二人の言い分
楽しんで下さい。
「えっ?!」
沙也加は驚愕した。
「キ、えっ?」
そして、晴美はしまったという顔になる。
「どうしてそんなことを……」
「あー、助けてくれたお礼的な」
顔を赤らめながら、ショートボブの髪をなびかせながら彼女は答えた。
「……」
沙也加は何も言えず立っていた。
(なんてこと、紗綾ともやってないことをしたなんて……圭君もああなるはずだわ)
「中条さん貴女は何をしたの?」
「私? 私は~」
顔を赤らめながら、目を反らした。
「今更もう隠さないで」
沙也加は珍しく強い口調になっていた。
「隠すわ、言いにくいもの!」
「まさか、貴女も……!?」
「えっ、そうなの!??」
美咲は赤らめながら目を反らして何も答えない。
「まさかそんな……」
「え、どうしてそんなことしたのよ!!!」
晴美は口を尖らせて美咲に問い詰めた。
「いや、だって市原さんが小谷君にキスしたって小谷君から聞いたから、つい……ね」
「つい何よ!?」
「つい、対抗的な?」
「貴女ねぇ。折角、私が他の子達から先に距離を置けたと思ったのに!!」
「そう易々と出し抜かせないわ」
「出し抜くって何よ!」
晴美と美咲の口喧嘩が始まる。
一方沙也加はぼーっとしていた。
(圭君がキス、圭君がキス、圭君がキス……)
そうしたら予鈴のチャイムがなったので、沙也加はハッとした。
「あら、予鈴のチャイムが鳴ったわ。で、飯塚さん。もう良いかしら?」
晴美は言い、
「えっ、あっうん」
沙也加はそう答えるしかなく、二人は教室に戻った。
(圭君がキス……か)
授業は終わり、沙也加は帰宅したが、沙也加もぼーっとしていた。
「姉さん、お帰りなさい。あら、どうしたの?」
紗綾は廊下に立っている沙也加に問いかけたが、沙也加は返事をしない。
「姉さん、姉さんってば」
そして、沙也加はハッとした。
「あぁ、ゴメン。どうした?」
「どうしたのはこっちよ。姉さんまでぼーっとして。二人ともおかしいわ」
(紗綾に言うべきかどうか……)
沙也加は考えた。
「で、どうだったの?二人から話を聞いて」
沙也加はドキッとした。
「えっ、それはその~、それより圭君は?」
「大分熱は引いて、寝ているわ」
「そ……」
「で、どうだったの?」
「えっ、あっ、うん。私ちょっと部屋に行かないと」
沙也加は急いで階段を上がった。
「あっ、ちょっと姉さん、姉さ……ん、もう。どいつもこいつもどうなってるのよ!」
沙也加は部屋に行き、どう説明したらいいか考えた。
(うーん。紗綾になんて説明しよう。許嫁より先に他の女子がキスしたなんて知ったら、紗綾は卒倒しないかしら)
うーんと紗綾は考える。色々考えた末、
「仕方ない、有りの儘を伝えるか」
沙也加は腹をくくる。そして、振り返ると京香がいた。沙也加はビクッとした。
「京香ちゃん居たのね。」
「えぇ、仮にもこの部屋で居候している身なもので」
「私何か口走ってなかった?」
「いえ、ただ唸っていただけでしたが」
「そ、そう」
(京香ちゃんに言ったら、圭君に何をするか)
「で、何か分かりましたか?」
「えっ?あっ、うん。まあね……」
「そ……ですか、あんまりいい話じゃなさそうですね」
「そうねぇ、まさかあんな事が起こるなんて」
「そうですか……」
そうして晩ご飯を食べ、紗綾が沙也加の部屋に来るのを待った。沙也加は紗綾が来るまでの時間が長く感じた。暫くして、紗綾が来た。
「で、話って」
「いい、紗綾。驚かないでね」
「うん」
「圭君……二人から」
「……」
「キスされたそうなの……」
紗綾はただ無言になった。そして、
「そ……か、そういうことね」
「気絶はしないの?」
「ある程度の覚悟はしてたから。私はただ圭輔さんの命に関係が無くてホッとはしたわ」
「紗綾、大人になったわね」
沙也加はううっと泣いた。
「一応確認なんだけど、圭輔さんからした訳じゃないのね?」
「そういう風に聞いたけど」
「そ……なら」
「?」
「二人にお返しをしないとね」
「えっ? 紗綾? お返し?」
「プレゼントをくれたなら、お礼を返さないと」
「紗綾ちゃん?」
紗綾はメラメラと燃えたが、
「まっ、ひとまずは圭輔さんの面倒ね」
直ぐに怒りを奥にしまい込んだ。
「姉さんも来る?」
沙也加は無言で頷いた。そして、紗綾の部屋に行くと、圭輔は横になって、すや~と寝て、近くには京香が座っていた。
「大分、大丈夫そうね」
「そうね」
二人は笑いあった。
「で、例の計画なんだけど」
沙也加の耳元で囁いだ。
「えっ、そんなことをするの!?」
「目には目を、歯には歯を、口には口によ」
最後まで読んで頂き有難うございます。
さて、紗綾の計画とは!?
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