この世界は、地下迷宮が存在する
クエストの場所であるフローライト地下迷宮は王都から馬車で2日足らずの場所にある。無論、我々の足なら最速で2刻ほどで到着できるが、今回は特訓も兼ねているため、我々は半分徒歩のゆっくりとしたペースで進んでいる。
「ネルフィナちゃん、前見ながら歩かないと危ないですよ」
「もうちょっと!もうちょっとで8個目が出せそうなんです!」
ネルフィナは昨日から熱心に魔法の練習している。空を飛ぶ魔法はコツを掴めていないのか諦め気味だが、この練習は気に入ったのか先程からずっと炎を指から出している。ちなみにネルフィナは目的地に到着するまでに、枝に頭をぶつけること2回、木の根にひかかって転びそうになること1回をこの後に経験することになる。歩き魔法は危ない。
「フィリンさん、周辺の状況はどうですか」
「うーーーん。周囲には何もいないわね、安全よ」
フィリンは出発してからずっと空を飛んでいる。風の魔法が得意な人は、ほとんどの場合で空を飛ぶのが好きという傾向がある。これは魔法の得手不得手がその人の性格に密接に絡むためである。
「フィリンさん、もしかして、もう歩くの面倒とか思っていません?」
「そうねー…。そうかも?」
「空飛んでいる方が楽じゃない?」
実際、空を飛ぶ魔法は楽ではない。普段、我々は意識せずに筋肉を動かしてバランスを取っているが、空を飛んでいる間は風の魔法を巧みに利用してバランスを取る必要がある。俺からすると極めて面倒くさい魔法である。
「結構緻密に魔法を使わないといけないので、俺は楽じゃないと思ってますね」
「それを楽と思うフィリンさんが凄いです」
「ユーさんは魔法は何でも極めていると思ったけど、そうじゃないのね」
「魔法にも得手不得手があるんですよ」
「俺の得意分野は生物魔法なんで!表向きは」
「裏向きは?」
「空間魔法ですね」
「そういえば、空間魔法って何なの?」
「この前の時空がどうとか喋ってたけどどういうこと?」
「うーーん。説明が難しいんですよね空間魔法って」
「なんかこう、この世界は時空というものの中にあって、この時空の中であれば、どこでも発動できるのが空間魔法なんですが、何言ってるかさっぱりですよね?」
「びっくりするくらいさっぱりだわ」
「奇遇ですね。俺もさっぱりです」
「唯一わかっていることは、時空には波があって、それが声と同じ性質ということです」
「この波に魔力を載せることで俺は詠唱魔法を使わなくとも、遠隔で魔法を発動することができます」
「こんな風に」
前方の草むらに潜んでいた盗賊が突如として我々の前に現れた。盗賊は突然服が燃やされたようで、勢いよく現れたと思ったら、必死に服を脱ぎ消火している。
「詠唱魔法より便利ね、ほとんど不意打ちじゃない」
「魔力の感知は可能なので、あまり変わらないですよ」
「本当はみんなにも覚えてもらいたいのですが、正直なところ教え方もわからないんですよね空間魔法って」
「おいおい、ずいぶんご丁寧に無視してくれるじゃねえか」
「俺は無視されるのが大嫌いなんだ」
「金目のものだけじゃ済まさねえ、兄ちゃんは殺すが、嬢ちゃん達は…、そうだな奴隷商に売り飛ばすか」
「なんかあの人、めっちゃ怒ってません?」
「ユーさんが服燃やしちゃうから」
ネルフィナが静かに前に出る。
「ユーさん、あの人は私にやらせてください」
「別に問題ありませんが、殺さないように峰打ちとかにしてくださいね」
「わかりました、善処します」
そういうとネルフィナは居合の構えを行わず、自然体で盗賊の前にたった。
「おっと、嬢ちゃん1人かい」
「舐められてるねぇ」
盗賊は懐に隠していたナイフを取り出す。
「隠しナイフ…、毒か」
「気いつけなよ嬢ちゃん、刃に触れた瞬間に身体の自由を奪う猛毒だぜ」
