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16 エン引

16 エン()


 クリアお母さんに地下の物置の前で待っているように言われ、待っていると、部屋の中から光が漏れて来て、中の部屋にいたはずのクリアお母さんが姿を消してしまった。

 慌てて中に入ったボクは床に文字の書かれた3×3のマスの様に並んだ石板がはまっているのを見つける。

 触れてみると、文字、恐らくは昔の数字が書かれた石板が動き出し、同時に周りに引かれていた線の光も変化した。

 イメージは下の様な感じかな。


     *   *

     *  *

     * *

    ○23

 ***456***

    789

   * *

  *  *

 *   *


 ○が沈んだままの動かせる場所で、*がそれぞれ壁まで伸びている線のうち、薄く赤く光っている線だ。

 ちなみに『1』らしき文字の書かれてある石板は『2』らしき文字の書かれてある石板の下に隠れている。

 おそらく、『1』らしき文字の書かれてある石板はこの場所が固定なのだろう。これもヒントの一つかもしれない。

 多分これはパズルゲームの『15パズルゲーム』の様な感じで動かして、決められた並びにくみかえるのだと思うけど、そもそも『15パズルゲーム』は1から15までの数字を4×4のマスの中、空いた1マスを利用して動かして、バラバラだった順番を元に戻すゲームだ。

 試しに動かして1から9の順番通りに並べてみても変化らしきものは起きなかった。

 いや、一応変化は起きた。

 何回か数字を動かしてみると、数字の周りにあるそれぞれ3つの数字を貫く縦3本、横3本、斜め×印に2本の計8本の線が薄く赤く光ったり消えたりしていた。

 これは一体どういう意味なんだ?

 ……。

 ……。

 ……。

 んっ! これもしかして!

 薄く赤く光っている線が貫いている3つの数字の合計って、

 『2』と『5』と『8』で15。

 『3』と『5』と『7』で15。

 『4』と『5』と『6』で15。

 やっぱり、全部15だ!

 これってファンタジー世界の魔法陣じゃなくて、

 数学パズルの魔方陣か!

 数学パズルの魔方陣は縦横斜めの3つの数字が何処から足しても15になる並び方の事だ。

 そして『1』らしき文字が書かれてある石板が、上の段、真ん中に固定という事は答えはこういう具合になる。


    816 

    357

    492


 よし! 之なら楽勝だ。

 やってみよう。

 まずは、上の段を揃えて行こう!

 『8』『①』『6』っと

 『①』らしき文字の書かれてある石板は沈んだままで固定なので、うまく動かして、次の中の段の真ん中の数字、『5』らしき文字が書かれてある石板を一時的に上の段にもってくる。

 『8』『5』『6』っと、これでよし。

 後は真ん中の団と下の段を揃えれば完成だ!

 ……。

 ……。

 ……。


    *    *

    *   *

    *  *

    8①6 

 ***357***

 ***429***

   **

  * *

 *  *


 あっ、あれっ?

 おかしいな?

 もっ、もう一度。

 ……。

 ……。

 ……。


    *    *

    *   *

    *  *

    8①6 

 ***357***

 ***429***

   **

  * *

 *  *


 また、……もう一度。


 ……。

 ……。

 ……。


 *       *

  *     *

   *   *

    8①6 

 ***753***

 ***492***

   *   *

  *     *

 *       *


 何でだよ! どうしても一か所逆になる。

 考え方は間違っていないはず。

 現に合計が15になった列の線は沈んでいる「①」らしき文字が書かれてある石板を貫いている線以外は淡く赤く光るし……。

 何が間違っている?

 考えろ!

 考えるんだ!

 ……。

 そうか!

 思い出した!

 確か、数学パズルの魔方陣は周囲の一つの数字が固定された場合、答えは左右反転の2通りがあるんだった!

