~記憶を対価に癒やす追放聖女ですが、時間が巻き戻った冷酷公爵様がなぜか異常なまでの溺愛で迫ってきて困惑しています~
「私の事は、どうかお忘れくださいませ、閣下」
青い花びらが舞い降る中、聖女エリーゼは力なく微笑んだ
冷酷公爵と恐れられる氷の美男子レオンハルトの腕の中で
彼女の瞳から光が失われていゆく
エリーゼの固有魔法「ワスレナグサ」。それは自らの大切
な記憶を対価に変換し、対象のあらゆる呪いや病を完全に
癒やす禁断の力
「やめろ!何故だ、お前は私に虐げられていたはずだろう!
何故私を庇って!?」
「だって私は、あなたをお慕いしておりましたから...」
それがエリーゼの最後の言葉になったレオンハルトの身体
を蝕んでいた魔王の呪いは完全に消え去り対価として、
エリーゼの中からレオンハルトを愛していた記憶の全てが
消滅した
ただの空っぽの人形になってしまった彼女を見てレオンハ
ルトは絶望の底へ叩き落されていた。失って初めて己の愚
かさと彼女への愛に気が付いたのだ
ああ、もしも、もしも時間が巻き戻るなら私の命に代えて
も彼女を幸せにするのに...その強烈な後悔が奇跡を起こし
たのか。レオンハルトの司会は真っ白な閃光に包まれ..........
「....はっ!?」
レオンハルトが目を覚ますとそこは、3年前の公爵家の執
務室だった。目の前には政略結婚で嫁いできたばかりのオ
ドオドした様子で俯くエリーゼの姿
....戻ってきたのか?エリーゼが記憶をい失う前の時間に!?
「あの、閣下。私の様な役立たずが嫁いできて大変申しわ..」
「エリーゼェェェェーーー!!!」
「ええっ!!ひゃっ??」
冷酷無比と恐れられていたはずのレオンハルトは、執務机を
飛び越え全力でエリーゼを抱きしめた
「か・・閣下!?く..苦しいんですけど・・・」
「ああ、すまない!だが離せない!もう二度とお前を離さな
いぞ!私の愛おしい妖精!」
「よ・・妖精!?」
前世の記憶を持ったままループしたレオンハルトのステータ
スは、呪いが消えたことで限界突破していた
「君に、魔法など使わせない。魔物も領地のトラブルも私を
陥れようとする貴族共も全て私が3秒で物理的殲滅してくる
から!君は、ここで美味しいお菓子でも食べて待っててくれ!
「え・・でも私、聖女としてのお仕事が・・」
「君の仕事は、私の世界一の愛を受け取ることだけだ!!」
かつて自分を冷遇したはずの氷の公爵が、なぜか今や大型犬
の様にしっぽを振って求愛してくる
戸惑うエリーゼをよそにレオンハルトの異常なまでの過保護
と溺愛に満ちた第二の人生が今、幕を開けようとしていた。




