【結論】「今作のおさらい」
「イザベルと」
「パスカルの」
「「フリートークショー!」」
「ということで」
「いやいや、シレッと始めようとするなよ。なんなんだ、この茶番?」
「仕方ないわよ。今回はテオが脇役で、私たちの出る幕が無かったんだもの」
「だから、最後の蛇足説明に駆り出されたのかよ。完全に、作者のシナリオミスじゃないか。何、メタなことをさせるんだよ。エマの出番を増やせ、コラ。エマに一番近かったのは、この俺だぞ!」
「ちょいと、品の無いことをしないでちょうだい。私だって、テオに一番近かったのに。あの、泥棒猫め。――あら、メモが回ってきたわ」
「なになに。……今作で新たに登場したキャラクターの紹介をしてください、か」
「前作からの登場人物は【序説】に載ってるものね。良いわ。ひとりずつ紹介していきましょう」
「といっても、名前が明らかになったのは、二人しかいないけどな。まずは、このキャラクター」
⑩ネイサン(Nathan)
二十四歳。オレンジシティーでブティックを営んでいる。身体は男性、心は女性のオネエであり、恋愛対象は女性。
基本的には、店内に飾ってる商品に勝るとも劣らない奇抜な服装をしているが、フォーマルスーツも持っている。
オレンジシティー一区に実家があり、両親には自分がオネエであることをカミングアウトしていない。
「なかなか複雑なキャラクターね。読者様が感情移入しにくいんじゃなくて?」
「それは、書きながら作者も懸念してたところらしい。だけど、ドミニクに劣らない個性を出そうとした結果、こういう設定に落ち着いたんだとか」
「災難なキャラクターね。ドミニクだって、私のテオのルームメイトとして性格がかぶらないように、あんな奇抜な設定が作られてしまったというのに。――もう一人は、このキャラクターよ」
⑪ヴェロニク(Véronique)
十五歳。リーフグリーンの髪と小麦色のキツネ耳をした獣人。自由意思で消すこともできる尻尾も持っている。
ドミニクと双子の弟の幼馴染だが、そのことをドミニクは腐れ縁だとでも思っている様子。もちろん、ドミニクが女の子であることは知っている。
「まっ。ぶっちゃけ、ドミニクが女の子であると暴露させるためだけに、使い捨て感覚で作られたキャラクターだな」
「身も蓋も無いことを言わないで。その通りだから、作者が泣いちゃうわ」
「メンタルの弱い作者だな。もっと作品に自信を持てよ!」
「どこぞのテニスプレイヤーみたいに熱くならないでちょうだい。ただでさえ、むさくるしいのに」
「よせよ。ますます出番が無くなるじゃないか」
「次作の予定は、まだ白紙なんだけどね。――それでは、みなさま。いつか、また、どこかでお会いしましょう。ごきげんよう」
「さらばだ!」