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665―ハーツ―  作者: 桃姫
炎の星――Dazzling flame wraps up the sky and lights up the world――
14/33

14話:これは、最初の物語

 そう、これは、最初の物語。

 因果に続く物語。

 そうね、何から話せばいいかしら。

 世界は、いくつもの可能性から数多に分岐していた。って言うのは、まあ、立体交差並行世界論やパラレルワールド、他世界解釈なんて言う事で分かるかしら。

 まあ、それこそ、ほんの少しの選択で世界が大い変わることだってありえるわけで。

 でも、そんな数多ある世界で共通のことがある。

 まずは、人間が生まれるか否かの選択。

 そして、人間が生まれた場合、ある人物が処刑されるか否かの選択。

 そのある人物の名前はジャンヌ=ダルク。

 最初の魔法使い。何て、呼んでいるけれど、彼女は、最初の【始まり】、【白羽】、【調律者】だったの。


 世界をつなぐものが生んでしまった異常。【終焉】。

 それを阻止するために世界をつなぐものが生んだ【始まり】。


 それらは、どの世界でも関わってくる。異常なこと。


 そして、【終焉】は【始まり】に止められる。異常を正すことができる。

 だったら、正せなかったらどうなるのか。


 それが、この狂った世界。


 自分が正せなかったから狂ってしまった世界。


 そう、そして、フウキも【始まり】。


 だから、貴方には、こんな狂った世界にして欲しくない。


 ある女性が、或る日ここに来た。これるはずのないここに。

 彼女は言った。

「いずれ、誰かを導いて欲しいの。【始まり】を背負った少年を」

 少年の名は、篠宮フウキ。私が名づけたの、と彼女は微笑んだ。

「さあ、風と希望の少年」

 めるとは、笑う。

「貴方の世界を導きなさい。そして、全て解決した、そのときに、その話を聞かせに来て頂戴」

 世界は、再び光り。


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