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やばい!最悪の魔女が頭の中にいる!  作者: uranium233
第1巻:すべてはここから始まる

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序章

おお、偉大なる『マレフィカ(魔女)』よ、恩恵を授けたまえ。我は汝の憐れみを渇望する。


「瞬、学校ではちゃんとお友達と仲良くしなさいよ。たくさん友達作りなさい。高校生になったんだから、そろそろ変わりなさいよ」

「わかってるよ、母さん。」

「道中気をつけて、バスに乗り遅れないでね。」


高橋瞬は、グリンフィット魔法高校の一年生。幼い頃から、まあ平凡そのもの、どこにでもいるような存在だった。成績は中の上、特技も才覚もなく、趣味と言えばゲームと漫画とアニメだけ。顔立ちはそれなりに整っていたが、とてもトップクラスのイケメンとは言えない。友達も少なく、瞬はどちらかと言えばオタクで、部屋にこもりがちだった。中学時代はクラスで影が薄く、瞬がグリンフィットの入学試験に合格したと聞いたときは、誰もが驚いた。


「えっ?高橋くんがグリンフィットに受かったって?あそこ、トップレベルの魔法高校のひとつでしょ」

「グリンフィットの入試、めっちゃ難しいって聞いたけど。」

「高橋くんに魔法の才能あったっけ?なんか普通の人と変わらない気がするんだけど。」

「高橋くんって、うちのクラスだったんだ。全然目立たなくて、名前も忘れてたわ。」


そんな噂が、あちこちで飛び交っていた。


(これまでずっと平凡な毎日で、何をするにも全力を出したことはなかった。「普通」でいいと思ってきたし、目立とうなんて思ったことも一度もない。親にグリンフィットの受験を勧められて、まあ平均点くらいを取れればいいやと受けたら、なぜか受かってしまった。やっぱりもう少し手加減するべきだったんだろうか。はあ……グリンフィットは天才と怪物の巣窟だって聞く。普通の高校に行くしか、平穏な日常は手に入らないのかな。母さんは友達を作れと言うけど、確かにこれまで話せる相手なんてほとんどいなかった。でも、友達なんて別に必要ないだろう。少なくとも、俺はそう思っている。)


バスの後部座席に腰を下ろし、瞬は窓の外を眺めながら、あれこれと思いを巡らせていた。


グリンフィットは市街地からかなり離れており、敷地は広く、設備も整っている。高校というより、小さな町のようだった。そのため学校は専用のシャトルバスを運行し、沿線の生徒たちを送迎している。


「こんにちは。隣、座ってもいいですか?」

優しい女の声だった。


瞬が振り向くと、金髪をポニーテールにまとめ、チェリーのヘアピンをつけた女生徒が立っていた。赤い瞳がひときわ深く、その目が瞬をまっすぐに見つめていた。


瞬は無意識に彼女の全身を眺めた。白いニーハイソックスと制服姿。ただ――

彼女の、まるで板のように平坦な胸を見て、瞬は思わず笑みをもらした。


「ねえ、どこ見てるの?」

「あ、いや……なんでもない。あ、ここ空いてるよ、座っていいよ。」


女生徒が座ると、何かを感じ取ったのか、それとも単に偶然か、彼女は瞬の足を踏んだ。


「あああああっ!」

「大丈夫?」

「痛い……」

「ごめん、まさかこんなに弱いなんて思わなかった」

「やっぱりわざとだろ!」

「じろじろ見るからでしょ」

「ちょっと小さいなって思っただけで……あああああああああっ!」

女生徒はもう一度踏みつけた。今度はさっきより強く。

「何がわかるのよ、バカ!私……私はまだ発育途中なんだからね!」

「なんでそんなに強く踏むんだよ」

「罰を与えなきゃ懲りないでしょ。それに、私は風祭夏恋。ちゃんと覚えなさいよ」

女生徒は、少し頬を赤らめながら言った。

「俺は高橋瞬。よろしく。風祭さんは何組?」

「B組だよ」

「お、同じだ。俺もB組」

「じゃあ、これから同じクラスかあ」

「うん」


入学式の講演会場。


「はっはっはっはっはっは!新入生の諸君、ようこそグリンフィット魔法高校へ!私は校長のスティーブン・キングだ。スティーブン校長と呼んでくれればいい、はっはっはっは!」

そこには、一人の小人の老人が壇上に立っていた。いや、正確には踏み台の上に立っていた。何しろ身長が足りなすぎるからだ。

(グリンフィットの校長が変わり者だとは聞いていたが、まさかひたすら笑うだけの小人の老人だとは思わなかった。本当に校長なのか?)


「皆もご存じの通り、本校は多様な教育方針、恵まれた教育環境、そして生徒の興味を伸ばすための豊富なカリキュラムが自慢だ。どうかグリンフィットでの学園生活を存分に楽しんでほしい、はっはっは。長ったらしいスピーチは誰だって嫌いだろうから、これくらいにしておく。解散!はっはっはっはっはっはっはっは!」


「やったー!」

「わーい!」

「校長先生、最高です!」


会場は歓声に包まれ、生徒たちは我先にと散り散りになった。

「おい、整然と退場しろ!走るな!」

担任たちは必死に秩序を保とうとしていた。

「はっはっはっは!これこそ青春というものだ、頑張れ若者たち!」


(まったく、めちゃくちゃな入学式だった。とりあえず寮に戻って昼寝でもしよう。)


寮の部屋。

グリンフィットは生徒のプライバシーを尊重し、すべての部屋が個室となっている。広さはさほどないが、ベッド、机、クローゼット、冷蔵庫、IHコンロ、洗濯機、浴室と、いわば五臓六腑すべてが揃っている。

自炊が許可されているのは珍しく、グリンフィットは学生に食堂で食べない選択肢を与え、自立心を育むことを重視している。


(昨夜はゲームを夜遅くまでやっていたから、これでしっかり昼寝ができる。)


瞬はベッドに横たわり、目を閉じた。次第に、次第に……


おお、万能なる『マレフィカ』よ、その聖なる御手をもって、我が欠けた心を癒やしたまえ。


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