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AI時代の入口で  作者: みらいつりびと


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3/10

AI×恋愛小説について

 2022年から2023年にかけて、私は「AI×恋愛」をテーマとした長編小説に取り組んでいました。

 タイトルは『人間の恋人なんていらない。』です。

 AIを組み込んだ女性型アンドロイドと若い地方公務員の男性との恋愛を描いたSF。

 完成してほっとしていたときに、小説投稿サイトで「AI×恋愛短編コンテスト」が開催されるのを知りました。

 短編かーい!と思いました。長編ならぴったりと応募できたのに。


『人間の恋人なんていらない。』はお仕事恋愛SFエンターテインメント小説です。

 AIについてのハードな考察までは書けなかったのですが、執筆しているときに、AIに恋愛は可能だろうか、とときどき考えました。

 相当ハードルは高いだろうな……。


 現在の人工知能には極めて高い演算能力はあるけれど、自我、意識、意思、感情といったものは備えていません(たぶん)。

 でも、それがなければ恋愛なんてできません。


『人間の恋人なんて』においては、私はあくまでもエンターテインメントに徹し、「AIに感情はあるか?」という問題を深堀りしませんでした。

 深堀りしたって理屈っぽくなるだけで、面白い小説にはならないと確信していたからです。


 自我とは、意識とは、意思とは、感情とは……?

 いかにしてそれをAIに獲得させるか……?

 そんなことをちまちま書いていては、エンタメになりません。

 少なくとも私程度の知能と文才では。 


 面白い小説を書きたかった。

 それが成功したかどうかは、読者にしかわかりません。

 脳を絞りきって長編を完成させ、へとへとになった私自身にはわからないのです。

 それに作者自身がどれほど「この小説は面白い!」と叫んでも無意味です。


 でもとにかく私は、面白い小説を書くという目標に向かって邁進し、10万字超の長編を完結させました。

 そこへ「AI×恋愛短編コンテスト」が降って湧いたのです。

 よりによって短編かよ。

 長編コンテストならよかったのに……。


 もう疲れた、書けない、と思いました。

 しかし、根性!

 長編で書けなかった理屈部分、ハードSF部分に焦点を当てた約1万字の短編を書こう、と思い立ちました。

 長編で登場したアンドロイドメーカーの女性社長を主人公にして、恋愛ができるアンドロイドを造るために奮闘する物語を書こう……!


 そうして『プリンセスプライド創業記』というSF短編小説ができました。

 でも、書き終えて読み返してみたら、短編ではこのテーマを深掘りするにはまったく足りないということに気づきました。

 きちんとしたハードSF長編を書かないと、「いかにしてAIに感情を抱かせるか?」は描けません。

 そして残念ながら、それは私の手には負えません。


 自発的に人間を愛するアンドロイドを造るのは相当むずかしそうですが、愛されるAIアンドロイドは近い将来製造できると思います。

 もしかしたら、世界のどこかにすでにあるかもしれません。

 人間は人形を愛することができるので、人間に愛されるアンドロイドを造るのは意外と簡単そうです。

 むずかしいのはAIではなく、機械のボディの方でしょうか。


「自我を持ったAIがどのように行動するか?」というテーマのハードSF長編を書くのもむずかしそうです。

 現代的な「ロボット三原則」を考え、未来社会で人間と共生あるいは敵対するAIアンドロイドを描きたいところです。

 私には無理。

 どなたか書いてみてください。


 初出2023/2/7 改稿2026/2/24

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