14話:これは、最初の物語
そう、これは、最初の物語。
因果に続く物語。
そうね、何から話せばいいかしら。
世界は、いくつもの可能性から数多に分岐していた。って言うのは、まあ、立体交差並行世界論やパラレルワールド、他世界解釈なんて言う事で分かるかしら。
まあ、それこそ、ほんの少しの選択で世界が大い変わることだってありえるわけで。
でも、そんな数多ある世界で共通のことがある。
まずは、人間が生まれるか否かの選択。
そして、人間が生まれた場合、ある人物が処刑されるか否かの選択。
そのある人物の名前はジャンヌ=ダルク。
最初の魔法使い。何て、呼んでいるけれど、彼女は、最初の【始まり】、【白羽】、【調律者】だったの。
世界をつなぐものが生んでしまった異常。【終焉】。
それを阻止するために世界をつなぐものが生んだ【始まり】。
それらは、どの世界でも関わってくる。異常なこと。
そして、【終焉】は【始まり】に止められる。異常を正すことができる。
だったら、正せなかったらどうなるのか。
それが、この狂った世界。
自分が正せなかったから狂ってしまった世界。
そう、そして、フウキも【始まり】。
だから、貴方には、こんな狂った世界にして欲しくない。
ある女性が、或る日ここに来た。これるはずのないここに。
彼女は言った。
「いずれ、誰かを導いて欲しいの。【始まり】を背負った少年を」
少年の名は、篠宮フウキ。私が名づけたの、と彼女は微笑んだ。
「さあ、風と希望の少年」
めるとは、笑う。
「貴方の世界を導きなさい。そして、全て解決した、そのときに、その話を聞かせに来て頂戴」
世界は、再び光り。




