プロローグ
こんにちは。
読んで下さる皆さんありがとうございます。
初投稿です。よろしくお願いします。
「えみり、お前に異世界に行ってもらう。」
「……ええっ」
異世界に行く時ってそんな仕事の出張みたいな感じで行く人を決めるものなの?!
異世界転生や異世界転移の主人公って亡くなっているイメージがあるから死が必須と思ってるわたしですけど、わたしは元気でピンピンで生きてますよーーー。
☆☆☆☆
小さい時の頃を思い出す。
あの時は、体が弱かったお母さんのお見舞いに行って、本を読んでもらっていたっけ。
「おかあさーん、げんきー?
きょうはこの本、もってきたよー。よんでー!」
「えみりがいつも来てくれるから元気よ。
いいわよ。あら、今日の本は絵本じゃないのね。さて、今日はどんな世界に入れるのかしら。」
「えみりは、じゅんび、かんりょーだよ。おかあさん、はやくよんでー。」
「えみりは、本が大好きなのね。わかったわ。」
そう言って、お母さんは本を読み始めた。
「この国は、女神、そして、女神と恋に落ちた者が王として君臨した国である。
そして、女神の恩恵として魔法という概念がある。
もし、国が混乱に陥っても、女神の子孫である光魔法を使えるものがこの国を救うだろう。」
「おかあさん、どういうこと?」
「この本の世界は女神様と王様が結婚したから、魔法が使えるようになったんだって。」
「魔法、いいなー。」
小さい頃のわたしは、家の書斎から見つけた、それなりに文量があるこの本を、お母さんに数日かけて読んでもらっていた。
「おかあさーん、きょうはここからだよー。」
「主人公アリスの戦闘シーンね。怖い所はお母さんがちょっと変えて読みましょうね。じゃあ、始めましょう。」
「アリスは旅に出て、2人の男性で、心強い仲間ができた。
そして、彼らと初めて魔物討伐をした。
初めての魔物は強い魔物のランク順をS,A,B,Cで分けると、AとBの間くらいだと思う。
でも、初めてだったこともあり、かなり苦戦した。
その魔物は、黒く巨大な蛇の形で弱点を探すことに手間取った。
仲間のうちの1人は剣術と魔法を組み合わせた戦い中心で、もう1人は魔法を様々に理論的に考え、組み合わせたさらに発展させたものである魔術を使って戦っていた。
私は、光魔法で弱点探しや攻撃、そして怪我をした仲間を治す事が役割。
そして、何とか三人で協力して、魔物を倒した。よかった。」
「おかあさん、むずかしいーー。まとめてー。」
「やっぱり、難しいわよね。
アリスは強い敵を、仲間と協力してやっつけたんだって。アリスは光の魔法で仲間の治療までできるんだって。すごいわね。」
「うん。アリスすごーい。かっこいー。
えみりも光魔法でおかあさんを治したいなー。」
「えみり、ありがとうね。」
そんなこんなで、この話を読み進めていくと、順調そうな冒険生活から一変して魔王がアリスの恋人という驚くべき事実があり、そこからはハッピーエンドとは程遠い悲しいことばかりが書かれていた。
「おかあさん、いつアリスは幸せになるのかな。」
「きっとそろそろよ。アリスは絶対に幸せになれる子だから。」
そうお母さんと話していたが、この物語がハッピーエンドを迎えることはなかった。
☆☆☆☆
ーーーーそして今。
なんと、わたしはこの本の世界の中にいて、頭が3つある巨大蛇の魔物が現れた。きっと、お母さんがわたしに想像させないようにその描写を消しただけで、アリスと同じ魔物だと思う。
「「「「エミリ好きだ」」」」
ここの世界に来て知ったのだけど、この言葉は、戦い前の誓いとか、気合入れのようなものらしい。
みんなで頑張れるなら。と思って、そっとしている。
そうして、いつもわたし達の戦いは始まる。
「オレが、相手の1つの首を切ろう。」
「ああ。俺も火の魔法を剣に纏わせて別の1つの首を切ろう。」
「では、私は魔術を使って相手の動きを封じながら、仲間に防御の魔術を展開しておきます。」
「「「もちろん、最後はエミリで。」」」
「うん!まかせて!」
「フレー、フレー、エミリお姉様。
頑張れ、頑張れ、エミリお姉様。
世界で1番美しくてかっこいいエミリお姉様。」
「いつもありがとう。ルーシー。
でも、みんなの応援歌も作ってみたら?」
「いいえ、ルーシーは、エミリお姉様一筋ですもの。」
「俺もだよー」
「オレもに決まってンだろッ」
「私もです。」
そして、交換日記には
えみり、今日も気をつけろ。
と書いてある。
わたしはこうして仲間想いな人たちに囲まれて、魔物と戦っている。
わたし達の目的に向かっての旅はまだまだこれからだ。
読んでくださった皆さんありがとうございます。
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