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エガオ爽やか実験室  作者: 豊洲 太郎
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 4 理系女子

製品開発にはスーパーコンピューター「京の子孫たち」を利用して社員のストレスを解析していた。この世界はちぐはぐで、どこかピントがずれていると感じていた。

 「あ,シニアカウンセラー.」

 イジメ専門家チームの管理者に呼び止められた。白衣にデカメガネの彼女はオトコ言葉を操り、文章の句読点には半角カンマとピリオドしか使わないというタイプの理系女子だ。

 「どうしました?」

 「ちょっと,いいかな.」

 二人は運河が見おろせるミーティングルームに移動した。

 水面に監視艇が緩やかな円を描いていた。防潮水門には「止めるぞ、高潮。守るぞ、インフラ。」と書かれていた。インフラがそんなに大事かよ…この世界、どこかピントがずれている。

 「エム氏のことだが… 」

 「はあ、あなたがいつも目の敵にしているそうで?」

 「ふん,アイツ,何か違う.」

 「といいますと?」

 「ストレス・マキシマイザーの照射に『エガオ爽やか』って反応はアリか?」

 「ナイナイ、古典的な表現なら『カミレベル』でしょう。」

 「チームはアイツのミスで徹夜続き,もう『しっちゃかめっちゃか』だよ.」

 「ワーォ! まいりました。私よりもはるかに古典的な表現ですね。」

 「もう,ぶちキレまくり,会議で3時間もカミついたのに,エガオ爽やか.」

 これではイジメ専門家チームも早晩解散だろう。

 ついにサラリーマンのカミ降臨か? サラリーマンのカミ? いいね!

 「そして私がぶちキレタあとに,もっと最悪なミスを三つ以上,自白した.」

 「えーっ、いくつだったのですか?」

 「覚えてない.もうアイツにカミつく気力も無い… .」

 こんな時、カウンセラーは栄養ドリンクを手渡すものだ。

 「大丈夫、あなたは少しイジメに疲れただけです。」

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