表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/76

69 エン護

69 エン()


 スケベリーダーあらため、アンザスさんとダニエルさんが、他の冒険者集団ぼうけんしゃしゅうだんから分断され、ゴブリン達にかこまれつつあった。

 ゴブリンはかなり頭が回ると言われているから、おそらくは、他の冒険者達ぼうけんしゃたちより、圧倒的あっとうてきに弱いと見抜かれたのだろう。

 そして、そういった者達を集中的にねらってくる。

 よく雑魚ざこモンスターあつかいされているシーンがラノベでは見られたが、実際にはなかなかに油断のできない魔物であると思う。

 まあ、この知識ちしきもエストグィーナスお姉ちゃんの読んでくれたモンスター図鑑ずかんと、ランスお父さんとクリアお母さんの話の受け売りだけどね。

 それにしてもだ。

 まったく。

 身のたけも考えんと。

 危険きけんっ込みおって。

 まあ、町を守ろうとする心意気は立派りっぱだけどね。

 「とりゃあ!」

 ボクのけ声と共に、ルーが二人の横合いからって入り、二人が相手していたゴブリンの数匹をまとめてなぐり飛ばす。

「うわっ!」

「なんだ!」

 二人は一瞬何が起こったか理解できなかったのだろう。

 その場でほうけたようにかたまっていた。

 が、しばらくして、再起動したらしく。

「変なゴーレムに乗った小僧こぞう!」

 呼称こしょうが長くなった。

 じゃなくて、「変な」をはずせというに。

「おじちゃん達、何やってるの! あぶないでしょ!」

「それはこっちの台詞セリフだ! 何で小僧が、こんなところまで出てきているんだ! 早くラドンツの町の中へ戻れ!」

「そうだ。俺達がおさえておくから、早く!」

 ふーん、やっぱり、根は良い人達みたいだな。

 本気でおこってくれているよ。

 でも、全然抑おさえられていないじゃないか。

 ボクはおそらく、ルーの中にいればまず安全だと思うし。

 なんと言ってもルーは同じガーゴイル、ドラゴイルのガーゴンと格闘かくとうゲームよろしくきたえていたんだから。

 ただ、この二人を守りながら暴れるのはルーの戦い方だと、無理がありそうだし。

 さて、この二人どうするか。

 ランスお父さんが近くにいればいいんだけど。


 キョロキョロ


 う~ん、近くにはいないみたいだ。

 ランスお父さんはかなり強いようだから、最前線に行っているのかもしれないな。

 となるとどうしようか?

 ほかに知り合いもいないし。

 騎士が来るのを待つのは時間がなさそうだし。


 キョロキョロ


 あっ、あの人たちは!

 クロスラの町に入る時に、列でもめてた二人のおじちゃん。

 見立て通り、二人ともなかなかに強いようだ。

 十分余裕(よゆう)があるみたい。

 それにしても何でお互いもめていたのに近い場所で戦っているのかな?

 まあ、このさいだ、こまかいことはこっちへ置いておくとしよう。

 よしっ、あのおじちゃん達に、この二人の面倒めんどうみてもらおう(押し付けちゃおう)

「スケ……おじちゃん達、ボクとルーに付いてきて。みんなと一緒の方が安全だよ」

 アンザスさんとダニエルさんはお互い顔を見合わせている。

 それにしても、あぶないあぶない。

 思わず『スケベリーダー』とコードネームで呼んでしまうところだった、あははっ。

「どうする?」

「どちらにしろ、小僧をほうっておけないだろう。ついていくしかないだろうな」

「そうだな」

 どうやら考えは決まったらしい。

 何でも良いから、付いてきてくれればいいや。

「じゃあ、いくよ!」

「「おう!」」

 ボクたちがいる所から門で合ったおじちゃん達の所まではそれ程離れてはいなかった。

 ただ、途中とちゅうには何匹かの魔物が間にいたけど、比較的弱い魔物のようで、ルーが蹴散けちらしながら進んで言った。

 流石さすがボクのルー!

 強いね。

 そして。

「てりゃあっ!」


 ドーン!


 走っている途中とちゅういきおいよく飛び上がり、二人の間にって入る。

「うおっ!」

「何だ!」

 流石さすがおどろきはしたみたいだけど、アンザスさん達みたいに硬直こうちょくせずに、すぐにこちらにかまえを取ってきた。

新手あらてか!?」

「ちっ、よりによってゴーレムだと、しかも変な形の」

 だ~か~ら、変な形の言うな!

 ルーが傷付きずついたらどうしてくれるんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