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fragment (エルフに転生した魔物使いの苦労)

 唐突だが。俺は転生者である。前世では学生、高校生でちょっとした事故で死んだらしい。気が付けばこの世界に転生していた。

 まあ、転生したのはいい。死んでしまったことは仕方がないことであるし、この世界に生まれたことも生まれた今となっては覆しようもない。もう一度死ぬのも怖いし今度死んだらまた生まれ変わって、なんてことにならない可能性もあるだろう。なので今を生きるのを精一杯頑張るつもりだ。

 さて、そんな俺の人生だが、今の俺は人間ではない。人間ではないと言っても虫であるとか、動物であるとか、そういうわけじゃない。俺が転生したのは異世界、つまりは異世界転生だったわけだがその異世界はとても異世界だった。いや、異世界というかファンタジーな世界だった。つまり、魔物もいるし亜人、獣人とかドワーフとかそういうのもいる。もちろん魔族も。俺の生まれた種族はエルフだった。

 エルフは一般的に閉鎖的な社会観をイメージするかもしれないが、この世界のエルフもそうだ。森の中結界を貼り、自分たちエルフ以外の存在を寄せ付けず過ごしている。そんなエルフ社会に俺は生まれた。元々人間だったせいか、エルフの価値観はちょっと当初馴染めない者も多い。まあ、森に暮らす種族だから例えば食事に虫が入るとか、当然ながら便所に関しても口にするのも憚られるような酷さ、そしてこの世界は過酷な世界であるためか子供も働かなければいけないし、命の危険も少なくない。まあ、エルフという種族だから高い魔法の才があるらしい。

 そしてこの世界ではそういった個人の資質による能力とは別に、天賦の才ともいえる神の恩恵、神の寵愛と呼ばれる特殊なスキルがあるらしい。魔法に関する才もその中にはあるらしく、エルフの場合は森に関する才であれば尊敬されエルフの仲間の中でも上位の立場につけるらしい。


「次はクロフィズの番だ」

「はい!」


 今日はその天賦の才を知らせる儀式の日だ。友人たちも儀式で自分の才を知り、一喜一憂。まあ、その中で特に素晴らしい才や酷い才とかはなかったからよかった。もし変な才を手に入れると仲間外れにされる場合もあるらしい。もっともまだ俺の才はわかってないし、後に控える友人もいる。この世界ではエルフは別に長寿というわけではないらしく、俺の良く知るエルフ像とは違い数が多い。ただ、その魔法の才からか長生きしようと思えばできるらしい。森暮らしの過酷さで長生きしにくいだけで。


「クロフィズ。お前の才を見せよ」


 魔法陣が光る。よくわからないがこれだけで持っている才能、特殊なスキルを知ることができるらしい。そして現れたスキルは……



『"魔物使い"」


「っ!?」

「えっ」


 儀式を行っていた人の表情が変わる。その表情の変化に俺は不安になる。


「……クロフィズ、お前の才はわかった。もういいぞ」

「え? でも」

「次の者の才を見る必要がある。お前はもういい」

「…………」

「ゆけ」

「はい……」


 どこか刺々しい態度、圧迫するかのような雰囲気。どう考えてもいいものではない。これからさきどうなるのか、不安だった。






「くそうっ! なんなんだよ糞エルフ!」


 自分と同じ種族とはいえ、幾らなんでもこれはないと思った。

 あの後、魔物使いというスキルに関して魔物を扱うスキルだと言うことで異端、悪魔の子、不浄なる者とか言われて排斥され、住んでいたところを追い出された。しかも俺だけ。家族は関係ないということらしく俺だけ追い出された。まあ、天賦の才は親とか関係ないらしいし。


「ああもう! 一人でどうやって生きていけばいいんだよ!?」


 流石に森の中一人で生きて行けと言われても無理に等しいだろう。まあ、生き残るしかない。頑張って。


「……"魔物使い"か。やってみよう」


 ここで重要になるのが天賦の才、追い出される原因となったスキル。その名の通り魔物を使えるスキルだ。


「……全然ダメじゃん!?」


 集まってきたのはスライムだけだ。まあ、そうだよね、最初からとんでもなく強力なスキルってないよね。


「はあ……まあ、よろしくな」


 スライムたちでもだめなわけではない。魔物は魔物、どんな形でも利用法はある。















「ふう……」


 スライムたちと暮らす森暮らしもだいぶ慣れてきた。スライムは一体を操るのではなく、複数の群れを軍隊で統一して操っている最初はそれぞれで使っていたが、スライムたちを使っているうちにどんどん集まるようになっていった。


「あ、悪いな」


 そのスライムたちは魔物や獣を狩ったりして手伝ってくれたりして、野草の類も探してくれる。敵が来れば教えてくれるし本当にありがたい。感謝に堪えない。




 そんなスライムと過ごしてるある日。


「うわっ!?」


 いきなりスライムに抱き着かれる。いや、抱き着くと言うか? スライムは覆いかぶさるように親愛を示してくることがあるのだが。今のそれは抱き着く、だった。


「――!」

「……え? 人型のスライム?」


 エルフの女性の姿をした人型のスライム。いつの間にか俺が従えていたスライムがそんな姿をしていた。


「どういうことなの……」


 よくわからないが、どうやら彼らは人型を取れるようになったようだ。まだ喋ることはできないし、あくまで形をとれると言うだけ、そのうえ人としての一般常識すらまだない状態だ。流石に今の状態で過ごされるとこちらが困る。


「教えないといけないのかなあ、人らしい生き方」


 まあ、こちとら人寂しい身なので人間らしく一緒に過ごしてもらえるならうれしい限りではある。ただ、スライムに物を教え込むことができるかはわからないんだが。出来るだけ頑張るがうまくいくだろうか。せめて喋れるくらいにはしてやろう。

具体的に終わらせ方が思いつかずfragment化。

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