「覚悟しな!!」
盗賊はナイフを構え、一瞬で間を詰める。お粗末な身体強化魔法だ。一般的な盗賊よりは魔法の心得があるようだが、今のネルフィナにはその程度では…。何故か俺は盗賊に同情していた。
盗賊はネルフィナの腹を狙ってナイフを突き出す。奴隷にする宣言をしていたのだ。傷はできるだけ避けるという戦い方だ。おそらくこのようにして何度も襲っていたのだろう。手際が良い。
問題は、ネルフィナには一切届いていないということだ。ネルフィナは紙一重で避けているように見えて、余裕で躱している。
「ちょこまかと…」
そう発言した瞬間、髪の毛がすべて刈られ、両手両足があらぬ方向に曲がり、頭部に打撃痕が発生し、力なくその場で倒れた。
「今度からネルフィナの前で奴隷商に売るなんて、言わないことですね」
「こ、これはちょっとやりすぎかもしれませんね…」
「そんなことはありません。ネルフィナは優しいので手加減しました」
ネルフィナの居合によって一瞬で勝負はついた。オニに金棒という言葉があるが、太刀を持ったネルフィナはまさにその言葉通りに強い。おそらくこの盗賊は数週間まともに動くこともできないだろう。というか、無事に目を覚ますのだろうか?同情の余地は無いが。
「まあ、3人とも一昨日教えたことちゃんとできてたのでよしとしましょう」
「ネルフィナちゃんの動きは覚醒魔法でやっと認識できるのってすごいですね」
「俺もそう思います。一瞬で勝負がつくってかっこいいですね」
ネルフィナのメンタルケアも忘れない。奴隷の一件があったネルフィナにとって、このような野蛮な連中は許せなかったのだろう。わからなくもない。
「盗賊はこのままにして、我々は進みましょう」
「盗賊は単独では行動しません。すぐに別の盗賊がここに駆けつける手筈のはずです」
「その人達が…、まあ、優しければ救護してくれるでしょう」
我々は身体強化魔法でこの場から離れた。
王都の周辺地域は先大戦の影響で跡地が多く存在する。跡地は隠れ家にするのに最適な場所になっており、それゆえに盗賊が多く存在する。女性比率が多い我々は盗賊からすると格好の餌食のように見えているようだ。すでに4回は襲われた。
「王都の周りって治安悪いですね?」
「まあ、3人も麗しい女性がいますからね」
「うち1人は血気盛んな麗しい女性ですが…」
襲われるたびに奴隷商に売ろうとする盗賊をネルフィナは完膚なきまでにボコボコにしていた。
この件は、盗賊の間で物騒な辻斬りとして有名になるのだが、それはもう少し先の話である。
「ダンジョンが見えてきましたね」
「え?どこどこ」
フィリンが高度を上げてあたりを見渡す。
「ユーさんどこー?」
「フィリンさん、我々がこれから行くところは地下迷宮ですよ!」
「空からでは視認できません」
「だって、今見えたって!」
「見えたのはダンジョンの目印です!今見えているのはフィリンさんのパンツですね」
「ちょ!?ちょっと見ないでよ!!!」
「フィリンさんの方向に目印があるんです!!」
「まったく…黒、見せつけてきたのかと思いました」
俺はフィリンから謎の暴力を受けた。理不尽である。ほっぺが痛い。
「あそこにボロボロになった監視塔がありますね」
「その根本に入口があるようです」
フローライト地下迷宮は最近見つかったダンジョンである。元々は先大戦における魔族軍の小さな前線基地跡地として認識された廃墟であった。冒険者がたまたま細部まで探索していたところ、地下に巨大な迷宮があることがつい最近判明したのだ。地下迷宮もすでに放棄されており廃墟と化しているが、そこに悪魔が住み着いている結果、危険度が上がってしまったためダンジョンとして扱われている。
この経緯から、フローライト地下迷宮は財宝等の金品の期待が一切できない、名誉だけのダンジョンとして、今もひっそりと攻略が続けられているダンジョンとなっている。
