

「そうかぁ、僕としてはスルーしてくれた方が嬉しいかなぁ」

「で、何で呼び出されたんですか? 居眠りですか? スマホばっかり見てたら怒られました?」

「そのレベルのことなら良かったんだけど……ちょっとはっぴょ「え??発表サボっちゃったんですか!?」

「そうだよ、サボっちゃったんだよ! 」

「それは呼び出されても仕方ないですね、一応聞きますが原因は何ですか? 」

「……ねぼぅ」

「え? 何ですか?? よく聞こえません」

「寝坊だよ、寝坊! 」

「はぁやっぱり寝坊なんですね。前から言ってましたよね? ちゃんと起きられるようにならないとダメです、って」


確かに何回も言われている。そのたびに僕は電車の遅延を言い訳にして誤魔化してきたのだ。僕は4本の電車を使っているので大抵どれかしらが遅延するんだが、まさか今日に限って全く遅延しなかったのだ。駆け込み乗車をする人も、非常停止ボタンが押されることも、お客様トラブルも無く時間通りに運行していたのだから流石に驚きが隠せなかった。


「はい、おっしゃる通りでございます。ただ、一つだけ言いたい!あずは知らないと思うが去年までは1限の開始が30分遅かったんだ。それに慣れてしまっているから急に変えるのはなかなか難しい! 」

「言いたいことはそれだけですか? 確かに私は去年まで8時に高校に着くように頑張っていました。この大学の1限開始が9時なので1時間早いことは認めましょう。ただそれはあくまで私の場合です。先輩の同期の方々はみんな遅刻してるんですか? そんなことないですよね?」

「そんなことないです、遅延してもちゃんとみんな間に合うように来ているようです」

「で、先輩はどうなんですか? 遅刻してるんですよね? 」

「仕方ないじゃないか! お布団が僕を離してくれないんだ! 」

「流石にそれは苦しいですよ……先輩? 」

「眠いものは眠いんだ! 」

「わかりました、私が起こしてあげます!先輩が間に合うようにモーニングコールします! 」

「いや、流石にそれは悪いよ……自分で起きれるようにする」


僕のためにあずの貴重な朝の時間を使わせるわけにはいかない。まぁちゃんと起きられるのかと言われたら起きられる自信はないのだが。オフトゥンの魔力と低血圧のコンボに僕の気力は0です!


「いいえ、絶対します。梓が先輩を起こしてみせます!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ピピピピッピピピピッ


あぁもう朝か……まぁまだ大丈夫。あと5分くらい寝ても変わらない。寝ても起きても変わらないなら寝てる方がいい。よし、あと5分寝


RRRRRR……


ん?こんな朝早くに誰だ。全くマナーのなってない人がいたものだ。


「……はい、もしもし誰ですか」

「あなたを起こすために電話をかけた梓と申します! 」

「あ、あず!? 本当に起こすために電話を!? 」

「はい、約束したので。私は約束を守る子なのです、目は覚めました? 」

「おかげさまでしっかりと目が覚めたよ、ありがとう」

「それじゃあまた後で会いましょう、先輩! 」


ふあぁ〜、目が覚めたとは言ってもやっぱり眠いものは眠い。うーん、今起きてもちょっと早いんだよなぁ。スマホでも弄って身体の方が起きるのを待つか。とりあえず、おはよう、って返して……すうぅ……


ピンポーン ピンポーン ピンポンピンポンピンポーン


「せ〜ん〜ぱ〜い〜、お〜き〜て〜ま〜す〜か〜」


はっ!?ん??なんか今あずの声が聴こえたような、いやまさかね。


「寝てるじゃないですか!! 先輩ちゃんと起きてください!! 」


え?まさかホンモノ!?とりあえず返事してみるか


「ぉきてるぞ〜、ぉきてるからな」

「早くここを開けてください!! 」


ここまで僕を起こしてくれるなんて、何か欲しいものでもあるのかな。


ガチャッ


「あー、やっぱり寝起きですね。ほら、早く顔を洗って来てください」

「うん、洗ってくる」


その後あずに手伝ってもらって久しぶりに遅刻せず1限に出ることができた。


「ありがとうな、あず。おかげで間に合ったよ」


「本当に先輩はダメダメですね! 仕方ないので私が毎日起こしてあげます!! 」


そう仕方なさげに言うあずの顔は言葉と違って嬉しそうであった。


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