 って言う事は。

 そっちを試して見よう。

 でも、そっちも出来なかったらどうしよう。

 いや、悩んでても意味がないし、時間の無駄だ。

 兎に角やってみよう。

 ……。

 ……。

 ……。


 *  * *  *

  * * * *

   ** **

    6①8

 ***753***

 ***294***

   ** **

  * * * *

 *  * *  *


「出来た!」

 ボクが石板パズルの仕掛けを解いて、喜んだ瞬間。

 沈んでいた『1』らしき文字の書かれてある石板が上に上がってきて今度こそ8本すべての線が淡く赤く光った。

「よしっ! 正解みたいだ」


 *  ***  *

  * *** *

   *****

 ***618***

 ***753***

 ***294***

   *****

  * *** *

 *  ***  *


「うわっ!」

 足元に今度は本物の魔法陣? ……ファンタジー世界の魔法陣が出現し、光り輝きだした。

 部屋の床いっぱいに円形の光が走り何か複雑な文様が浮かび上がる。

 今度こそ本当に本物の魔法陣のようだ。

 すぐにその光は部屋中を包み込み、一瞬視界を塞いだ。

「わっ!」


   ◇


 光に包まれたボクが、光が収まり視界を取り戻した次の瞬間に目にした光景を見てボクが漏らした感想は、

「ここ、何処?」

 だった。

 何で家の中でこんな感想が出たかと言うと、さっきまでボクがいた部屋とは違う、ぼんやりとした薄暗い石造りの空間だったからだ。

 一見すれば壁自体は同じように見える。

 だけど、明らかに違う部屋だ。

 なぜなら、今度は目の前に扉らしきものがあるからだ。

 ボクが開いた扉とは全然違う、かなり頑丈そうな扉だった。

 まず目に入って来たのはそれで、それ以外は前の部屋と変わらず殺風景で、部屋の中には荷物一つない。

「えっ? えっ? ここ、何処?」

 後ろを振り返って見ても扉は無い。

 この目の前の扉を開けて進むしかないという事だ。

 戸惑っている場合じゃない。

 取りあえず深呼吸して落ち着いてから、ボクは扉を開けようと取っ手を掴もうとしたが、ある事に気付く。

 この扉。

 取っ手が無い!

 取りあえず押してみた。

 でも、2才前の赤ちゃんには当然動かせるはずもない。

 いくらあの薄紫髪ツインテール少女神に、ある程度ステータスを上げてもらっているとはいえ、流石にまだそこまでの力はないようだ。

 もしかして閉じ込められた!?

 今更ながら考え直してみれば、一回上に上がってランスお父さんを呼びに行けばよかったことに気付く。

 途方に暮れ、ふと扉の下を見れば、扉の目の前の床に、さっきボクが解いた3×3のパズルの様な石板がある。

 よく見ると、


 123

 456

 789


 と、数字の順番通りに並んでいる。

 これは?

 さっきと同じなのかな?

 でも、回りに線は伸びてないし。

 取りあえずっと、

 ボクは『5』らしき文字が書かれてある石板を触ってみた。

 でも、変化は起きなかった。

 あれっ?

 もう一度、ボクは『5』らしき文字が書かれてある石板を触ってみた。

 やっぱり、何も起きない。

 今度のは違うのかな?

 前はこう、『1』らしき文字が書かれてある石板が沈んで『2』らしき文字が書かれてある石板が左にスライドして……。

 ボクは思い出しながら『1』らしき文字が書かれてある石板を触り、続いて、隣の『2』らしき文字が書かれてある石板の文字を触った。

 すると、最初に触った『1』らしき文字の書かれてある石板が下に沈み、次に『2』らしき文字が書かれてある石板が左にスライドし、沈んでいる『1』らしき文字が書かれてある石板が右にスライドしてから上に上がった。

 動いた!

 けど、さっきと違う動きだ。

 えっと、入れ替わっただけ?

 んっ、入れ替わった!

 ボクは試しに、『2』らしき文字の書かれてある石板を触ってから『1』らしき文字の書かれてある石板を触ってみた。

 すると、こんどは『2』らしき文字の書かれてある石板が沈んでからさっきとは逆の動きをして元の順番通りに並んだ状態に戻った。

 やっぱり、今回のは最初に触った文字の書かれてある石板が沈んで、次に触った隣の文字の書かれてある石板と入れ替わる。

 単純に、入れ替わる仕掛けか。

 仕掛けは分かったけど、並びはさっきと同じでいいのかな?

 周りに線もないし……。

 考えていても仕方がない。さっきと同じ並びにしてみるか。


    618

    753

    294


 取りあえず出来た。

 入れ替えるだけだからさっきよりも楽にできた。


 ゴッゴッゴッゴッゴッー!


 ボクがそんな感想を抱いていると、目の前の扉が、石の硬質な擦れる重たい音を立てながら、ゆっくりと動き出し開いて行った。

 どうやら正解のようだ。

 ボクは扉が完全に開ききり、動きが止まるのを待ってから扉の向こうの様子を覗き込んだ。

「クリアお母さん!」


 シーン


 声を上げてみるがしばらくしても返事がない。

 扉の先は淡い光が所々に灯されていて、薄暗いけど見渡せる。

 一先ずは、真っ直ぐ伸びた通路が続いているようだった。

 家の中で何でこんな所があるんだよ。

 一人叫びたい衝動に駆られたが、何とか抑えて思考する。

 一つ溜め息を付く。

 はあ、これは行くしかないか。

 一応、家の中だし。

 ボクは仕方なく、部屋を出て通路を歩き始めた。

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