「ダンジョンって初めてだからワクワクしてきたわ」
「気をつけてくださいね。まだ生きているトラップとか普通にありますから」
「ダンジョンってさ、最深部には宝石とか財宝がたくさんあるのよね!」
「私、何かを探したりするの好きなのよね!」
フィリンが目を輝かせながら質問してくる。
「ダンジョンが攻略扱いになっていないので、おそらくは!(ないですね)」
我々は地下迷宮の入口と思われるところにたどり着いた。しかし、地下に降りる階段が存在していない。それらしき扉もなければ装置もない。俺は周辺を見渡したが、それらしいものは何もない。地面を除いて。
「これは…厄介そうですね」
ところどころ線が消えかかっているが、おそらくまだ動作する。
「魔法陣ですね」
「…?魔法陣とはなんでしょう?」
「そこの地面に書いてある怪しい模様ですね」
~魔法陣~
古くから魔力をある地点に留める方法はわかっていた。留めるために必要な材料は術者の血だ。血には魔力が宿っており、身体から離れてもある程度魔力を保持する性質がある。これをスライムの体液と混ぜることで、長時間魔力を保持できるようになる。その混合液を用いて描かれた模様が魔法陣だ。
正式名称、魔力法則変換陣。賢者の石が作られるよりも前の時代で使われていた、遠隔で魔法を発動するための特殊な模様である。この模様を書いた術者は、この魔法陣の中央に任意のタイミングで魔法を発動することができる。魔法陣はあらかじめ描いておく必要があり使い勝手が悪い。賢者の石が作られて以降、ほとんど使われなくなった技術である。
「でも、魔法を発動する気配がありませんね」
「魔法陣は有限なので、そう簡単に魔法は発動できないんですよ」
「この規模なら多く見積もっても3回程度が限度です、もしかしたらもう発動できないかもしれません」
「ですが、厄介なこととは魔法を発動してこないことではありません」
「我々以外に誰かが居るということです」
「おそらく我々を監視していますね」
「近い距離なら俺の空間魔法で検知できますが、今は誰もいません」
「フィリンさん、ネルフィナさん、周囲に何か不審なものはありましたか?」
「こっちは何もないかもー」
「ネルフィナは見つけかもしれません」
ネルフィナが見つけたのは綺麗な本棚だ。
「あたりは風化してボロボロになっているのに、この本棚だけ綺麗に形を維持しています」
「どれどれ」
俺は本棚の本を叩いてみる。コンコンと甲高い金属音がする。
「あたりですねネルフィナさん」
「周囲の経年劣化までは考えていなかったようですね」
本棚は鉄製の扉になっており、俺はゆっくりと本棚を引いた。本棚の後ろには地下へと続く階段に繋がっていた。階段にはダンジョン苔が生えており、薄っすらと光を放っている。
「真っ暗と思ってましたが、中は光ってて綺麗なんですね」
「この光ってるのはダンジョン苔と言って、生物の血を栄養として成長する植物です」
「これが入口にあるということは、中に入った人は怪我をしてここに戻ってきているということです」
「さあ、気を引き締めていきますよ」
我々はゆっくりと階段を下った。階段は螺旋状になっており、入口からまっすぐ下に降りるようになっている。ある程度降りるとダンジョン苔が少なくなり、暗黒が広がる。階段を最後まで降りると大きな広間にたどり着いた。
「みなさん灯りは必要ですか?」
「ネルフィナは夜目が効くのでこのままでもはっきり見えてます」
「私たちはまだ見えてないけど、慣れたら見えるようになるわ」
「わかりました。灯りは不要そうですね」
「目が慣れるまで少しここで待機しましょう」
広間は簡易的なベッドや椅子があたりに無造作に置かれている。おそらく先大戦時に魔族がここで治療をしていたのだろう。壁にはランタンが設置してあるが燃料はあたりまえのように空だ。薬が入っていたと思われる棚も空になっおり、長い間使われていないことがわかる。
地面には無数の足跡がある。いくつかは新しい。外にある魔法陣を描いた者の足跡と思われる。野生動物の足跡もいくつかある。おそらく抜け道から入ってきたのだろう。前哨基地であるなら、いくつか抜け道があっても不思議ではない。
「そろそろ進みましょうか」
3人は静かに頷いた。
広場の奥は迷宮の名の通り通路が複雑に分岐している。単純な左右に分かれる通路もあれば、いくつかに枝分かれする通路もある。迷ったら最後、元の入口に戻るのは至難の業であろう。
「みなさん、絶対に迷子にならないでくださいね」
「もし、迷子になったら、天井を破壊して迷宮から脱出してください」
「え、壊しちゃっていいの?」
「死ぬよりはましです」
我々はゆっくりと通路を進む。奥に進むほど、通路の分岐がなくなり、最終的には一本道となった。
「ユーさん、迷いなく進んでますが、道わかっているのでしょうか?」
「いえ、全然」
「ですが…、我々を導くように置かれた石があったので、それを目印に進んでました」
「石?ですか?」
「通路が分岐すると、何れかの通路に必ず石が1個だけ置かれていました」
「迷わないようにするための道しるべと思って進んできましたが、正解だったようですね」
一本道となった通路はとても広く、装飾もある。左右には甲冑が飾られている。石像も多数飾られており、この先に重要な部屋があることを示唆している。天井からは水が滴っており、通路を濡らしている。地下水にしては粘度が高い。
「敵です!注意してください!」
天井から無数の水弾が降り注ぐ。こちらの力量を伺うための簡易的な攻撃だ。
「ガーゴイルとは迂闊でした」
天井にある石像が動き出した。動くと同時に生物としての見た目に戻っていく。
ガーゴイルは水の精霊だ。自身の身体の水分量を調整し、石像に擬態する能力がある。石像のときは魔法によるサーチが一切役に立たない。魔法使いが最も奇襲される悪魔だ。
主な生息地域は山で、集団で行動する。本来は水を浄化してくれる自然に優しい生物だが、悪魔化すると優しい生物の面影は一切なくなり、非常に好戦的になる。一説によると、水の浄化は身体にストレスがたまる行動であり、悪魔化するとそのストレスのはけ口として凶暴性が増すと言われている。
「全部で4体ですね」
「みなさん各個撃破でいきますよ!」
「各々近くのやつを倒してください」
2体のガーゴイルが鋭い爪でフィーネに襲いかかる。
「止まって!」
2体のガーゴイルが一瞬動きを止める。そのうち1体をフィリンが空中から蹴りを入れる。
「あなたの相手は私よ」
「もう1体はお願いねフィーネ」
「姉さんも気をつけて」
フィリンはロングソードで斬りかかる。ガーゴイルは瞬時に石化し斬撃を防ぐ。
「ちっ!さすがに石は切れないわね」
攻撃を防ぐとほぼ同時に、ガーゴイルは口から水弾を発射した。フィリンはとっさに避けるが、ガーゴイルが発射する2発目の水弾に命中してしまった。
「くっ…、反射的に風魔法で霧散させたけど、遅かったわね、結構痛いじゃない…」
フィリンは剣を構え直すと、ガーゴイルと距離を取った。ガーゴイルはこちらに詰めてこない。
「悪魔のくせにずいぶん慎重ね」
「来ないならこっちから行くわ!」
フィリンは一気に距離を詰めてロングソードで斬りかかる。ガーゴイルはそれに反応するように斬られる部位を石化させて防ぐ。フィリンはフェイントを挟めながら斬りかかるが、すんでのところで石化されてしまい、傷を付けるまでに至らない。
「うーん…ダメね」
「村の周辺にいた悪魔とは別物ってくらい強いわね」
「本当はネルフィナみたいに剣でかっこよくいきたかったけど…」
「諦めるわ」
ガーゴイルは一瞬動きが止まる。フィリンは戦闘スタイルを剣主体の動きから魔法主体の動きへと切り替えた。
「吹き飛べ」
ガーゴイルが壁に叩きつけられ、風圧で身動きが取れない。フィリンはロングソードを投げつける。
「加速」
投げられたロングソードがまるで弾丸のような速度でガーゴイルの翼に突き刺さる。あまりの速さに石化が追いつかなかったようだ。ガーゴイルは苦痛で雄叫びを上げる。
「ギエギエうるさいわね!」
空中から加速したフィリンの蹴りがガーゴイルの頭頂部に命中する。ガーゴイルは軽い脳震盪を起こし、受け身を取ることなく地面に叩きつけられ、意識を失った。
「やっと静かになったわ」
「フィーネ手伝おうかー?」
「いえ、大丈夫ですー」
フィーネはいつも通りの佇まいでガーゴイルの目の前に立っている。対峙するガーゴイルはすでに息があがっている。ガーゴイルはフィーネに向かって水弾を放つが、フィーネはそれをすべて素手で払いのける。
「最初怖いと思ってましたが、よく見ると、結構かわいい顔してますねガーゴイルって」
「私としてはかわいい生物は倒したくないのですが…」
ガーゴイルは何かを察したのかフィーネから距離をとる。
「なんか、そのガーゴイルずいぶんフィーネを怖がってないかしら?」
「そんなことありませんよ」
「私はかわいがっていただけですよ」
「ねぇ」
微笑みと同時にガーゴイルに視線を向ける。完全に狩るものと刈られるものが逆転している。ガーゴイルは恐怖ゆえか無意味な水弾を乱射するが、すべてあしらわれてしまう。
戦闘において相手の心を挫く方法をフィーネは本能的に知っているのかもしれない。フィーネは相手の攻撃をすべて無効化している。一歩も動かず。
「攻撃をやめてもらえるなら、それに越したことはないんですが」
「話し合いできる相手ではありませんよね」
ガーゴイルはフィーネに向かって鋭い爪で突進攻撃をしかける。
「うーん、ダメそうですね」
ガーゴイルは一瞬身体の自由が奪われ、転ぶように突進が止められてしまう。
「しょうがないのでちょっと眠ててもらいましょうか」
ガーゴイルは声を聞くと同時にフィーネから距離を取る。フィーネの声を聞くと身体の自由を奪われると思っているからだ。ガーゴイルはフィーネの様子を伺っている。
「残念ですが、勝負ありです」
頭上にあったシャンデリアが一気に加速してガーゴイルに直撃した。シャンデリアは相当の質量であり、ガーゴイルは一切の身動きをしなくなった。
「ユーさんが言ってた通り、重いものって魔法だと簡単に動かせないんですね」
「最終的に諦めて留め具を詠唱魔法で溶かしちゃいました」
戦闘経験という観点からするとフィリンが圧倒的に上だ。だが、戦闘センスという観点からするとフィーネのほうがおそらく高い。フィーネは終始、悪の女幹部のような戦い方をしていた。怒らせると怖いタイプだ。
「2人とも見事ですね!」
「もうちょっと苦戦するかと思いましたが、とても手際がよかったです」
「もしかして待たせちゃったかしら?」
「いや、そんなことはありませんよ」
そういう俺達の背後にはガーゴイルだった何かの塊と、首のなくなったガーゴイルの身体だけが立っている。
「ネルフィナちゃん、強すぎませんでしょうか」
「いえ、太刀と魔法のおかげです」
「どっちも無かったネルフィナは弱いですが、今はどっちもあるので強いのです」
この3人の中ではネルフィナが最も強い。自分自身では強いと言いつつも謙遜するところでは謙遜している。慢心といった心の乱れもなさそうだ。これは未来が楽しみな逸材である。
「焚き火でもして、少しリラックスでもしますか」
「賛成ー」
我々は戦闘の余韻を消すために、一時の休息を楽しんだ。




